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半分獣の俺が異世界で最強を目指す物語  作者: 福田 ひで
第十一章 売られた少女と闇マーケット
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その十七 見知らぬ男と王女様その壱

「えっと…………あなた誰?」

「君達こそ誰なんだ?」


現在、ラミアを連れたガビットはミノルとリドルと対峙していた。

ミノルはガビットに聞こえないようにリドルに耳打ちする。


「ねえ、リドル。あの人敵だと思う?」

「ラミア様が大人しく隣に居るところを見ると、敵では無さそうですが……」

「おい、何こそこそトークしてんだ?俺はプリンセスを仲間に届けなきゃ行けないんだ。邪魔するならデリートするぜ」


そう言ってガビットは少し警戒する。

だが、ミノル達は警戒することなく立ち尽くしている。


「えっと………一応聞いとくけど、その仲間って誰?」

「仲間をセルしろってか?見知らぬお前らには言えないな。どうしても聞きたいって言うなら……バトルするしかないぜ」


そう言って今度は警戒ではなく戦う構えに入る。

だが、それでもまだミノル達は構えはしない。


「何を言ってもあなたは僕達の事を敵としか見れないようですね」

「オフコース、実際敵だろ?」


相手の疑いっぷりに流石のミノル達も戦う意思を見せ始める。

その様子を見ていたラミアは恐る恐る声を出す。


「あ、あの………」

「プリセスは大人しくしててくれ」

「ち、違うんです。あの方達は、私の!」

「いいから、隠れてるんだ。君を怪我させてしまったら意味がない」


ガビットの言葉に負けてしまい渋々引き下がる。


「行くぞ!!」


そう、ガビットが叫んだ瞬間、他の皆が動き出したとほぼ同時に、ラミアに魔法が襲いかかった。


「っ!?」


それにいち早く気付いたのはミノルだった。

だが、ミノルのスピードではラミアが魔法に当たる前に止めることは出来なかった。


「……………っ!?……………がふっ!」

「ガビット様!?」


ガビットがラミアの1番近くに居た為ラミアを庇うことに成功した。

だが、突然の出来事により魔法陣を展開できず自らの体でラミアを守った。


「くっ!」


リドルは即座に魔法が放たれた方向に魔法を撃つ。

だが、当たったような感触はなく、奥から人影が見える。


「………………………」


『なっなんて………!』

『威圧感………!これは間違いなく赤信号ですね』


その姿を見ただけでミノルとリドルが絶句する。

二人が奥から現れた人物に気を取られている間にラミアはガビットの安否を確認する。


「くっ!」

「ガビット様!大丈夫ですか!?」

「ああ、大丈夫だよプリンセス。今の内に隠れるんだ」


皆、目の前の異様な存在に萎縮してしまっている。

一部を除いて、本物の殺し屋に会ったことが無いからだろう。


「ミノルさん」

「ええ分かってるわ。あれはプロの殺し屋ね。そう簡単にはいかないわよ」


『ラミア様がいる状態での戦闘は避けたいけど、話し合いでどうこう出来る相手じゃないわよね、どう見ても』


すると、目の前の男が右手を前に出す。

そして、指を2回動かした。


『挑発!?いいわ!やってやるわよ!』

『挑発?不思議ですね、暗殺者は待ちの1手が多いのですが……何か裏がありそうですね』


その瞬間、ミノルが相手の挑発に乗り突っ込んでいく。


「ミノルさん!?駄目です!!まだ相手の力も分からないのに、挑発に乗らないでください!」


『望みは1撃で仕留めること!最低でもダメージは与える!』


「喰らいなさい!アイスガン!」


ミノルは暗殺者に向かって魔法を喰らわす。

そして、暗殺者は無抵抗のままその魔法を喰らった。


「っ!?喰らった………?」


ミノル自身当てる気でいったのにも関わらず驚いたのは、全く避ける様子が無かったからだ。

予想外の出来事にミノルは思わずその場で立ち尽くしてしまう。


「ミノルさん!一旦離れてください!」


リドルの声かけによって一旦後ろに下がる。


「………………」

「大丈夫ですか?攻撃はされてませんか?」

「ええ……大丈夫よ」


『ミノルさん、動揺していますね。その気持ちは分かります。あの行動の意味は僕自身ですら分からないのですから』


リドルとミノルが状況を理解するのに手間取っていると、傷を癒したガビットが二人の前に立つ。


「何を固まってるんだ君達。まさか、怖じ気づいてしまったのか?」

「ガビットさん………でしたっけ?何か策があるんですか?」

「策?ノープロブレム。あれくらいの魔法使いくらい余裕だ」


そう言ってガビットは白い歯を見せる。


「ガビット。油断しない方がいいわよ。あの男、挑発してきたと思ったら攻撃を避ける気配もないし、逆に攻撃をしてくる気配もしない。もしかしたらオリジナル魔法を持ってるかもしれないわ」

「どんなマジックが来ようが、俺には効かない」


ミノルの忠告に聞く耳を持つわけもなく、自信満々で敵へと対峙する。


「ねえ、リドル。何であの人はあんなに自信満々なのかしら」

「分かりませんが、もしかしたら自分より強い相手に会ったことが無いのかもしれませんね」


『まっ逆にこれで相手の魔法も分かりますし、ここは様子を見ておきましょうか』


「行くぞ!サンダーボール!!」


ガビットの魔法も動くことなく真っ正面から喰らう。


「やっぱり、避ける気配が無いわね」

「そうですね…………」


だが、ガビットは続けて攻撃していく。


「ファイヤークロス!ウィンドセパレーション!」


それらの攻撃も先程と変わらず受け続ける。

ある程度の魔法を打ち終わったあと、ガビットは魔法を打つのをやめてリドル達の方へと振り返る。


「はあ……はあ…はあ、よしチェンジだ」

「何?もう終わりなの?」

「君達もあいつと戦いたいだろ。俺は譲り合える男だからな」


そう言って、後ろに下がっていく。


「どうする?あの人、襲ってこなさそうだし、無視して行く?」

「多分無視して行こうとすれば追いかけてきますよ。普通だったら襲ってくる所、あの人は襲っては来ない。となると雇われて、ここに来た可能性が高いですね」

「そうなると雇い主さんにはここから先は通らせるなとか命令されてるかもね」

「なら、話がスピードだな。この先に何かがある。そうだろ?」

「そうですね。少なくとも何もないは無いんじゃないですか」


ミノル達は自分達の倒す目的を理解し、3人で前に出る。


「それじゃあ、いっせーので突撃するわよ」

「分かりました」

「オーケー」

「いっせーのっ!」


その瞬間、ミノル達は一斉に男に近付いた。

と、同時に吹き飛ばされた。


「「「うっ!?」」」


予想だにしない攻撃に動揺しながらもすぐに体制を立て直す。


「何!?今の攻撃!?」

「アタックした雰囲気は無かったけどね」

「やっぱり、何かを仕掛けていますね」


『一体………何を仕掛けた!?』


予想外の敵に予想外の現象、ミノル達はその不可思議な事象の理由にまだ気づくことが出来なかった。



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