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半分獣の俺が異世界で最強を目指す物語  作者: 福田 ひで
第十一章 売られた少女と闇マーケット
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その十 負けてられない

「うう……ううう」


妾はかつに言われた通りにか弱い少女を演じているが、いつまでやらなきゃいけないのだろうか。

袋の中に詰められてずっと揺られてるのも何か飽きてきたのう。

ていうか、今どこに居るのだろうか。

かつはちゃんと妾のことを追跡できているのだろうか。

そんなことを考えていると妾は体が下に投げ出される。


「いたっ!何するのじゃ………」


気づくと妾はケージの中に入れられていた。


「こんにちはお嬢ちゃん。残念だけどあんたは商品として出されることになりました」

「いやあー運がないねぇ。でも大丈夫。いい人に買われれば人生変わるから」


何なのじゃこの気持ちの悪い男どもは。

思いっきりぶん殴りたいところじゃがか弱い女を演じろと言われておるし我慢するか。


「おいおい、どうしたー?無口になっちゃって。怖くて喋れなくなっちゃったのかー?」

「やめてやれよ。泣いちゃうだろ。はははは」


こやつら完全に妾をか弱い女と見ているようじゃな。

作戦はバッチリじゃが、なめられたままじゃ気に食わないのう。


「なあ、ちょっと遊ばねえか。まだ商品として出るのはあとだろ?」

「まったしかに商品として出るのはまだ時間あるけど………ヤるか?」


何じゃ?急に男共がニヤニヤしながらこちらを見てきたな。


「嬢ちゃ~ん、ちょっと俺たちと遊ぼうか?なぁ~に悪いようにはしないぜ」

「そうそう、俺達と楽しいことしようぜ。どうせ逃げられ無いんだからよ」


何だか気持ちの悪い視線を感じるのう。

それに何だか鳥肌がたってきたのじゃ。

すると男共がケージを開けて手を入れて来た。

そして、男が妾の肌に触れた瞬間、反射的にその男を殴り飛ばした。


「ぐはっ!?」

「あっやってしまったのじゃ」

「な!?やりやがったな!」

「まあ、やってしまったのだから1人も2人も変わらないのじゃ」

「はあ!?何いってんだ!このくそが―――ぐふっ!?」

「妾はクソガキじゃないのじゃーー!!」


そういって妾は思いっきりその男を殴った。


「ふぅースッキリしたのじゃ!それにしても、ここはどこなのじゃ?」


男を殴り飛ばせたのは嬉しいが完全に迷子になってしまったのじゃ。

すると、奥から人の気配がした。


「誰じゃ!」

「よう、腕っぷしは中々みたいだな」

「お、お主は!」


――――――――――――――――――

「う、うーん………はっ!!」


俺は目を見開き飛び起きる。


「ぐっ!ここはどこだ?」


痛む体を気にしつつ俺は辺りを見渡す。

どうやら、まんま牢屋に入れられたみたいだな。


「ん?なんだこれ?」


俺は首元の違和感に気付き見ると首輪のような物を付けられていた。


「おいおい、趣味悪すぎだろ。こんなもんすぐに外すに決まってんだろっての」


そう思い俺は首輪をはずそうとそれに触れる。

その瞬間、何やら嫌な予感が頭に過る。

何でこんな、首輪がつけられているんだ?

拘束するわけもなく、こんな外れやすい首輪を………もしかして首輪を外そうとすると何かが起きるのか?


