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半分獣の俺が異世界で最強を目指す物語  作者: 福田 ひで
第十一章 売られた少女と闇マーケット
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その十九 見知らぬ男と王女様その参

「な!?無傷!」

「やっぱり、見間違いじゃなかったわ。あの自動攻撃、魔法陣にも反応するわ」

「ああ、俺も見た。マジックを出そうとした瞬間、魔法陣がデストロイされていた」

「僕は……分かりませんでした」


自身の落ち度にリドルは肩を落として、ミノル優しく肩に手を置く。


「リドルは魔法を撃つことに集中してたから見てなかったんでしょ。でも、そうよね………相手の魔力を理解した上で攻撃するんだから魔法陣も吹き飛ばせるわよね」

「僕としたことがすっかりその検証をし忘れてました。まあどっち道出来ないんですけどね」


相手のオリジナル魔法は魔法陣にも反応することが分かり、振り出しに戻ってしまった。

だが、リドルは何かを思い付いたのか前に出る。


「リドル?何か策があるの?」

「30分…………」

「ん?何だ?急にタイムを言い出して?」

「僕達があの男と戦っている時間です。これ以上は長引かせるわけにもいきません」

「確かにそうね。かつ達を早く助けに行きたいし、そろそろ決着をつけましょう」


そう言って、ミノルもリドルと同じく前に出る。


「おいおい!何かプランがあるのか?」

「簡単な話です。要は外から攻撃をすればいいんです。いくら自動攻撃でも、威力と手数には限界はあります」

「そうね。リドルの予想では確か1度に10だっけ?」

「相手の魔力量からしてそれくらいだと思います」

「それならリドルとガビットが外から10個の魔法陣を展開させて、そのあとに私がデカイ魔法を撃つから」

「分かりました」

「オーケー!任せろ」

『ふぅー頭が痛くなってきたな。少しチェンジし過ぎたか。早々にフィニッシュさせないとな』


「行きますよ!!」


リドルとガビットはそれぞれ5つの魔法陣を展開させる。

その後ろにトドメ様の魔法陣をミノルが展開させる。


「はあっ!」


その瞬間、10発の魔法が暗殺者に襲いかかる。

リドルの予想はほぼ当たっていた。

10発の魔法を一気に破壊させるが、その後に続くミノルの魔法は破壊されることなく、真っ直ぐ暗殺者の方に向かっていった。


「………………」


さすがの暗殺者でもその攻撃を受けるのはまずいと思い、今まで動かなかった暗殺者が動き出した。


『ウップス!そうだ、奴が避けることを想定してなかった』


ガビットは予想だにしない相手の行動に一瞬動きを止めてしまう。

だが、ガビットが動きを止めた瞬間、リドルとミノルは動きを止めるどころか次の攻撃に入っていた。


「アイスガン!」

「リフトタイフーン!」


『な!?あいつら、もうすでにアタックしてやがる!』

「ギガサンダー!!」


ガビットもミノル達の動きに気付き、少し遅れて攻撃をする。


「………………」


『やはり、体術は中々ですね。最小限の動きで全ての攻撃をかわしている。でも、予想通り移動中には自動攻撃が発動できないようですね』

『移動中に攻撃できるなら、こっちも容赦しないわよ!動きが早いなら、単体攻撃じゃなくて、範囲攻撃で倒す!』


ミノルは相手の動きをよく見て、タイミングを合わせて魔法を展開させる。


「アブソリュートフリーズ!!」


ミノルの広範囲の氷魔法によって、暗殺者の逃げ道をなくす。


「念には念を入れて……リフトタイフーン!」


リドルの風魔法によって、動きが止められる。

動きを制限された、暗殺者は無抵抗のままミノルの魔法を喰らう。


「よし!」

「ふぅーようやく倒せましたね」

「それじゃあ、早速かつ達を探しに行きましょう。ラミア様!もう出てきてもだいじょ―――――」


その瞬間、ミノル達に淀んだ気配を感じる。


「っ!?まさか………」


その気配がする方向にミノルは目線を向ける。


「………………」


その暗殺者は左腕から毒のような物をポタポタとこぼしながら現れる。

こぼれた所から焼かれるような音が鳴り、溶けていく。


「そうか………あの人、何処かで見たことあると思ったんですが、毒の殺し屋マファイですよね」

「………………」

「マファイ?知ってるの?」

「知り合いにそう言うのに詳しい人がいるんですよ。左手から繰り出される強烈な毒は全ての物の命を奪うとか。魔法すらも毒で消せる位の強烈な毒です」

「なるほどね。左手に嫌な気配を感じると思ったらそれだったのね」


マファイは悠然とミノル達に向かっていく。

それは余裕の表れかそれともそう教えられてきたのかは分からない。


「ガビット……もう1度行くわよ………ガビット?」


ミノルは返事のしないガビットの方を見る。

そこには、その場でうずくまり震えているガビットの姿があった。


「ガビットさん?どうしたんですか?」


先程とは全く違うガビットに2人は動揺する。


「死ぬ、これ絶対死んじゃう。ここで俺の人生は終わるんだ。あーあ、クソみたいな人生だったな」

「えっと……何かブツブツ言ってる?」

「どうしたんですか?ガビットさんらしくないですよ。どうして―――」


その瞬間、ミノルの背後から殺気を感じる。


『まずい!油断した!!』


突然のマファイの奇襲にミノルが死を連想させた瞬間、リドルが手に魔力を溜めて、風の魔法で何とか吹き飛ばした。


「ミノルさん、ガビットさんとラミア様を連れて先に行っててください」

「何言ってるの!?そんなこと出来るわけ無いでしょ!」

「大丈夫です。無鉄砲に突っ込むつもりはありません。むしろ確実に勝てる方法があります」

「それなら私も残るわ!」

「駄目です。この魔法ではミノルさんたちも巻き込んでしまうかもしれないので」

「…………分かったわ。ラミア様!」


ミノルはうずくまっているガビットを背負いラミアと共に行く。


「ミノル様、リドル様を置いていっても大丈夫なのですか?」

「大丈夫ですよ。リドルはそう簡単には死にませんから」


―――――――――――――


リドルはミノル達が居なくなったのを確認すると、いつもよりも声のトーンを低くさせて目の前の敵を見据える。


「さて、ここからは魔法使い同士の戦いは止めにしましょうか」

「………………………」

「暗殺者は闇に紛れて対象者を殺る者です。素早く、そして痕跡は消して残さない、姿も見せてはいけない」

「…………………」

「マファイ、あなたは姿を見せすぎました」


その瞬間、リドルはマファイの横を通りすぎる。

それと同時にマファイの首が地面に落ちる。



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