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半分獣の俺が異世界で最強を目指す物語  作者: 福田 ひで
第十二章 2人の十二魔道士
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その二 君は魔法使い?

「よっと………着いたな、てっうお!?」


着いた瞬間、周りの光景に俺は唖然とした。


「これはひどいですね。道が穴だらけです」


リドルの言う通り道がでこぼこになっており、人やコウ馬が通るのは困難だ。


「なあなあものすごくデカイ岩があるのじゃ。これ、どっから出てきたのじゃ?」


デビは道を塞いでるデカイ岩をぺちぺち触る。

それは木なども薙ぎ倒していて、転がってきた後だろう。


「モンスターの姿が無いってことは一通り暴れてどっか行っちゃったってことかしら」

「そうかもな。でも、他の場所に出現したって情報もないし、今は待つしかないかもな」


すると何やらメイが騒いでる。


「見てみてかつっち!この穴すごい深いよ!体埋まっちゃったもん!」

「お前なに遊んでんだよ!」

「だって入りたかったんだもん」

「だもんじゃねえよ。ほら、早く上がって来いよ」

「はーい」


俺は穴の中に入ったメイに手を伸ばす。

その時、地面が大きく揺れ出した。


「な、何だ?」

「かつさん、これって………」

「皆、気を付けて!来るわよ!!」


その瞬間、地面から巨大なモンスターが飛び出してきた。


「で………」

「「「「「出たぁぁぁぁぁあああ!!!!!」」」」」


そのモンスターは地面に着地しこちらを威嚇する。


「グオオオオ!!!」

「やばいって!おい、メイ!早く捕まれ!」

「わ、分かった!」


俺は穴の下に手を伸ばすが再び地面が揺れ出す。


「グウゥゥゥゥアッ!」

「かつ危ない!!」


その時上から何かが降ってきた。


「っ!?」


とっさに上空を見ると空から岩が飛んできて、メイが居た穴の上に落ちる。


「なっ!?メイ!!」


しまった!メイがまだ穴の中に居たのに。


「おい!メイ!!大丈夫か!!」


返事がない。

もしかして本当に潰されてしまったのか?