「うん、外すのは後でいいな」


俺は少し臆してしまい、首輪を外すのをやめた。


「よし、とりあえず早くここから脱出してラミアとデビを助けないとな」

「やめときな兄ちゃん」


俺は声がする方に視線を向ける。

声を発していたのは隣の牢屋にいる男だった。

鉄格子の隙間から相手の様子は見ることが出来た。


「あんたは誰だ?」

「俺はサキト、お前と同じ捕まった1人だ」

「俺は絶対かつだ。あんたも誰かを助けようとして捕まったのか?」

「まあ、そうなところだな。脱出を考えてるんだったらやめた方がいいぞ」

「何でだ?」

「あそこに門番が居るんだよ。牢屋を開けた位じゃ脱出出来ないってことだ」


サキトが指差した方に確かに人の気配がする。


「確かに門番が居るな。サキトは牢屋から出られないから脱出出来ないのか?」

「ふっ俺の技術をもってすればこんな牢屋の鍵位すぐに開けられる。問題はやつだ。一戦交えたがギリギリの戦いの末負けちまったよ。相手はかなりの実力者だった」


そう言って悔しそうに拳を握りしめる。

ギリギリの戦いねえ。


「それにしては余り傷が見えないけど」

「ふっこれだから子供は。いいか、拳を交えることだけが戦いじゃない。まっ子供にはまだ早いかな」


そういって何やら達観しているサキトを無視して俺は鉄格子に手をかける。


「おい、人の話聞いてんのか?ていうか、何してんだ」

「これくらいの鉄格子、今の俺ならっ!」


俺は鉄格子を掴んで思いっきり曲げる。

それにより人一人分出れるくらいの隙間が出来た。


「なっ!?」

「ふうーこれで出られるな」


修業したかいが合ったな。

あんまり魔法を使うと魔力の無駄になっちゃうし、節約出来る所は節約していこう。


「な、中々やるじゃねえか。日頃から鍛えてんのか?」

「まあ、ちょっと修業してたんだよ。それで、サキトは脱出しないのか?」

「サキトさんな。さっきから言ってるがあいつが居る限り俺は脱出できない」

「それじゃあ、あいつを倒せれば脱出できるってことだよな」

「はあ……それが出来ないから俺はここにいるんだろうが。お前もやめておけ怪我するだけだぞ」


俺は早速牢屋から出る。


「心配してくれなくても大丈夫だ。さっきも言ったように修業してるからな」

「俺は知らないからな」


どうやらサキトは俺が負けると思ってるみたいだな。

まあ、そりゃそうか、俺から魔力を全然感知しないだろうし。

俺は早速門番が居る方に進む。


「ん?おーおーおー!早速脱出か!残念だがこれ以上先へは行かせられないな!」

「あんたがここの門番か」

「ああ、そうだぜ!残念だが今のお前じゃ俺には絶対勝てないぞ!!大人しく牢屋に戻ることをおすすめするぞ!まあ、どっち道2度と脱出する気を起こさないように痛め付けてから戻すけどな!」


相手の魔力レベルは6位かな。

これなら小手先とか変なことせずに行けそうだな。

俺は一歩前に出て門番に近づく。


「あんたみたいなレベルの魔法使いと戦うのは久しぶりだな」

「ははは!そりゃそうだろうな!お前が今まで戦ってきたやつらと比べ物にならないほどの強さを持っているからな!低級なやつらと戦ってきたせいで自分が強いと思い込んでんだろ?格上の相手と戦うのは初めてか?残念だが俺は今までのやつらみたいに優しくは―――ぐぼへっ!??」


俺は話の途中の門番にインパクトを喰らわした。

それによりそのまま門番は気絶した。


「――――っ!?」

「俺が言ってるのは魔力レベル10のやつらのことだぞ。今さらあんたみたいな魔法使いに負けるわけには行かないんだよ」


それにしてもインパクトの10分の1の魔力で倒せたな。

魔力レベル10のやつらは本気のインパクトを当てても倒せないし、本当にバケモンなのだと痛感させられるな。


「お、お前!そんなに強かったのか!」

「だから、言ったろ。修業してるって。それでサキトも一緒に脱出するか?」

「ははっお前となら脱出できそうだ。いいぜ、そこまで言うなら付いていってやるよ。よろしくな、絶対かつ」

「あ、ああよろしく」


あまり付いてこいとは行ってない気がするけどまあいいか。

俺達は倒れている門番を退けて先へと進んでいった。



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