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半分獣の俺が異世界で最強を目指す物語  作者: 福田 ひで
第十一章 売られた少女と闇マーケット
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その一 王からの提案

次の日――――――


「うう~頭いった~」


昨日は調子に乗って飲みすぎたな。

そのせいで昨日の出来事がうろ覚えだ。

まあ、ただ飲んで叫んでしかしてないと思うし、まあいいか。


「おはよー」


階段を降りると既にみんなが居間に居た。


「おはようなのじゃ」

「おはようございます」

「おはよーかつ」


デビとリドルとミノルが挨拶を返してくれる中、一人だけ声が聞こえずに見当たらなかった。


「あれ?リツはまだ寝てるのか?」

「リツならもう帰ったわよ」

「え?もう帰ったのか?」

「まあ、お店のこともありますからね。後、伝言で近々お手伝いしてもらうと言ってましたよ」

「ああ、お手伝いか。そういえばそんな約束してたな」


色々あったからすっかり忘れてたけど。


「なあ、リドル水を1杯くれ」


俺は台所で皿洗いをしているリドルに水を頼む。


「かつさんも2日酔いですか?どうぞ」

「ありがとう。そうなんだよ、さっきから頭が痛くてな」

「私も2日酔いで頭がズキズキいってるわ」


ミノルは水を飲みながらも頭を抱える。

そういえばミノルも結構飲むんだったな。


「そりゃそうじゃろ。昨日のお主ら完全にやばいやつになっておったしな」

「え?まじで」

「聞かない方がいいわよ。私は大体予想ついてるから」


そう言って何かを悟ったような顔をする。


「それじゃあ、俺も聞かないでおこうかな」


酒は飲んでも飲まれるなと言うが、これは当分無理な気がする。


「そう言えば、手紙が入ってましたよ」


そう言って、1通の手紙を俺に渡す。


「何か、大体予想つくな」


こういう展開は前にも見たことがある。

俺はある程度予想を立てつつ中身を確認する。


「やっぱりガルアか」


最近の手紙はほぼこいつからしか来てないような気がする。


「ガルア様から来たの?それじゃあ、何か合ったのかもしれないわね」

「いやいや、それは分かんないぞ。とりあえず、読んでみるか。『拝啓かつ殿 いかがお過ごしでしょうか。まあとりあえずそんな堅苦しい挨拶は忘れて俺の城に来い!すぐにだぞ!今すぐだ!待ってるからな!ガルアより』だってよ」

「なにやら、急いでる様子ですね」

「やっぱり何かあったのかも知れないわね。かつ、早く行ってきなさい」


すこし、顔色が悪いミノルが言う。


「え?俺1人で行くのかよ!」

「だって、そこにはかつの名前しかないじゃない。ガルア様はかつをご所望なのよ」

「確かに名前は1つしかないけどよ……」

「どっち道すぐに行くしかないみたいじゃぞ」


デビが窓を指差す。


「まさか………」


俺は嫌な予感がしてすぐに窓を見る。

そこには、白い髭を生やし、きちっとした服装をしているシニアの姿があった。


「行くしかないな」


―――――――――――――――――


「かつお兄ちゃん!!」


城に着くと開口一番に可愛い妹が俺を出迎えてくれる。


「おお!ラミア!呪いで死にかけたんだろ?体は大丈夫なのか?」

「はい、ミノル様のお陰で今は元気一杯です!」


そう言って、俺に笑顔を見せる。

あーやっぱり可愛いな。

いや、俺はロリコンじゃないけどな。


「おお、かつ!相変わらず俺の妹をたぶらかしてるな」


ラミアの頭を撫でていると、少しこちらを睨みながらガルアが近づいてくる。


「おお!ガルア!久しぶりだな!別にたぶらかしてる訳じゃないぞ」

「そう言いながら俺の妹の頭を撫でてんじゃねぇ」


そう言うと、より一層こちらを睨む。

おっとこれ以上はやめとくか。


「それにしても、黒の魔法使いの作ったモンスターのせいでラミアが生死をさ迷うことになるなんてな。でも、本当に生きててよかったよ」

「かつお兄ちゃんもミノル様を救出できて良かったです。心配したんですよ」

「心配してくれたのか?ありがとな、ラミア」


俺がもう一度ラミアの頭を撫でようとすると、ガルアが大袈裟に咳払いをする。


「えーっと!ラミア!俺達は大事な話があるから勉強しなさい」

「えー!もっとかつお兄ちゃんと遊びたいです」


そう言って不満げに頬を膨らませるラミアに対して、ガルアは厳しく言う。


「ラミア、わがまま言うな。お前は王族として、勉強があるだろ。こんなところで遊んでていいのか?」

「はい……分かりました。勉強します。それじゃあね、かつお兄ちゃん」

「ああ、じゃあな」


ラミアは名残惜しそうにこちらに手を振ると、そのまま行ってしまった。

ラミアが部屋に戻るのを見送ってから早速本題にはいる。


「それで、話って何だよ」

「立ち話も何だ、部屋に入ろう」


そう言って、いつもの部屋に案内される。


「ここに来るのも久しぶりだな」


久しぶりのふかふかのソファに若干テンションが上がっている。


「普通久しぶりなんて言葉。一般の半獣からはでないんだけどな」

「まあ、確かにそうだな」


すると、ガルアはおもむろにある紙を取り出す。


「お前の昨日の行為。早速王の間で話題になってるぞ」


それは王様しか配られない新聞だった。

俺は早速その中身を確認すると、大々的に俺の名前が書かれていた。


「ああ、本当だな。何かこんな風に大々的にやられると他の街に入りずらくなるな」

「別に悪いことをした訳じゃないんだ。逆にすごいことだぞ。今まで王を初めて色々なことがあったが、こんなのは初めてだ」

「まあ、早々無いだろうな。王の婚約者を連れていくなんて」


改めて考えてみると本当にすごいことしちゃったんだな。


「まっ世間話はここら辺にして、本題に入るか」

「おっ!ついに本題に入るのか。それで?俺はどういう用件で呼び出されたんだ?」


まあ、王から呼び出されたんだから、少なくとも普通のことではないよな。


「単刀直入に言うぞ」

「ああ」

「俺の十二魔道士になれ」

「え?」


その瞬間、俺の思考は停止した。



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