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半分獣の俺が異世界で最強を目指す物語  作者: 福田 ひで
第二章 魔法を極めて最強に!!
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その十二 ゴールドフィッシュの討伐会議

だいぶ道草食ったな。

俺は道に建てられてる時計を見た。

よし、だいぶ時間掛かったが何とか間に合いそうだ。

にしてもお金取りに行っただけなのにえらい目にあった。

しかも明日会う約束もしてしまったし、まあそれくらいは別に何の問題は無いのだが、気になるのがあの女の子の口調だ。

最初は普通の人の喋りだったが、話していくにつれて偉そうな口調に変わった。

この世界の子供はもしかしたら人見知りが少ないのか。

もしくはあいつが他の子より特別なのかもしれないな。   

そんなことを考えているとあっという間に目的地に着いた。


「考え事をしているとすぐに着くもんだな」


ミノルはもう居るのかな。

そんな事を考えながら、俺は扉を開けた。


「それでね…、あっかつ!遅いじゃない!どこで道草食ってたのよ」

「お金とか無くなって色々大変だったんだよ」


2人共俺が来るまでに何やら世間話でもしてたのだろうか。

飲み物がコップの半分以下まで減っていた。


「ぜっちゃん久しぶり〜。元気にしてた〜?」


リツは相変わらずのんびりした声で挨拶をした。


「リツ久しぶり。元気だがここ最近疲れる事が多かったな」

「知ってるよ〜、修業始めたんでしょ〜。ミッちゃんから聞いたよ、大変そうだね〜」


さすが女子、情報が早いな。


「大変って言っても修業内容が鬼ごっこだからそこまで疲れないけどな」

「かつは修業内容をなめすぎよ。あれって結構難しいわよ」


そう言いながらミノルは水を一口飲む。


「確かに師匠の動きはめちゃくちゃ速いから捕まえるのにかなり苦労するだろうけど、結構な年寄りだぞ。流石に体力に限界があるだろ」

「まあかつも何回もやれば分かるわよ。それより今日集まったのはその事じゃ無いでしょう」


俺は本題に入ると思い椅子に腰を掛けた。


「分かってるよ。ゴールドフィッシュの討伐会議だろ。それで作戦は決まってるのか?」

「大体の作戦は考えたわ。まず作戦を言う前にゴールドフィッシュについて説明しとくわね」

「ゴールドフィッシュってもしかして普通の魚と違うのか」

「違うに決まってるでしょ。まずゴールドフィッシュは海に生息してないのよ」

「じゃあ何処にいるんだよ」


するとミノルは上を指した。


「それはね……空よ!」

「空!?待て待てもしホントに空にいるとしたらどうやって見つけるんだよ」

「ゴールドフィッシュは年に1度暖かい春頃に~海に向かって一斉に潜りに行くんだよ〜はいお茶~」


リツが説明しながらお茶を持ってきた。


「ありがと。もしかしてその海に潜って来る日が今日なのか?」

「そういう事だよ〜」

「ゴールドフィッシュの性質も分かった事だし私の考えた作戦を言うわよ」


ミノルは真剣に話をする姿勢になった。


「ゴクリ……」

「まずはね、ゴールドフィッシュは海に向かってまっすぐ降りて来るのよ。なぜそれをするかと言うと、成熟したゴールドフィッシュは子孫を残して海に潜って命を落とすのよ」

「何でわざわざ海で命を落とすんだ」


俺は純粋な疑問をミノルにぶつけた。

ミノルはその質問にすぐ答えた。


「死んだ姿を見られたくないのよ。だから海の奥深くまで潜って命を引き取るのよ」

「なるほど。だから報酬も高いのか」


入手するのがかなり大変そうだな。


「そういう事。それで話を戻すとゴールドフィッシュは海に真っ直ぐ落ちて来るからそこを狙うの」

「つまり?」


ミノルは空中で円を描いた。


「海に渦潮を作るのよ。そうすればゴールドフィッシュの動きを封じられるし大量に捕まえられるわ」

「でもそれじゃあゴールドフィッシュが捕まえられないんじゃないのか」


渦潮で動きは抑えられるがそれまでだろう。


「渦潮で充分集まったら私のグラビティの魔法で渦潮を持ち上げるわ。それで上に持ち上げたら解除してかつのウィンドでゴールドフィッシュを集めてクエスト完了!どう?この完璧な作戦」


ミノルはドヤ顔で説明を終えた。

確かに完璧な作戦ではあるがちょっと気になる所があるな。


「なあミノルちょっと質問いいか」

「何?」

「グラビティで渦潮持ち上げるって言うけどそれって渦潮だけ持ち上げられるのか」


グラビティの範囲がどこまでか知らない俺はここが少し引っかかった。


「グラビティの対象を絞るには、触るしかないわ」

「それって水も有効なのか」

「液体には無効よ」

「じゃあ無理じゃないか」

「だからこそここに来たんじゃない」


そう言うとミノルは自信満々にリツを指差した。

リツは自分が頼りにされて嬉しかったのだろう満面の笑みで腰に手を当て堂々としていた。


「実はミっちゃんに頼まれて作ってたんだ〜渦潮を作る機械~」


そう誇らしげにリツは言う。


「準備がいいな。渦潮については分かったけど、あともう1つ、俺のウィンドで集めるって言ってたけどそれって俺の魔力レベルで出来るのか?」


魔力レベルが1の俺には荷が重い気がする。


「それは分からないけどもし出来なかったら別の作戦を使うわ」

「なるほど分かった。それなら後は渦潮の機械の完成を待つだけだな」

「それならもう出来てるわよ。ねっリツ」


そんなバカなと思った矢先リツは自信満々に答えた。


「もちろん出来てるよ〜」

「えっ!?作るの早くないか」

「実はこの作戦前から考えてたのよ」

「そういう事だったのか。妙に手際が良いなと思ったら」


前々から準備してたという事は元々ゴールドフィッシュを狙ってたのか。


「作戦はこれで完璧ね。それじゃあ行くわよ!」

「ちょっと待て、ゴールドフィッシュを入れる袋とかないのか」

「それはリツの店で買うわ」

「そうかそれなら大丈夫だな」


作戦も内容を聞く限り大丈夫そうだ。

待ってろよゴールドフィッシュ。

絶対捕まえてやるからな。



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