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半分獣の俺が異世界で最強を目指す物語  作者: 福田 ひで
第二章 魔法を極めて最強に!!
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その十一 知らない子

「え〜とお金を入れた袋何処いったけな。確か棚に置いたと思うんだけど」


俺はしばらく棚の近くを探したが何処にも見当たら無かった。


「あれ?おかしいな?たしかにここに置いたんだが……ちょっと待てよ何処に置いたか思い出してみるか」


え〜と最初に朝起きてそれから暇だから外に出かけたんだよな。

そういえばその時お金持ってってたな、でもポケットにも入って無いし。

待てよ途中で確かお金出してたな、そうだお金なくて困ってた人が居たから代わりに出したんだ。


「果物屋だ!」


俺はすぐに宿屋を飛び出して果物屋に向かった。


「おっちゃん!ちょっといいか!」

「ん?おめ〜はさっきミルトを買ってきた兄ちゃんか。どうしたそんな険しい顔して」

「あの果物ミルトっていうのか……て今それ所じゃない!おっちゃんここにお金が入ってた袋落ちてなかったか」


俺は店の店主に食い気味に質問した。


「金の入った袋か?そんな物落ちてなかったけどな」

「マジか……あそこには全財産入ってんのに………」


ここになかったとすると後何処だ?

俺が考え事をしていると店主が何かを切り始めた。


「なんかよく分かんねえ〜がとりあえずこれでも食べて元気だしな」


くし形切りに切られた謎の果物を一個渡してきた。


「ありがとうございます。これ何ですか?」

「まあ食ってみろや」


何か今は食べる気しないが、せっかく貰ったものだし食うしかないか。

俺恐る恐る果物を口に入れた。

すると体中から電流が走るような感覚に襲われ、口の中で果物の果汁が一気に口の中を満たして、耐えられないほどの苦味が俺を襲った。


「すっぺ〜〜〜!!!!」


俺はあまりの酸っぱさに地面を転がりすぐに吐いた。


「はっはっは!酸っぱいだろう!それはニギラフルーツって言う果物で世界一酸っぱいフルーツ何だぜ」

「ぺっぺっ!何で…こんなもの食べさせたんだよ」

「元気が無さそうだったからよ。元気づけようと思ってなちょっと効き過ぎたか」


悪意の無い笑顔を向けられたせいで怒るに怒れなくなった。


「元気は出たけど、どっと疲れたな」

「そりゃ良かった。ほれ持ってけお詫びにな」


そう言ってニギラフルーツ渡してきた。

あんまり欲しく無いがせっかくのご行為だしありがたくもらおう。


「ありがとうございます」

「落とし物見つかるといいな」

「その時はまた買いに来ますよ」

「そりゃ有り難いなじゃあその時までに1番美味しいフルーツ用意しといてやるよ」


俺はそのまま果物屋の店主と別れた。


「さてどうしたもんか」


果物屋に無いとなると思い当たる所が無いな。

あと行った所だと魔法協会位だがそこで袋は出して無いしな。

果物屋で買った時袋何処にしまったっけな。

あれ思い出せ無いぞ。

もしかして入れるの忘れて落としたのか。


「まさかあの女の子が拾ったんじゃないだろうな」


それはかなりの確率であるぞ。

もしそうだとしたらやばいな。

果物屋で見たあの子見た感じかなりの自己中だったしお金を勝手に使われててもおかしくないぞ。


「最悪だ〜!せっかく貯めたお金なのに」


いやでもこのあと大金が手に入る予定だしな。

でも道具買うお金無いとミノルに怒られるからな〜。


「あんたさっきの男でしょう」

「え?」


俺は声をかけられた方向を向いた。

そこには俺が助けた女の子が立っていた。


「お前は果物屋で泣き喚いてた子供じゃないか」

「な!?泣き喚いてないし子供でもない!!」

「そんな事よりお前お金が入った袋見なかったか!」

「そんなこと……まあ良いわ。もしかしてこれかしら」


その女の子が持っていた袋は間違いなく俺のだった。


「そうそれだよ!良かった〜助かったよ」


俺が袋を取ろうとした時すっと袋を上げて避けた。


「……ありがとなほんと助かったよ」


俺はまた袋を取ろうとしたがまた避けられた。


「……流石にそういう冗談は良くないぞ。お金はちゃんと持ち主に返さなきゃ」

「何を言っている私は返すなど一言も言ってないぞ」


な、何言ってるんだこの子は。


「おいちょっとまて、お前もしかしてまさかと思うがその金貰うつもりじゃないだろうな」

「逆に何故貰ってはいけないのだ。これは道に落ちていたものだぞ。落ちていたんだから誰の物でも無いだろ。よってこれはわら……じゃなくて私の物だ」


一方的な自己中発言、これはまずいな。


「確かにそうだがそれは持ち主が現れなかった場合だ。持ち主が来たら返すのが普通だろう」

「お前らの普通など知らぬわ。どうしても返して欲しければ土下座して返してくださいと言えば返してやっても良いぞ」

「そっそんな事出来る訳無いだろ!」


ていうかお前らの普通ってどういう意味だ?


「それなら無理じゃの〜。残念じゃがこれは妾の物になるという事じゃな」


なっ何なんだこいつ、急に口調もおかしくなって一人称も私から妾に変わったし、まるで貴族とか偉い奴の喋り方みたい出しおかしくなったのか。


「さあ早く土下座するのじゃ!」


偉そうにしやがって元々俺のお金なのになぜ土下座しなければいけないんだ。

理不尽にも程があるだろこういう奴は見てるだけどイライラする。

意味の分からないことばっか言って自分だけ得をしようとしたり責任を押し付けようとしてくるまるで……


「俺のムカつく奴らと一緒じゃねえか」

「ん?いまなん――――」

「ムカつくって言ったんだよ!!地面に落として拾ったから自分の物?ふざけんなよ!そんな意味の分かんない理屈並べる暇あるなら、もっとまともなことを言えや!自分の物なのに返してもらう為に土下座?何で自分の物なのに土下座しなきゃいけないんだよ!意味分かんないこと言ってないで少しは常識を学んでこい!」

「っ!?ふっ……!ふぇ〜〜〜ん!!」


すると女の子が泣き出してしまいその声でふと我に返った。

しまったつい頭に血が上ってしまった。

この子に言っても何も意味ないのに怒り任せに八つ当たりする何て人として恥ずかしい。


「ごっごめんな。今のは冗談だから、怒ってないからだから泣かないで」


俺はなだめるために出来るだけ優しい声で説得した。


「ふぇっぐす、ほんど?」

「ホントだよ」

「おごっでない?」

「ああ怒ってないよ」

「良かった。いきなり大きな声出したからビックリしちゃった。怒ってないならいいや」


立ち直り早すぎだろ。

まあこの現場を見られるのはまずいからすぐ泣き止んでくれるのはありがたいけど、まさか嘘泣きじゃないよな。


「でも拾った者はちゃんと持ち主に返すのが常識だから返して」

「まあ今回はしょうがないから返してやる」

「あっありがと」

「その代わり妾に何か奢れ」


こいつ偉そうなのは変わらないな。

まあでもそれぐらいは別にいいか。


「ああ分かった奢ってやるよ。だけど今日は無理だこのあと用事あるしな」

「なら明日魔法協会で待ち合わせじゃ。午後1時に集合じゃぞ。忘れるなよ」

「分かった」

「さらばじゃ」


そう言ってその女の子は去っていった。


「そういえば名前聞くの忘れた」



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