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半分獣の俺が異世界で最強を目指す物語  作者: 福田 ひで
第十章 奪われた花嫁
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その十四 かつの探索

「よし、それじゃあ早速上の階を目指すか」


このドデカイ城の中にミノルが居るとしたら最上階だろう。

まあ、多分自分の大切な物は1番奥に隠すように、城だと1番遠い最上階だろうと言う俺の予想だが。

あと、ゲームとかでよくあるし。


「まあ、ここは現実だからそんなわけ無いが。それにしても高そうな絵とか色々飾ってあるな」


高級そうなツボの中に花が生けてあるし、不用心にもほどがあるだろ。


「まあ、普通はこんな所に人なんか入って来るわけ無いんだろうけどな」


その時近くで足音が聞こえる。

近くに居るのか?

俺はすぐに物陰に隠れる。

そして、その近くを見周りの人が通り過ぎる。

見周りの人が通り過ぎるのを見計らって俺は体を出す。


「ふぅ……油断は出来ないな。ここで見つかるのは面倒だし、あいつらにも迷惑がかかるからな。出来るだけ慎重に………」


その時一瞬だけ、誰かが廊下を通り過ぎた。


「今のって、ミノル?」


一瞬だけだったが、ミノルらしき人が通ったような気がする。


「でも、ありえないよな。だってミノルはここで閉じ込められてる訳だし、ここの廊下を堂々と歩けるわけ………無いよな?」


正直言ってミノルが今どういう状況か分からないわけだし、もしかしたら城の中を自由に行動するのを許されてるのかもしれない。

ん?待てよ、嫌々ここに居るのに自由に行動を許されてるなんて、まるでミノル自身が受け入れてるような。

いやいや、そんなわけ無いだろ!


「確かめるしかないよな。その為にここに来たんだし」


俺は真実を知る為にさっき通り過ぎた人を追いかけた。

だが、曲がり角を曲がった所には先程の女の人の姿は居なかった。


「あれ?おかしいな、ここを通ったと思ったんだけど……もしかして部屋の中に入ったのか」


ここに居ないというのなら、それしかありえないだろう。

人が突然いなくなるわけ無いしな。


「でも、扉多いよな」


次の曲がり角まで廊下に5つの扉がある。

この中を1個1個調べるしかないか。


「先ずはこの扉だな」


俺は早速1つ目の扉を開けた。

そこには沢山の色々な物が置いてあった。


「荷物置き場かな?まあ置いてある荷物は、どれもやばいものなんだろうけど」


これといった物は無いし、次の扉を調べるか。


「次の扉は……」


この時、俺は少し緊張感が無くなってたのかもしれない。

警戒心も無く、俺は自分の部屋を開ける時の感覚で、普通に扉を開けた。


「………え?」


そして目の前には見知らぬ女性が下着姿で居た。

俺は非現実的な事過ぎてその女の人と数秒目が合い、そして女の人が叫ぼうとした瞬間俺は我に返った。


「きゃ―――――――――――」

「うおおおっ!ちょっと待った!」


俺はその瞬間、勢いで女の人の口を押さえる。


「ふぐっ!うううん!!」

「落ち着いて!これは事故だから!たまたま!本当にたまたま起きてしまった事故だから!」


ここで叫ばれる訳にはいかないという焦りで俺は女の人に説得をする。


「ううん!ううううん!!」


女の人は涙目になりながら俺の手を振り払おうとする。


「落ち着いて!だからっな?」


俺は出来るだけ優しい口調で女の人を説得すると暴れるのをやめて大人しくなる。

すると納得したのか涙目で頷く。


「理解してくれて良かったよ」


これで、人にバレる心配は無いな。

そう安心して女の人から離れる。

だが、その油断が間違っていた。


「きゃあああああ!!」

「おおい!何で叫ぶんだよ!」

「叫ぶに決まってるじゃないですか!この変態!不審者!女性の敵!」

「おい!なんでそんな事言われなきゃいけないんだよ!事故だって言ってんだろ!」

「うるさいですよ!事故とかそんな言葉で片付けられると思はないでください!人の体を勝手に見といて!!」

「見たくてみたわけじゃねえよ!」

「はあ!?何ですかその言い方!誰かー!ここに不審者がいますーー!!」


その瞬間、大勢の足音が聞こえてくる。


「くっ!これ以上はまずいな。くそっ!覚えてろよ!」


そう、捨て台詞を言って俺は部屋を飛び出した。


「おい、居たぞ!不審者だ!」

「だから、俺は不審者じゃねえよ!」

「居たぞ!!変態だ!」

「変態でもねえ!」

「こっちに女の敵が居たぞ!」

「ああ、もう!何なんだよ!!」


多分1階の見回り全員大集合だな。

このままじゃ確実に捕まる。


「しょうがねえ。魔法を使うか」


俺は曲がり角を曲がって追手に死角が出来たのを見計らって。


「ワープ!」


別の廊下に移動した。


「ふう、何とか逃げ切れたみたいだな。廊下が似たような構造で助かった」

「大丈夫か!?誰にやられたんだ!?」

「ううん……確か、小さい女の娘を見つけてそれから記憶が……」


何か、居たんですけど。

その時、フラフラになっている人と料理長みたいな服をした人がそこにはいた。

そして、目があった。


「あっ」

「「あっ」」


不意に出た言葉と共に俺はすぐさま2人を気絶させた。


「ふぅ漫画みたいな気絶のさせ方しちまったな。でも、首とんって便利だな。師匠に教わっといて良かった」


だが、これからどうするか。

俺の姿はもう知られちゃってる訳だし。

その時、気絶して倒れてる人が目に入る。


「良い事、思い付いた。ちょっとその服借りるぜ」


俺は気絶している男の服を自分の着ていた服と入れ替える。

サイズがちょうどピッタリでよかった。


「よし、これならすぐにバレることは無いだろ。まあ、見回りの人とは少し服装が違うからどっちみち慎重に行かなきゃだめだな」


俺はすぐにその場を離れて、周りに注意しながらある場所へ向かう。


「よし、だいぶ人が居てきつかったが何とか次の階に行けそうだな」

「居たぞ!!」

「やべ!見つかった!しょうがない、とりあえず2階に行くか」


俺は逃げるように2階の階段を駆け上がった。



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