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半分獣の俺が異世界で最強を目指す物語  作者: 福田 ひで
第十三章 開幕!島王選
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その二十八 思い通り

「これで、全ての補給ポイントを理解できたな」

「がっはっは!そうだな!これからはボールがなくなったらここに来ればいいってことだろ!」


現在赤チームは全ての補給場所を特定していた。

それにより、手持ちは40個となった。


「それでこれからどうするんだよ。早く戦いに行こうぜ」

「ガイ、お前は何か間違えているな」

「なんだよ」


そう言って、少し不満げな顔をする。

すると、サザミは二本指を立てる。


「今回の勝利条件は主に2つ。ボールを相手より多くいれるか、籠を壊されるか。後半は事故が起こらない限りあり得ない。つまり、ボールを多くいれることが勝利の近道となる。無駄に戦う必要は無いと言うことだ」

「たしかにそうだけどよ、あいつらの内何人か倒せばその籠の中にボールを入れやすくなるだろ。つまり、戦いも必要ってことだ」

「確かに!俺はそっちの方が個人的には嬉しいけどな!」

「た、戦いはあまりしたくはありません。覚悟とかではないのですが、やらなくてもいい戦いは避けるべきだと思います」

「あたいもそれに賛成だね。籠にボールを入れるのにわざわざ戦いにいく必要が無いだろう」


皆の意見は見事に分かれ、サザミがどうしようか考えていると、ミズトが口を開いた。


「戦うとか戦わないとかあなた達は考える必要はない」

「どういうことだ?」

「私が全員倒すから、あなた達はボールを籠に入れることだけに集中すればいい」

「おいおい、なんだその言い方は。お前、この中で1番強いと思ってんのか?」


ミズトの舐めた発言にガイは思わず口を出す。


「待てガイ。ミズト、相手を舐めすぎだ。十二魔道士は最強の称号、お前1人だけでそいつらを打ち砕くことが出来ると思ってるのか?」

「出来るから言ってるんでしょ」


サザミの言葉に負けることなく、ミズトははっきりとした口調で言う。

だがサザミも引くことなく言葉を続ける。


「お前は確かに強い。おそらく十二魔道士でもトップクラスだ。だが、俺の目にはお前のその魔法を1人だけ避けたやつが居たぞ」

「…………………………………」

「お前の魔法も無敵じゃない。すでに見切ってるやつもいる。そうやって、余裕を持っているといつか足元を掬われるぞ」


ミズトは冷たい視線でサザミを睨む。

だが、サザミも視線を変えずにミズトを睨み続ける。

そして、ミズトはため息を吐くと顔を背けた。


「勝手にして。今はあんたがリーダーだし」


そう言うと、ミズトはナズミの横に移動する。


「お姉さま…………」


話し合いが終わり空気を変えるようにサザミは思いっきり手を叩く。


「よし!これから本格的に攻撃を始める。こちらは先制点を取られてる。これ以上差を広げられることは絶対あってはならない」

「もちろんだぜ!こっから俺達の反撃が始まるってことだろ!」

「そういうことだ。今からお前らに作戦を伝える。すぐに覚えろ」


―――――――――――――――――――

『ピンカとイナミは俺達と離れたところで歩いてろ。本当にそこら辺をプラプラ歩いてていい』


「て、言われたけど本当にこんなんで赤チームに会えるわけ!?」


かつの指示の元、ピンカとイナミは二人だけで森の中を彷徨い歩いてた。

イナミは疑っているピンカに対して落ち着いた様子を見せる。


「相手も俺達を探してると思うし、多分会えると思う」

「ていうか、私達が接触できずにあっちの方で会っちゃったらどうするのよ!」

「それはないんじゃない。流石に警戒もしてると思うし、多分大丈夫だと思う」


するとピンカは声を荒げるとイナミの方を指さした。


「ていうか、さっきから思う思うって全然はっきりしないじゃない!」

「いや、だって断定できないしそれで間違えたら俺の責任になるし」

「もういいわ。ほら、さっさと行くわよ」

「ちょ、置いてかないで――――」


その時、何処からともなく巨大な炎の渦がピンカとイナミを襲う。

二人はとっさに回避するとその魔法を放った人物を視界にいれる。


「くっ!何すんのよ」

「何するって攻撃に決まってんだろ?」


そう言ってエングが笑みを浮かべる。

それに続いてサザミや他の赤チームも姿を現す。


「お前達相変わらず仲が悪いな。他の仲間が居ないところピンカが駄々をこねて抜け出したのをイナミが追ってきたところか、どちらにしろこの状況でチームを離れるのは利口な考えとは言えないな」

