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半分獣の俺が異世界で最強を目指す物語  作者: 福田 ひで
第十三章 開幕!島王選
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その二十二 赤チームと白チーム

「皆さんお待たせしました!準備が整いましたのでこれより第3競技を始めたいと思います!」

「待ってたぜ!」

「次も面白い試合してくれよ!」


皆待ち望んでいたのか、観客の盛り上りが最初よりも格段に上がっている。


「いやあーすごいな。何か、すごい圧を感じるな」

「かつ後輩は第2競技も出てましたからいいですけど、私はまだ第1競技しか出てないので、やりたりないです」

「安心しろ、嫌でも活躍せざる終えないからよ」


第3競技か、第1競技第2競技は風間が考えていたからか俺が小学校の頃にやっていた運動会の内容と一緒だ。

となると第3競技もその運動会の中から出る可能性が高い。


「がっはっは!何でもかかってこいよ。次は絶対1位になってやる!」

「お前は大人しくしてろ今回は俺が主に動く」

「次は油断せずに最後まで警戒を怠らないようにしないと」

「がんばろう………………」

「ちくしょう!次は絶対1位になってやるぜ!」

「落ち着きな。今度はあたいも一緒に行くから、勝手に暴れるんじゃないよ」

「…………………」

「…………………」

「お姉さま私、今度は油断しません!」

「そうね、一緒に頑張りましょう」

「それでは、早速第3競技を発表します!第3競技は………玉入れだー!!!」


その言葉を聞いて観客も十二魔道士もざわめきだす。

まっこの競技も皆は理解できないだろうな。

玉入れか懐かしいな。

俺が投げた玉を敵味方関係なく打ち落とされてたからな。


「それでは早速ルール説明に参りましょう!十二魔道士の皆さんはこれから第1競技で戦った森にまた行ってもらいます。そこにはそれぞれ棒が付いた籠が置いてあります。それは2種類あり赤と白の2つがテレポートした先に置いてあります」

「2種類の籠?もしかして、今回の競技は…………」

「察しの良い皆さんはもうすでに気づいてるかもしれませんが今回の第3競技はチーム戦です!」


なるほど、本当にあの運動会を再現してるのか。

チーム戦ってことになるとメンバーが重要になってくるな。

チームで行動できる面子が必要だし、自分勝手な行動しそうなピンカ達とエング達とガイ達はあんましなりたくないな。

あと、ミズトもあんまり協力的じゃ無さそうだな。


「そして、その籠の中にこのボールを相手チームの入れてもらいます!1番相手チームにボールを入れたチームが50ポイント差し上げます!」

「がっはっは!誰が相手だろうと50ポイントは俺達の物だ!」

「当たり前だろ。後は誰が仲間になるかだ」

「それでは早速誰がどのチームになるか発表させていただきます!」


ついに来た、さて誰が仲間になるんだ?

俺は緊張しながらもその発表に耳を傾ける。


「それでは赤チームからの発表です!赤チームはエング選手とサザミ選手!サラ選手とガイ選手!ミズト選手とナズミ選手です!以上が赤チームです!」

「っ!クフフっ中々面白い組み合わせになったな」

「お姉さま……………」

「…………………………」

「それでは次は白チームの発表です!かつ選手とミカ選手!ツキノ選手とマイト選手!ピンカ選手とイナミ選手です!以上が白チームです!このメンバーで第3競技は戦っていただきます!」


まずい、このチームはとてつもなくまずい。

赤チームが実力チームなら白チームは色物チーム、とても協力できる気がしない。

でも、相手チームも協力と言うところでは中々難しそうな所はある。

どっちもどっちって言うところだけどでも…………


「それでは、チームも決まりましたので最後のルール説明です!この籠の中に入れるボールですが、失くなったときに補給するための場所が3つあります!先ずは補給場所を見つけるのが最初の仕事と言えるでしょう!ちなみに相手の籠を破壊したりするのは禁止です!もしした場合はそのチームは失格となるのでご注意を。それでは早速始めようと思います!」


