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半分獣の俺が異世界で最強を目指す物語  作者: 福田 ひで
第二章 魔法を極めて最強に!!
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その七 初めて

輝く太陽、鳥のさえずり、雲ひとつ無い青空。

まるで漫画みたいな朝を迎えた俺、絶対かつはこの島に来て1ヶ月以上の月日が流れた。

この島の事についてはだいぶ理解してきたが、まだまだ謎が多い。

そんな俺が今日初めて、ベッドの上で朝を迎えることが出来た。


「うぅ〜〜〜ん、あ〜さだーー!!いや〜朝がこ

んなに気持ち良いなんて初めてだな」


俺は腕を伸ばし思いっきり背伸びをした。

この島に来てだいぶ経ったのにやっと宿屋で泊まることが出来た。

この島のほとんどをダンボールの家で過ごしたのはかなり辛かったが、それも1つの経験として胸に閉まっておこう。


「今日からはちゃんとした生活が出来るぞ〜」


まずは朝食だろ。

俺は冷蔵庫を開けて中身を確認した。

冷蔵庫と言っても白い鉄の入れ物にマナを注いで魔法で中を冷たくしている鉄の箱みたいな物だ。


「結構高い所に泊まったおかげでちゃんと食べ物が入ってるな」


だがその中身がどれもよく分からん食材が多かった。


「これは魚か?こっちは卵?」


それはどれも変な色をしていて生で食べようとはとても思えなかった。


「この世界の料理は知らないしな。てかそもそも日本でも料理出来なかったな」


俺は朝食を諦め外出をする事にした。


「そう言えば今日から修業開始だっけ。どんな修業するんだろう。あんまり痛いのは嫌だな」


日本の時は部活はやっていなかったが、習い事はやったことがある。

まあ、余り長くはやらなかったけど。

修業は今日の午後だし今のうちに街をぶらぶら歩いてみるか。

俺は外出する準備をしようとした時、昨日買ってきた薬が目に入った。

俺は不意に昨日の出来事を思い出した。

黒いスライム……何でそれを見知らぬ男が知っていたのか、そしてそのスライムを倒した魔法使いを何で探してたのか。


「昨日出したばっかりだからまだ正式にモンスターとして登録されて無いんだろうか。だとしたらなんであいつは知ってたんだろう。う〜〜んいくら考えても分からねえ。やっぱり魔法協会が間違って情報を流失しちゃったのか」


この世界には日本とは比べて魔法に頼ってる所が多い。

その証拠に電子機器やインターネットも無い、もちろんテレビもないし、情報の共有は口頭か紙なのでセキュリティはガバガバだろう。


「一応魔法協会に聞いてみるか」


俺は黒いスライムの件を聞くために魔法協会に向かった。


「そういえば俺この町の名前聞いてなかったな」


魔法とかに気を取られて町の名前を聞き忘れたな。


「ついでにそれも魔法協会に聞いてみるか」


行く目的が1つ増えたところで魔法協会に向かった。


―――――――――――――――――――


「よし着いたぞ」


魔法協会はそれほど利用していないがこの島で一番使っている施設でもあるからなんか安心するな。


「よし、入るか」


俺は魔法協会の扉を開けて中に入って行った。


「いらっしゃ〜い魔法の事についてならこの受付に、クエストならこの掲示板からお願いします」


中はいつも通り人で賑わっていた。

中をじっくり見てみたいが今回は時間がないのですぐに受付に向かった。


「受付の人久しぶり」


俺に気づいたのか、笑顔で返してくれた。

さすが営業スマイルだな。


「あれかつさん久しぶりですね。受付の人って……名前言ってませんでしたっけ」


そう言って受付の人は不思議そうな顔で疑問をぶつける。


「そうだな、名前はまだ聞いてなかったな」

「申し訳ありません。私の名前はルルと言います。本来だったら最初に言うものなんですが……その………色々バタバタしてしまって」


そういえば俺が暴れてしまったんだったな。


「あの時はホントにすいません。俺もいきなりだったから動揺しちゃって」


あの時はほんとにやっちまったなと思ってる。


「大丈夫ですよ。気にしないで下さい。それよりも今日はどう言ったご要件で?」


いつも通りの営業顔のルルさんに戻った。

切り替え早いな。


「ああ黒いスライムの事について聞きたいんだけど」

「黒いスライムですか。すいませんそれはまだ調査中でまだ分からないんですよ」


そう言ってルルさんは申し訳なさそうに小さく頭を下げる。


「そうですか。ちなみにあの黒いスライムの欠片って何処にあるんですか」

「それは今ガルア様の城に送られています」


ガルア様の城?

