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半分獣の俺が異世界で最強を目指す物語  作者: 福田 ひで
第二章 魔法を極めて最強に!!
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エピローグ 黒の魔法使い

重い空気、機械の音が鳴り響く空間、冷たい視線、皆思い詰めた様な表情をしているこの現状はかなりまずい。

だがこの様な状況になるのは仕方が無いのかもしれない。

俺達が計画している作戦が潰れそうになりそうなこの現状ではこの張り詰めた空気になるのは仕方がないが、いつまでもこんな状態では今後の計画に支障が出てしまう。

だが後もう少しであいつが来るはずだ。

あいつがこの計画を潰した張本人を連れてくれば俺達の計画は続けられる。

その時この空気を壊す様に勢い良く扉が開いた。


「おい、今帰ったぜ」

「やっと帰ってきたか。遅かったな。それで結果はどうだ?」


皆の視線が一気にそいつに集まる。

先程とはまた別の空気の重さを感じる。


「ああ結果はお前らが探してる様な奴はいなかったぞ」


そいつの第一声で先程まで強張った皆の顔が一気に悪い意味で緩む。


「は?貴様は何を言っている。自分が何を言ったか分かっているのか?」

「しょうがねえだろ見つけられなかったんだから。そもそも情報が少なすぎんだよ。レベル1の魔法使いだけじゃ分かる訳ねえだろ」


本当に何を言っているんだあいつは。

俺はあいつの言った事を理解出来ずに立ち尽くしていた。


「貴様1週間も探して見つけられなかったで終わると思ってるのか。何の為に探しに行かせたと思っている。まさかそこら辺をボケ〜と突っ立てた訳じゃないだろうな。見つからなかったのなら人に聞いて情報を得たりすればいいだろう。そんな事も分からずにずっと探していたのなら正真正銘の馬鹿だぞ貴様は」

「テメこっちだって必死に探してたんだぞ!」


俺はそいつの言葉に耳を傾けずにそのまま続けた。


「それが必死に探した結果か。だとしたら貴様は無能だな。もしかして貴様は何も考えずただ人を襲う一定の行動しかしないモンスターと一緒の脳みそをしているのか。だとしたらこの様な結果を出したのも納得だな」

「テメェ黙って聞いてりゃ勝手な事言いやがってぶっ飛ばすぞ!」

「そうやってすぐ殴ろうとする辺り、やはり貴様はモンスターと一緒の脳みそだな」


こいつは本当に使い物にならん。


「よ〜し分かった。そこに並べぶん殴ってやっから」


そう言って俺を殴ろうとするトガに向かってもう一人がさらなる追い打ちをする。


「リーダー無理だよ。こいつただのバカだから何やらせたってダメダメだもん。この前何か買い物の時に千ガルアって書いてあるのに1万ガルア出してたんだから」

「おいガキうっせぇぞ!ガキは黙ってろ!」


すると今度は別の奴と言い争いを始めた。


「ガキじゃないわよ!ていうかあんたの方がガキでしょこのクソザルが!」

「クソザルじゃねぇよ!このクソガキが!」

「ああ〜!もうあったまきた!今すぐ消し炭にしてやる!」

「おお〜いいじゃねえか!殺ろうぜ!ひき肉にしてやるからかってこいよ!」


こいつらは本当に駄目だな。


「おい貴様ら、今はそんな事をしている時間は無い。おいトガ!役に立たないんだから少しは静かにしてろ。スイもだ!今は暴れてる場合じゃない」


俺の言葉で2人はその場で喧嘩をやめた。


「チッ!分かったよ」

「は〜い。分かったよリーダー」


さてどうしたものか。

この馬鹿(トガ)が例の奴を連れて来ないせいで、かなり不味い状況になったな。

しかも何の情報も持ってきて無いから探し出すのも難しい。

俺はさっきからパソコンを動かしているサキの方を向いた。

あいつはこいつらの中でも一番機械が得意だ。

今回の作戦もこいつが居てこそ出来るものだ。

サキなら何か情報を持っていないだろうか。


「おいサキ。貴様何か情報を持ってないのか?」


するとサキは静かに答えた。


「………ある」

「あるのか!教えろ!」


さすがサキだ。

あのバカ共とは違い役に立つ。


「黒いスライムを倒した例のレベル1の魔法使いらしき人物が見つかったの。そいつは最近ゴールドフィッシュの討伐クエストをしたらしいわ」

「ゴールドフィッシュの討伐か……魔法協会のクエスト履歴にもしかしたら名前が書いてあるかもしれないな。おいトガ、チャンスをやる。今すぐ魔法協会の情報保管室に入ってクエスト履歴を盗んで来い」

「それは無理な話だなクラガ。俺はコソコソするのは苦手なんだよ」

俺がせっかく出したチャンスを平然と断る。


「チッ。使えんな」

「あっ!テメ今使えないって言ったか!」


俺は怒るトガを無視して再びサキのパソコンを覗き込んだ。


「まあクエスト履歴は何とかする。それよりサキ。レベル1の魔法使いの写真とか無いのか」

「遠目でぼやけているけどある」

「見せろ」

「……これ」


そこにぼやけていて見えにくいが2人組の男女の姿が写っていた。

この2人のどちらかがレベル1の魔法使いという事か。


「見えにくいが特徴は分かった。これなら探し出せるだろう。サキはクエスト履歴を探ってくれ」

「……了解」

「おいトガ、仕事だ。この写真を元にレベル1の魔法使いを探せ2度の失敗は無いからな」

「はいはい分かったよ。探してくればいいんだろ。たくっ人使い荒いなテメェは」


これならすぐに見つけられるだろ。

これ以上長引くのはまずいからな。

作戦は絶対に成功させなければいけない。

絶対にだ。



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