すると、地面が光輝き始めた。

いよいよ、始まるな第3競技が。

絶対に負けるわけにはいかない。

そして、光に包まれ第3競技が始まった。


一方その頃王同士でも静かな闘争が行われていた。


「先程は奇怪な手腕でやられましたが、今度はそうは行きませんよ、ガルア」

「別に俺があれをしろと言った訳じゃないぞ。あいつが考えて出した戦い方だ。そう思うならお前はあいつを少しは認めたってことだよな」


そう言ってガルアは勝ち誇った顔をする。

それを見てミュウラは悔しそうに唇を噛みしめる。


「くっ!あ、あんな戦い方はこの先は通用しないわよ。神は言っています。勝つのは私の十二魔道士と」

「なあなあ、その神は言っているってどういう意味だ?お前は何が見えてんだ?」

「ムラキ、あなたはさっさと口を閉じて静かにしていてください。バカが移るので」

「俺様はバカじゃねえ!」


ムラキは拳を握りしめて怒りを露わにする。

そんな様子を見ていたカノエが豪快な笑い声を上げる。


「ガッハッハ!にしてもシンラの十二魔道士は相変わらず仲が悪いな!さっきもお互い黙ったままだったしよ」

「1度出来た溝はそう簡単には埋まらないものです。ですが、何かきっかけがあれば必ず仲直りしますよ。2人とも良い子ですから」

「ガッハッハ!どうなるか楽しみだな!」

「ええ、本当に」


シンラは静かにそう呟いた。

―――――――――――――――――

「おっと……ここが第3競技の場所か。本当に最初に来た森だな」


さっきまでの時間は森に色々配置する為の休憩だったのか。


「ちょっと何ボサッとしてんのよ」


針の尖った様なきつい言葉が後ろから聞こえてくる。

振り向いてみると仁王立ちでこちらを睨みつけているピンクの姿があった。


「ピンカか………別にボーっとしてた訳じゃないぞ」

「別にどうでもいいわよ。そんなことより足引っ張るんじゃないわよ」


こいつ……俺の方がポイント高いのに偉そうだな。

すると、誰かが俺の袖を引っ張る。


「ん?ツキノか!よろしくな」

「うん………よろしく……一緒にがんばろうね」


そう言って俺に優しい笑顔を向ける。

そうか、ツキノも俺達の仲間なのか。

もしかしたら、今回のでツキノの実力が分かるかもしれないな。


「かつ後輩!こんなのがありましたよ」


そう言いながらもミカは巨大な何かを横に引き連れてくる。

それを見てピンカは驚いた声を上げる。


「なっ!?ちょっと何モンスターなんか連れてきてるのよ!」

「モンスター?ピンカ先輩これは例の籠ですよ」

「は?籠って………だって足が生えて歩いてるじゃない!」


そう、ピンカがモンスターと言うのもしょうがない。

なぜなら一般的に使われる玉入れの籠に足が生えているのだから。

そんな奇妙な造形に呆気に取らていると、マイトは何事もなく僕達も元にやってくる。


「とりあえず、これが籠らしいよ。よろしくね、かつ、ピンカ」


そう言って爽やかな笑顔でマイトは挨拶してくる。


「ああ、よろしく」

「ふん!」


ピンカはマイトの挨拶に対しそっぽを向く。

こいつは挨拶もできないのか。

マイトはそんなピンカの態度を気にする様子を見せずにイナミの方を向く。


「イナミ君もよろしくね」

「………よろしく」

「よろしくなイナミ」

「………よ、よろしく」


本当に最初よりも話すようになったな。

でも、ピンカがどう思うかなんだよな。


「今は仲間なんだし、イナミ君じゃなくてイナミって呼んでも良いかな?」

「ど、どうぞ」


マイトの提案に少し、困ったようにうなずく。


「それじゃあ、イナミ皆これからどう動こうか」

「決まってるでしょそんなの、補充のボールを探しにいくのよ。ボールがなかったら相手の籠に入れることも出来ないし」


そう自信満々に言う。


「ピンカの言う通りだな。先ずは3ヶ所ある補充の場所を探そう」

「でもかつ後輩3ヶ所しかないってことは相手チームと接触する可能性がありますよ」

「確かにそうだけど、相手の籠にボール多く入れるってのが勝利条件だし、むやみに戦ったりはしないんじゃないか?」


実際戦いよりも玉入れに集中したほうが序盤はベストだろうし。


「それはちょっと生易しい考えなんじゃない?相手はかなりの武闘派集団だよ。先ずはこっちを再起不能にしてゆっくりと籠にボールを入れることもしてくるかもしれない。補給の近くで相手の籠が合ったらなお良いしね」

「てことは先ず逃げた方が良いってことか?」

「何言ってんのよ。そんなもんこっちだって同じでしょ。相手のチームを叩きのめせばそれでいいじゃない」

「ピンカ先輩バカなんですか?」


その言葉にピンカは少し苛立ちを見せる。


「何あんたもしかして喧嘩売ってるの?」

「さっきの話聞いてなかったんですか?戦ったら危険って言ってるんですよ?戦えばそれで良いなんて簡単な競技じゃないんですよ」

「何ですって………」


まずい、これは一触即発しそうな雰囲気だ。

俺は止めに入ろうとするとマイトが間に入り込む。


「はい、そこまで。喧嘩も良いけどマジ喧嘩はさすがに見てられないな。今は仲間なんだから、お互い広い心を持とうよ」

「私は広い心を持ってますけどピンカ先輩はどうでしょう」

「はっ!そんなの持ってるに決まってるじゃない。私をなんだと思ってるのよ」

「短気女」


ピンカはその瞬間、静かにミカに迫っていく。

あっまずい!

