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半分獣の俺が異世界で最強を目指す物語  作者: 福田 ひで
第二章 魔法を極めて最強に!!
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その九 鬼ごっこ

「先手必勝!ウオーター!」


俺はまず床を濡らした。


「あまり床を濡らすでない」

「こっちは本気なんでね!アイス!」


この魔法のコンボは黒いスライムの時にも通じた技だ。

俺の中での最強コンボ、これならいける。


「ふっ遅いのう」


だがそんな俺の魔法をあざ笑うかの様に俺の魔法が当たる瞬間に反射で避けた。

その勢いのまま道場を物凄い速さで駆けめぐっている。


「速っ!?これじゃあ魔法が当てられ無いぞ」

「その程度か。お主の作戦では、わしに水を掛けて魔法で凍らそうとしてたんじゃろうが、走って乾かしてしまえば凍ることは無い。すまんが今までの作戦はわしには通じんぞ」


確かに俺のこの魔法は当たらなければ意味がない。

当たったとしても水が乾けばアイスはただの冷気だ。

早速弱点が見つかってしまった。


「そう簡単にはいかないって事か」

「出しゃばるからよ」


そう言ってミノルは俺の前に出る。


「何だよ。だったらお前は触れんのかよ」

「まあ見てなさいよ」


なんだあの自信は。

何か作戦があるのか。


「ほう次はお主が相手か。これは少々厄介じゃのう」

「師匠には悪いけどすぐ決めさせてもらうわ」


俺は厄介じゃないのか。

まあレベル1だししょうがないか。

それはともかくミノルの魔法そんな見た事なかったな。

これはちょっと楽しみだな。


「いつでも良いぞ!」

「それじゃあ早速……ソシールウィンド!!」

「ぬっ!!」


ミノルの魔法で師匠が壁に叩きつけられた。


「すごい風だ。ちゃんと踏ん張らないと吹っ飛びそうだな」


これがミノルの魔法か。

さすがレベル1の魔法とは比べ物にならないな。


「流石にこの風の中じゃ身動き出来ないでしょう」

「なるほど、踏ん張っておったのにふっ飛ばされるとはなかなかの強さじゃな。じゃが……この程度じゃわしの動きは止められんぞ!」


すると少しずつ師匠が動き出した。


「くっ!さすがね。だったらこれならどう!グラビティ!!」

「どぅわ!何だ体が……重い…」


ミノルが魔法を唱えた途端、体に上から押しつぶされる位の重さが俺を襲った。


「ほう重力魔法か。さすがミノルじゃのう。魔法を同時に操るとは」

「これなら流石に動けないでしょう。今の内にタッチさせてもらうわよ」


さすがダリと言うべきか、俺が耐えられずに体と床をくっつけているのにダリは足をしっかりと立たせている。


「確かにこの状況では動けんがお主が近づくには、風の魔法を消さなければ反動でお主も吹っ飛ぶぞ」

「そんなこと分かってる。だからグラビティ!」


ミノルは自分の身体に触れて魔法を唱えた。

その時ミノルの顔が一瞬苦しそうになる。


「これで大丈夫」

「なるほど自分自身の体を重くさせて吹っ飛ばないようにさせたか」

「そうよ。これで終わりね」


ミノルは走って行くと思ったがかなりゆっくり歩いていた。


「おいミノル何やってんだよ。早く進めよ」


俺は顔が上に向かず地面に向かって喋った。


「しょうがないでしょ。こっちは今体に重力掛けてんのよ。早く走れるわけ無いじゃない」


しょうがないって言ったってこっちはかなり暇なんだが。

ていうか息が苦しくなってきたんだが。


「そろそろ終わらせるかのう」

「何言ってるの?その状況でどうするのよ」


そう、ミノルの言う通りこの状況でどうするんだ?

ダリも重力と風の魔法がかけられていて動けないはずだ。


「ふん!!」


その時師匠は地面を足で思いっきり踏みつけた。

その衝撃で木片が中を舞う。


「ちょ―――何してるのよ!?」

「まあ見ておれ」


師匠は散らばった木片の中で大きいやつを選び。


「ちっとばかし危ないが上手く避けてくれよ」

「えっホントに何する―――――」


その木片に手を当て。


「ほれ!!」


思いっきり指で弾き飛ばした。


「危ない!」


助けに行こうにも体が動かないから助けられねぇ。


「きゃ!!」


ミノルはギリギリのところでジャンプして避けた。

しかし……


「しま―――――」


その瞬間シャンプと同時に空中からいきなり降下して地面に叩きつけられた。

そりゃ重力がかかった状態で飛べばそうなるだろう。

その時地面にぶつかったと同時に風の魔法も一緒に解けた。


「ふぅ〜これでよく動けるわい」


ダリは肩を回し体をほぐしている。

俺も重力から解放されたので体を動かす。


「しまった風の魔法が……」

「お主良い所まで来たが勝利を確信して気が緩んどったぞ。もう少しその先の事も考えないとこういう事が合った時すぐ対処出来なくなる。もしもの事も考えておけば後もう少し近付ける。それと余り無理はするな。体を壊しては意味無いんじゃからな」


ミノルも惜しいとこまでいったけど師匠はその先まで考えてたって事か。


「惜しかったな。次チャレンジすれば良いよ」


俺はミノルを慰める為に肩をぽんと叩いた。


「今日はもう無理よ。魔力使い切っちゃったし」

「そうなのか。てことはもう俺しかいないってことか」

「かつ勝てる作戦あるの?」


ミノルは疑問の目でこちらを見つめる。


「正直言うと無いな。ミノルの魔法でも効かないとなると俺の魔法なんて全く効かないだろ」

「ということはギブアップでよいのか」

「今日はな、とりあえず」


悔しいがまだ俺達には難しいという事だ。

ここはひとまず負けを認めるしかない。


「まあ1日で捕まえられたらわしの所に来る意味ないしのう」


それもそうだ。

ん?待てよ。てことは負ける事は最初から分かってたのか。

なんつーじいさんだ。


「とりあえず今日は帰るよ」

「また明日来なさい」

「次は捕まえますからね」

「楽しみにしとるよ」


そう言って余裕の表情を浮かべ俺達を見送った。

あの人を捕まえるのは当分先になりそうだな。

さて暇になったな何しようか。

このあとやることないしな。


「かつこのあと暇?」


俺の心を読んだかのような質問をして来たな。


「まあ暇だけど……まさかデートに誘ってるのか!?」

「バカ!何言ってんのよクエストよクエスト!暇だったら手伝って欲しかったのよ」


俺の言葉に物凄い勢いで否定する。


「わ、分かってるよ。それで何のクエストに行くんだ?」

「今日良いクエストが入ったって言ってたから、それに行こうと思ってね」

「ああ俺が受付の人に頼まれてミノルに言ったやつか」


自分で伝えたのにすっかり忘れていた。


「そうそれ、それじゃあそのクエストを受け取りに早速行きましょう」


あの師匠を倒せるのはいつになるのか分かんないが、今のままじゃ駄目出しクエストで新しい戦い方でも見つけるか。




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