すぐに岩を取り除かないと。


「かつさん!また来ますよ!」


するとモンスターが強靭な顎で地面をえぐる。

それにより巨大な穴が出来る。


「そういうことね。ああやって地面をえぐって口の中で岩を作る。だから、岩や穴がそこら中に合ったのね」

「冷静に見れば岩と穴の数が一致してますしね」

「おい、かつ!どうしたのじゃ?モンスターがおるんじゃぞ。何故岩ばかり見てるのじゃ?」

「メイがまだ穴の中に居るんだよ。助けなくちゃ!」

「何!?そうなのか!それじゃあ、妾に任せろ!」


すると、デビが岩の上に魔法陣を展開する。


「え?ちょ、お前もうちょっと慎重に」

「デビルオンインパクト!!」

「ちょっと待てー!!」


だがデビは止まらず、デビの魔法が岩を貫く。

そして、岩は粉々に砕け散った。


「おま!もうちょっと慎重にやれよ!これで死んだらどうすんだよ!」

「大丈夫じゃ。メイはそう簡単には死なん」

「お前どっからその自信が出てんだよ」

「ぺっぺっ!口の中がジャリジャリ砂利んこなんだけど」


そう言って、メイが口の中に入った砂利を取り出していた。


「メイ!よかった無事だったのか」

「もちのろん!私はそう簡単にはやられないのだ!とうっ!」


するとメイは穴の中からジャンプして外に出る。


「バッチリ!」

「え?何お前、そんなこと出来たの?なら、最初からやれよ」

「だって、かつっちが助けてくれそうだったから、せっかくだから助けてもらおうと思って」

「ちょっと、その3人!ちゃんと戦いに参加しなさい!」


あっそういえば今、モンスターと戦ってたんだった。


「すまん、ミノル!ほら、メイが今回の主役何だから」

「任せんしゃい!」

「妾がぶっ飛ばしてやるのじゃ!」

「いや、だから今回はメイが主役だって言っただろ!」


するといつの間にかメイがモンスターに近づいていた。

あいつ行動力がすごいな。


「グウゥゥゥ」

「さて、お手並み拝見って所ですね」


早速モンスターは口の中で岩を作るため地面をえぐる。

だが、メイはまだ魔法を出そうとはしない。

そろそろモンスターも攻撃する頃合いだけど…………まだメイは観察を続けている。


「おいメイ。そろそろ魔法出した方がいいんじゃないか?」

「かつっち」

「ん?どうした?」

「魔法ってどうやって出すの?」

「は?」

「グゥオ!!」


その時モンスターが巨大な岩を飛ばしてくる。


「くっ!アイスロック!!」


ミノルのとっさの判断で何とか攻撃を受けずにすんだ。

だがそれよりも今は驚くべき真実が聞こえてきた気がする。


「魔法の使い方がわからないって本当か?」

「だって、1回も魔法使ったことないから」

「1回も使ったことないのか?それは分かるわけないのじゃ」

「くっ!一旦引くぞ!!」

「了解しました!リフトタイフーン!」


リドルが巨大な竜巻を起こし、モンスターを包み込む。


「ヒューズウオーター!」


ミノルの魔法とリドルの魔法でモンスターの足場が凍りつく。


「グゥ!グオオォォォ!」

「よし!今の内だ!」


俺達は足止めをしている隙にその場を一旦離れた。

そして、モンスターの姿が見えなくなったところで俺達は足を止める。


「よし、ここまで来れば一旦は大丈夫だな」

「なあなあ、何で逃げたのじゃ」

「重大な欠陥が見つかったからだよ」


すると俺達の視線はメイへと注がれる。


「それで、本当なの?魔法が使えないってのは」

「魔法が使えないって言うか使い方が分からないの。だって使ったことないから」

「なるほど、確かにこれは重大な欠陥。いや、欠点ですね」

「とりあえず魔法許可証を見せてくれないか?」

「ん?」


そう言って、何言ってんのこの人みたいな顔をして来る。

まさかこいつ。


「もしかして、魔法許可証すら知らないのか?」

「かつっち、それほどでもないよ~」

「誉めてねえよ!」


するとミノルがポケットから魔法許可証を取り出し、メイに見せる。


「これなんだけど本当に知らない?」

「うーん………あっ!そういえば………」

「見たことあるのか?」

「たしか、牛乳溢した時に拭くのに使っちゃった」

「……………………」


あまりのアホさに俺達は言葉を失う。


「分かるのじゃ。妾も1度床を拭くのに使おうとしてしまったのじゃ」

「それじゃあ、私達拭き仲間だね」

「そうじゃな!妾達は拭き仲間じゃ」


意気投合してるやつは居たな。


「とりあえず魔法がまだ使えないんじゃ審査のしようが無いな。よし、ここは俺達の力で解決するか」

「え?かつっち達が戦うの?」

「メイはそこで見てて。魔法使いの先輩として頑張るから」

「妾が1発でぶっ飛ばしてやるのじゃ!」

「それじゃあ、早速行きましょうか」


俺達は戦う為にもう一度あの場所へと戻っていた。

戻ってみると先程のモンスターはさらに怒りを増して暴れまわっていた。


「グゥォォォオオオ!」


さっきの足止めが効いたんだろうな。

あまり長引かせるとより道の補修が大変なことになりそうだ。


「ミノル、リドル、足止めは頼んだぞ」

「了解!」

「分かりました!」

「デビ!俺達でトドメをさすぞ!」

「分かったのじゃ!」

「グゥゥゥオオオ!!」


その瞬間、俺達に岩を投げつけてくる。


「アイスガン!!」


ミノルの魔法で岩が砕け散る。

その隙にリドルがモンスターの真下に魔法陣を展開させる。


「リストタイフーン!」

「グゥ!?」


瞬間的な風でモンスターが吹き飛ばされる。

あんな巨体を吹き飛ばすなんて相変わらずすごい威力だ。


「グゥオオオ!」


すると空中でモンスターが岩を放とうとする。

どうやら口の中で岩を作れるようだな。


「させない!ギガサンダー!」

「グゥ!?」


ミノルのアシストにより体が痺れたことによって動きを止める。


「行くぞ!デビ!」

「分かっておる!」

「インパクト!!」

「デビルオンインパクト!!」

「グゥゥゥゥアアアアア!!!!!」


空中で身動きが取れないモンスターに俺達の強力な攻撃魔法をもろに喰らい、そのまま力なく落ちていく。

そして地面に落ちるとそのまま動かなくなった。


「討伐完了!」

「やったのじゃー!!」

「まっこんなもんですね」

「どうだった?メイ」


ここまで観察していたメイに感想を聞くと、メイは驚愕の表情で目を見開いていた。


「私も早く………みんなの仲間になりたいって思った!」

「それならなおさら魔法を使えるようにしなきゃな」

「任せんしゃい!バッチリ覚えて、私もモンスターをぼこぼこに出来るように頑張るぜい!」


やる気は十分だな、これならすぐに覚えることができるだろう。

何度も構えをするメイを見て俺はそう思った。



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