俺はとっさにピンカを押さえつけると、ピンカはその場で腕をバタバタとさせる。


「お、落ち着けピンカ!落ち着けって!」

「邪魔よ、かつ!あいつは私がぶっとばす!」


ああ………こんなんで本当に勝てるのだろうか。


その頃赤チームは…………


集まったメンバー同士で各々の自己紹介を行っていた。


「がっはっは!よろしくなお前ら!」

「ああ!まさかエングと一緒とはな。まあ本音を言うとぶっとばしたかったんだけどな」

「がっはっは!気が合うじゃねえか!だが、今はチームだ一緒に頑張ってこうぜ」


そう言うとガイとエングは互いに肩を組み合う。

だがそんな空気感とは対象的にサザミは冷たい視線を二人に浴びせる。


「馴れ合いは終わったか、エング」


そう言ってきつい一言を放つ。

そんなサザミをサラは不思議そうに問う。


「なんだいサザミ。急にそんなツンツンして、何か不服なのかい?」

「俺達は一時的なチームなだけで元は敵同士だ。馴れ合う必要もないだろ」

「確かにそうだけど、今の関係を悪くしたら協力できなくなるんじゃないかい?」

「そんなことで協力できなくなるようなやつは、無視すれば良い」

「そんな言い方しなくても………」


サザミのあまりの言い草にナズミは少し心が痛くなる。

それを見て流石のサザミも口調を柔らかくさせる。


「すまないな、今は余裕がないんだ」

「確かに、お前ら今下から2番目だもんな」


ガイの空気の読めない発言にサラは慌てて口をふさぐ。


「ガイ!あんた一々そんなこと言うんじゃないよ」

「クフフっいいさ。事実だしな。だからこそこの第3競技では、負けられない。今回は俺の言うことを聞いてもらうぜ」


その言葉に他の十二魔道士が疑問符を浮かべる。


「ちょっと待ちな。何であんたの言うことを聞かないといけないんだい」

「今回はチーム戦だ。故に指揮するものが必要だろう。この中でこいつらをまとめるリーダーは俺しかいないだろ」

「ちょっと待て!俺だってそれくらい出来るぜ!」


サザミの提案にガイは意義を申し立てる。


「本当に出来るのか?こいつらをまとめて的確に指示を出して、最善の策を瞬時に伝えることがお前に出来るのか?」

「…………よし!任せた!」


ガイはすぐに諦めてリーダーの座を譲った。


「それじゃあ、俺がリーダーで良いな。先ずは…………何だミズト、何か文句があるのか」


サザミはミズトからの不満げな視線に気づく。

するとミズトはゆっくりと手を上げる。


「何故サザミがリーダーなのか理解できない」

「不満なのか?」

「ああ、チーム内でリーダーが必要なのは私も賛同する。だが、サザミがリーダーなのは納得できない」

「何故だ?理由は?」

「力の差はともかく、ポイントが低い奴の命令を受ける気にはならない」


そう言って、鋭い視線でサザミを睨む。

その空気感を察してかナズミは慌てて訂正する。


「お、お姉さま、流石に言い過ぎですよ。すみません、お姉さまは真剣なだけで悪気はないんです」

「確かに、事実を述べただけだな。なら、お前がやるのか?無理だろうな、そういう経験をしたことがないやつにいきなり務まるものじゃない」

「サザミさんはやっていたのですか?」


ナズミのその問いにサザミではなくエングが元気良く応える。


「もちろんだぜ!サザミはなネッパニンスの兵を束ねたり、モンスターを倒すときも作戦を全体に伝えたりとリーダー的なことをするなんて日常茶飯事だったんだぜ!実力は俺が保証してやるよ」


エングがそう力説するとようやくミズトは納得したように頷いた。


「そういう経験があるのなら、良いわ」

「………それじゃあ、俺がリーダーで良いんだな」


皆がその言葉に頷く。


「それでどうするんだよリーダー。これから相手チームに殴り込みに行くか?」

「先ずは玉の補充だ。3ヶ所ある補充地点に向かうぞ」

「そうだね。玉がなかったら戦うことも出来ないからね」

「それじゃあ、早速行くぞ!」


赤チームは白チームと同じく補充地点を探しに行った。



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