「何言ってんのよ。私の魔法であんた達全員を倒すことなんて簡単よ」

「そうか、ならよかったな」


その瞬間、一斉にピンカとイナミに攻撃を仕掛ける。

その状況を見てピンカはかつに言われた言葉を思い出す。


『もし、敵に遭遇したらタイミングを見極めて魔法を撃て』

『何の魔法を?』


「行くわよ、イナミ!」

「分かってる!」


『特大の氷の魔法だよ』


「「アイスフィールド!!」」

「っ!?」


その瞬間、辺り一帯が一瞬で氷付けになった。

突然の奇行にさすがのサザミたちも反応できずに体を凍らせられる。


「くっ!これは…」

「くそ!抜けねぇじゃねえか!」

『やられた!こいつら、自分達も氷付けになるほどの魔法を撃ちやがった!』


「へへへ、ざまーみろ。油断したわね」

「くそ!なんだこれおい!サラ!ここから抜け出さしてくれ!」

「これで、籠は見防備だ。残念だったな、赤チーム。俺達の勝ちだ」

「お前ら……………」


赤チームは全員氷漬け、身動きが取れなくなった状況なら邪魔することは不可能。

この瞬間を待ってたんだ!

俺達は一斉に隠れた場所から飛び出していった。


「今だ!いくぞー!」

「「「了解!!!」」」

「おいおい、やばいぞサザミ!どうすんだ!」


よし!この距離楽勝で入る!

今ある玉、全部入れてやる!


「行けーー!!」


俺達は籠目掛けて一斉に向かっていく。


「B2だ!」

「了解」


その瞬間、強烈な一撃により氷が砕かれた。


「なっ!?」


この攻撃はミズト!?

まさか、魔法を防いだのか!?

その時、解放された赤チームが一斉に攻撃を仕掛けてくる。


「まずい!一旦逃げるぞ!」

「逃がすと思うか?」


その瞬間、赤チームによって周りを囲まれ逃げ場を失う。

囲まれた!逃げられない!


「ちょっとちょっと!全然ダメじゃない!囲まれたわよ」

「分かってるよ!ていうか、ちゃんと全部凍らせたのかよ!」

「やったよ!大規模な氷の魔法を奇襲で撃ったから、避けるのなんて不可能だ!」

「お前らの作戦も中々だったが、それくらい予想出来た。だから、ミズトに任せた」


ミズトだけが、この魔法に反応出来たのか。

くそ、やっぱりあいつは他の奴らとは別格だ。


「これ………まずい……」

「そうだね。これは間違いなくピンチだね」

「どうするんですか、かつ後輩!」

「魔法を撃って一斉に逃げるぞ!」


俺達は一斉に魔力を溜める。


「行くぞ!!」


その瞬間、巨大な爆発と共に俺達はその場から逃げ出した。

全員とはいかなくても少しでもこの場から逃げられれば、次に繋げる。


「GKA1、MTA1、EBI1!」

「「「了解!!!」」」


何だ今の声?

いや、気にするな早くここから逃げないと。

その時、眼の前に人影が現れたと思ったら魔法がこちらに飛んでくる。

俺は足を止めて何とか体を捻ってそれを交わした。


「ぐっ!?何だ!」

「おいおい、逃げることはないじゃねえか。こっから楽しくなるんだからよ!」

「ガイ!?」

「かつ後輩!」

「残念だけどあんたらをここから逃がすわけには行かないよ」

「サラもかよ!くそ、挟まれた!」


他の皆も赤チームに囲まれてる。

さっきの言葉、何かのメッセージだったのか?

皆それぞれ決まった人をマークしてる。

もしかして、あの時間で何か作戦を決めてたのか?


