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半分獣の俺が異世界で最強を目指す物語  作者: 福田 ひで
第二章 魔法を極めて最強に!!
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その八 遅刻

「すいません遅れましたぁー!」


俺は飛び込む位の勢いで道場に入って行った。


「遅いじゃないかつ。どこで道草食ってたのよ」


するとサクラが仁王立ちで待ち構えていた。


「いやぁ〜ちょっと人助けをしてて」

「ほお〜それがお主の言い訳か」


そう言いながらダリが険しい顔で奥から出てきた。


「あっいやそう言う訳じゃ……」

「初日から遅刻してくるとは良い度胸じゃ。今日はキツめの修業でいくぞ」


あ、これ冗談じゃないやつだ。


「はい……すいませんでした」


遅刻しないように早めに起きたのに怒られるなんてこれじゃあ意味無いじゃないか。


「それでホントは何で遅刻したの」 


ミノルが疑問の眼差しでこちらを見てくる。


「え?」

「え?じゃないわよ。人助けだけで遅刻しないでしょ」


人助けはホントなんだけど……

まあそれを言い訳にするのも何かカッコ悪いし魔法協会で遅刻したって言っておくか。


「バレたか。まあ隠すつもりも無かったんだけど、ホントは魔法協会に行って遅刻したんだよ」

「魔法協会?なんでそんな所行ったのよ」

「黒いスライムの事を聞いてきたんだよ」


するとミノルは怪訝な顔でこちらを見た。


「黒いスライム……ああそんなモンスターもいたわね」

「えっまさか忘れてたのか」


まじかよ。

あんな大変な思いしたのに。


「だって昨日は色々あって疲れちゃったのよ。それでその黒いスライムがどうしたのよ」


まあ別にいいか。

ミノルは寝てただけだしな。


「昨日そのモンスターが新しいのかどうか調べてもらうために黒いスライムの欠片を渡しただろ」

「ええそうね」

「その欠片が実はガルア様のお城に行ってるみたいなんだ」


するとミノルは血相を変えて俺の肩を掴む。


「えっ!?なんでそんな所にまで行ってるのよ!」

「俺にも分かんないけどそれってやっぱり凄い事なのか?」

「私も新種のモンスターを何処で決めるかなんて知らないけど城まで行くのはかなりやばいと思うわ」


ミノルは真剣な表情で言ってるってことは本当にヤバイんだろうな。


「そうなのか……」


もしかしたら黒のスライムはただの新種のモンスターじゃ無いのかも。

するとダリの呼び声が聞こえた。


「お〜い修業を始めるからさっさと()んかい」


そういえば今修業の真っ最中だったな。


「はーい分かりました!とりあえずこの話は後でね」

「了解」


とりあえず昨日の男の事は黙っておこう。

修業に集中しなきゃいけないしそれにあんまり自分の事話してもしょうが無いしな。

俺は急いで師匠の所に向かった。


「それで何の修業をするんですか?」

「お主らは魔法の熟練度を高めに来たんじゃろ」

「はい。ここが魔法の熟練度専門の修業場と聞いたので」


実際まだ熟練度を上げられるのかすら分から無いけどな。


「まあ昔の話じゃがな。でも今でもちゃんと活動しておる。それでじゃ今回やる修業は……」


するとダリは険しい顔でこちらを見つめる。


「修業は……」


これはもしかしたらとてつもなく辛い修業が来るんじゃないか。

期待と不安が入り交じる中ダリは言葉を発した。


「鬼ごっこじゃ」

「え?鬼ごっこ」


それはあまりにメジャーな名前で反射的に聞き返してしまった。


「そうじゃ鬼ごっこじゃ」

「それってジャンケンで鬼を決めて鬼になった人が他の人を捕まえるっていうあの鬼ごっこ」

「その鬼ごっこじゃ」


まさか異世界にも鬼ごっこなんてあるのか。

ルールも全く一緒だな。


「本当にやるんですか?」

「修業なんじゃから当たり前じゃろ。さっさと準備せんかい」

「ほらかつ準備するわよ」


するとミノルは体を動かしたりとすぐに鬼ごっこの準備に取り掛かった。


「まさかミノルはこの修業内容を理解してるのか?」

「理解にしてるも何も修業なんでしょ?だったらやるわよ」

「お前すげえな」


俺はもう何が何だかよく分からない。


「ほれかつお主はやるのか、やらないのかどっちじゃ」

「やりますよ。修業内容を決めるのは俺達じゃ無いしな。師匠に従うよ」


もしかしたらやり方は異世界流かも知れないしな。


「よし決まりじゃな。それじゃあルールを説明するぞ。お主らが鬼でわしが逃げる。わしを捕まえるのに魔法を使っても良い、何でも有りじゃ。時間は1時間、逃げる場所はこの道場のみ。わしは逃げる以外一切手は出さない。何か質問あるか」


魔法はありとか意外は至って普通の鬼ごっこだな。

するとミノルはすっと手を上げた。


「何じゃ、ミノル」

「質問です。何でも有りって事は魔法の威力に制限は無いって事ですか」

「まあ制限はし無いがこの道場を壊した時は自腹じゃ」

「分かりました」


へえーミノルすげぇなすぐにルールを理解して質問する何て。

俺は現在の状況を理解するのに必死だ。


「もう質問は無いか。無いなら始めるが」


そのまま質問しないと関心の無い奴と思われるかも知れない。

俺はミノルに負けじと質問をする為に手を上げた。


「質問あります」

「何じゃ」

「捕まえられたら何かあるんですか」


するとダリがニヤリとバカにするように笑う。


「ほう……面白い質問じゃの。もしお主らがわしを捕まえられたら卒業じゃ」


卒業?マジ?


「それってこの道場に来なくてもいいって事ですか」


ミノルが続けて質問する。


「そういう事じゃ」


この道場を辞めてもいい何て物凄い自信だな。

それ程までに捕まえるのは難しいって事か。


「それじゃあ始めるぞ」


ダリは移動し真ん中に立ち止まった。

まあいいや勝てばいいし。


「それじゃあよ〜い、初め!!」



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