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半分獣の俺が異世界で最強を目指す物語  作者: 福田 ひで
第十三章 開幕!島王選
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その三十三 策士

「な、何で………」


その瞬間、何処からか笑い声が聞こえてくる。

その独特な笑い方は1人しかいなかった。


「クフフッ!クハハハハッ!」


その男は笑い声をあげながらこちらを指差してくる。


「決まったと思ったか!自分の作戦が上手く行ったと本気で思ったか!残念だったな、結局は俺の手のひらで踊らされていただけだ」

「全部……分かってたのか?俺の動きも作戦も全部分かった上で」

「作戦なんて所詮は繋ぎだ。結果さえよければ何でもいい。お前らの作戦は別に知っていた訳じゃない。だが、俺は知っている。勝利を確信した時こそ油断するとな」


やられた、ツタを離した時に中身を入れ換えられていたのか。

じゃなかったら白い籠にボールを入れれる訳がない。

何だ、まるでこうなることが当たり前かのように、全てをみすかしたような表情。

そんなのありなのか?


「残念だが頭で負けるわけには行かないんでな」


日頃から作戦を考え伝え臨機応変に対応する柔軟性。

初めから敵うはずがなかったんだ。

俺はそこまで策士ではない。

ここまで……なのか。


「まだです!」


その時後ろからミカの声が響き渡る。


「ミカ………」

「ボールはまだありますよ。まだ終わりじゃないです!別にいいじゃないですか取られたって。私達がその倍入れればいいんですから。なんですか?もしかして他の先輩達も諦めてるんですか!見損ないましたよ!先輩達がいかなくても私は最後まで戦いますよ!」


その時ミカの頭をピンカが叩く。


「いたっ!何するんですか!」

「後輩が生意気言ってんじゃないわよ。言われなくても諦めるわけないでしょ」

「そうだね。まだまだここからって感じだし」

「俺もまだ戦える」

「ここから………頑張ろう………」

「皆………」

「シャキっとしなさいよ。あんたが考えた作戦なんだから最後まで責任もってやり遂げなさい。途中でほっぽり出すなんて許さないから」

「ああ、分かってる。最後まで戦うよ」


俺は拳を握りしめ顔をあげてサザミ達を見据える。

だがサザミはそんな俺達を見てあざ笑うかのように余裕の態度を見せる。


「傷の舐め合いは終わったか?お前らがどんなに頑張ったところで俺達が勝つ事は決まっているんだ」

「どうだろうな?」

「まだ勝てる気でいるのか?」

「島王選は最後まで何が起きるか分からないからな」

「がっはっは!言うじゃねえか!」

「クフフッ面白いなら勝ってみろ!」


その瞬間、更に多くのボールを取り出す。


「先に言っておくが俺達は現在60個のボールを入れている。更にこちらにはまだ20個のボールが控えている」

「20個!?何でそんなボールを持ってるんだ?」

「気付いてなかったのか?お前らもしていた事だが」

「まさか、補給係が居るのか」

「ごめんなさい。私がしていました」


そう言ってなぜかナズミが申し訳なさそうに手を上げる。


「そういうこったぁ!俺達はまだまだボールを持ってる!このまま戦えば更に差が広がるだけだぜ!」

「尻尾巻いて逃げることをオススメするよ」

「やれるもんならやってみなさいよ。逆にあんた達の尻尾を巻いてやるわ」

「ピンカ何かちょっと意味が違う気がするけど、僕達はそんなことじゃ逃げないよ」

「面白いじゃねえか!俺達もまだまだやれるぞ!」

「あたい達に喧嘩売るってことは覚悟決めてんだろうね」


俺達のボールは残り29個、そして籠に入れた数が40個、全部入れても逆転は不可能。

勝つためにはボールを補給する人が必要だ。


「なあ、皆提案があるんだけど」

「ボールを補給しに行くの?」


俺が言おうとしてた言葉をマイトが先に言う。


「分かってたのか?」

「今の状況を考えるにこれしかないからね。いいよ、行ってきな。ここは僕達が守るからさ」

「マイト………」

「何ぼーっとしてんのよ。さっさと補給しに行きなさいよ。じゃないとあんたが帰ってきた時全部終わってるわよ」

「ありがとう!」


俺はすぐにその補給場所に向かう。

その時目の前に魔法陣が出現する。


「俺との勝負が終わってないだろ!」

「ガイ!すまないけど今はお前に構ってられないんだ!」


その時別の魔法陣がガイの魔法を防ぐ。


「かつ!行ってくれ!」

「イナミ!ありがとう!」


俺はそのまま補給場所に向かった。


「ナズミ、お前はかつの後を追え」

「分かりました」

「行かせると思うか?」


その時マイトがナズミの前に立ちはだかる。

その瞬間、サザミが2人の間に入る。


「行かさせてもらうぞ」

「ちっ!」

「ほら、早く行け!」


その瞬間、ナズミは急いでかつを追う。


「それじゃあ、始めるか!」



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