それってまさか。


「ガルア様ってもしかしてこの島で一番の権力を持っているあのガルア様か」

「そうですそのガルア様ですよ」


まじかよ何でそんな所まで行ってるんだ。

新種のモンスターは王様が確認とかするのだろうか。

ていうかそこまで行ってるんだったら流石に情報漏れとか無いか。

だとすると何であの男は黒いスライムの事を知ってたんだ。


「あの、その黒いスライムの調査っていつぐらいに終わるんですか」

「すいませんそれはちょっと分からないですよ」

「そうですか」


極秘で進められているのだろうか。

どっちみち結果はまだ先だろうな。


「ありがとうございました。最後にこの町の名前って分かりますか」


すると俺の質問が理解できないのか顔が一瞬固まる。


「はい?この町の名前ですか?えっと……忘れちゃったんですか」

「あ、えっと、ド忘れしちゃって」


そうか町の名前を覚えるのは普通だよな。

もう少し考えて言うんだった。


「そうですか。この町の名前はシアラルスと言う名前ですよ」

「ああそう言えばそんな名前でしたね。ありがとうございます」


シアラルスか……やっぱり聞いたことがない街だな。


「いえいえお役に立てて光栄です。あっ!そう言えばミノルさんに言って欲しい事があるんでした」

「何ですか?」


またミノルがクエストでも予約してたのか。


「おいしいクエストの依頼がありますので空いた時間があれば来てくださいって言っておいてください」

「分かりました。ちゃんと伝えておきます。それじゃあ次来る時はクエストを取りに来ると思うのでよろしくお願いします」

「はいお待ちしております」


そう言って笑顔で俺を送ってくれた。

いやぁ流石だな、疲れが吹っ飛ぶ笑顔だ。

よしそろそろ時間だし行くか。

俺が魔法協会を出ようとした時、知ってる人に声をかけられた。


「お〜かつ久しぶりだな。今日は何しに来たんだ」


元気いっぱいの声が後ろから聞こえた。


「久しぶりだな〜ウルフ。今日は黒いスライムについて聞きに来たんだ」

「黒いスライムかそういえばお前らが見つけたんだもんな。それよりもかつこのあと暇か?これからいいんかい食いに行くんだが一緒に来るか?」


そういえばウルフと食べに行く約束してたっけ。


「誘ってくれるのは嬉しいけどこの後用事があるんだ。ごめんな」

「何だつまんないなあ」


ほんとにつまんなそうな顔をするのはやめてくれ。


「また今度行こうぜ」

「しょうがねぇ。じゃあまた今度な。次は絶対一緒に行くからな!」

「ああ分かった」


いつ行けるかわからないが。


「じゃあな〜」


そう言ってウルフは受付の中に入って行った。

いいんかいか……食べに行くって言ったけどその料理知らないしな。

まあそこまで不味くないと思うが後で調べておくか。

俺はそのまま魔法協会を出た。

外に出てみると何やら騒がしい。


「何だ?何かやってんのか」


俺は気になってその騒ぎの中心に向かった。

すると何やら子供と店の店主が口論になっているようだ。


「いいからこれを私によこせ!」

「何言ってんだこのガキは店の物をタダで上げられる訳ねぇだろ!」

「私はガキではない!私は偉いんだぞ命令に従え!」

「テメェみてえなガキなんかみたことねえよ。さっさとどっかいけ!」

「お前これ以上私を馬鹿にしてみろ。後で痛い目に合うからな!」


どうやら女の子が果物を欲しがっているらしい。

今日は初めて泊まれたこともあって気分が良いしな。

ここはちょっと男を見せるか。


「テメェいい加減に――――」

「まあまあ落ち着いて落ち着いて」


俺は2人の間に入って喧嘩を一時的に止めた。


「誰だてめぇは?」

「店主これ何ガルアですか?」


俺は騒ぎの元となっている果物を1つ手に取り値段を聞いた。


「ん、150ガルアだが……まさか兄ちゃんが払ってくれるのか?」

「そのまさかだ。ホイこれでいいだろ」


俺は店主に150ガルアを投げつけた。

すると店主はびっくりしながらもしっかりと金を受け取り、数えていた。


「おっおお、まいど〜」


俺は果物を手に取り少女に渡した。


「ほら欲しかったんだろやるよ」

「なっ!何を言っている私は――――」

「いいよお礼なんてそれじゃあ俺用事があるから。今度はちゃんと金持ってけよ」


ふふふ、我ながらカッコイイ事をしてしまった。

ちょっとは良い事しないといけないしな、それにお金もだいぶ溜まったからこういう事に使わないと運が逃げちまう。


「あの男何者だ……」


俺はすぐに修業場に向かった



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