「かつ後輩!まずいです!籠が!」

「え?」


籠の方を見ると近くに誰もいなく、完全な放置状態になっていた。


「まずい!おい、皆!籠を守れ!」

「そうしたいのは山々なんだけど」

「こいつらが邪魔していけないのよ!」


皆が籠に向かおうにも、それぞれ赤チームに邪魔されて行けないでいる。


「くそ!」

「おっと行かせないぜ!かつ!」

「退いてください!」

「それならあたいを倒してみな!」

「くっ!行けない……」


まさか、全部作戦通りなのか?

俺達が奇襲作戦をするのも、ここから逃げ出そうとするのも全部分かった上でやらせたのか。


「がっはっは!」

「っ!?エング!!」

「残念だったなかつ!さっきの取られたポイントを返してもらうぜ!」


エングの手には大量のボールを所持していた。

あの量はまずい!


「エングお前、何する気だ!」

「決まってんだろ。ボールを籠に入れんだよ」

「くそ!させるわけないだろ!」

「それはこっちの台詞だ!ライジングサンダー!」

「うおっ!?くそ!邪魔するな!インパクト!」

「サンダーボルテージ!」


くっ!互角か!

早く行かないと、ポイントを上回れる!


「ちょっと強めに行きますよ!アグレッシブフルート!」

「やるねえ!それじゃこんなのはどうだい!ロックタワー!」


くっ!駄目だ、攻撃しても突破できない。

もどかしい!お互いの力量がほぼ互角なんだ。

まてよ、もしかしてそれも計算して。


「おらよ!」


すると、エングがボールを入れ始める。


「やめろ!!」

「くっ!ライトニングアロー!」


マイトは何とか隙を見つけエングの横に魔法陣を展開する。


「ロックスピア」


その瞬間、サザミの魔法によって魔法陣が砕かれる。


「なっ!」

「残念だが、そう簡単にはやれないぞ」

「ちょっと!余所見してんじゃないわよ!」

「ああ、お前らももちろん逃がさないぞ」

「くっ!何で攻撃が当たらないんだ!」

「克服できたか知らないが、普段魔法を使ってないようなやつに俺が負けるわけないだろ」


駄目だ、遠くから魔法を放っても弾かれてしまう。


「ちっ!めんどくさいな。もう一気に入れるか」


まずいまずいまずい!

こんなところで大量失点するわけにはいかない。

何とか、何とかしないと!


「ミカ!」

「なんですか!」

「巨大な竜巻を作ってくれ!」

「っ!分かりました!リフトタイフーン!」


その瞬間、巨大な竜巻が作り出される。


「何だ何だ?そんなんじゃ俺達を倒せないぞ!」

「倒すんじゃない!行くぞ!」


俺は竜巻の中に侵入する。

上手く乗ればダメージにはならない!

このままぶっ飛ぶ!

俺は竜巻の風を利用して、その場から離れることに成功する。


「何!?空中から逃げやがった!行かせないぞ!」

「邪魔しないで!アイスガン!」

「うおっ!行かせねぇってことか」


ガイとサラはミカに任せよう。

俺がやるべきことは一つ!


「エング!!」

「空から来るとはおもしれぇじゃねえか!だが、あいにく今回は俺はボールを入れる専門なんだ。お前の相手はまた今度な」


そう言って籠の中にボールを入れようとする。


「させるか!インパクト!!」


よし!これなら、決まった!


「ロックスタンプ!」


だが、俺の魔法は防がれてしまう。


「なっ!」

「させないって言ったはずだよ?」

「サラ!まだ邪魔するのかよ!インパクト!インパクト!」


だが、全て防がれてしまう。

くそ、ミカに任せたはずなのに上手いこと逃げられたのか。

ああ、駄目だ、間に合わない。



「皆!誰か行ってくれ!」


だが、皆防戦一方で向かうことが出来ない。

入れられる………所持してる全部のボールを。


「おらよ!」


その瞬間、全てのボールが籠の中に入った。


「ボールを確認!ボールを確認!」


そのアナウンスが流れると籠に網がついた。


「これで、作戦を終了する」



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