エピローグ 秘密の電話
「おい、こんなの詐欺だろ!俺の金を返せ!!」
涙目になりながら必死に訴える男を屈強な男はサングラス越しに見下ろす。
「お客様、お金が無いのなら。身ぐるみ剥いで出てってもらいますよ」
「や、やめ!ぎゃぁぁぁぁ!!!」
悲痛な叫び声が響き渡り男は姿を消した。
――――――――――――――
「今日もまた、金もないのにギャンブルする馬鹿が多いな。でも、ギャンブルってのは何故かやめられないもんだ。これも人の欲深さゆえかな」
「変な事……言ってないで……仕事して………」
そう言ってツキノは俺に向かって説教をする。
「別にいいだろ。人は何故ギャンブルをするのか。ツキノはそんな事考えないのか?」
「そんなの………どうでもいい………早く……仕事して……」
「わかったよ。お前は本当に仕事人間だな」
まあ正直ツキノみたいな奴がいてくれるお陰で俺はここにいられるしな。
「それじゃあ………これ……」
そう言って機密事項と書かれた封筒を渡される。
「おいツキノ、こういうのは城で渡してくれよ。ここじゃあ、誰かに見られてる可能性があるだろ」
「大丈夫……部屋……全部……調べた……外にも……誰もいない………」
「そういう時だけ用意周到だな」
まあ、ツキノはそういう所はちゃんとしてる。
これはそれぞれの街の王が会議した時の結果が書かれている重要な物だ。
もちろん俺も参加した。
ツキノもそれは分かってるし嘘ではないだろう。
「さあ〜って、一体何が書かれてるんだ?島王選の事なら昨年の会議でウォータープラメントに決まったから違うとして、後は……まっ読んでみれば分かるか………おい、これはどういう事だ!何で会場がカルシナシティになってんだ!!?」
俺は紙を机に置きすぐにガルアに電話をする。
「どうした風間?新しい店のアイディアでも思いついたか」
「おい、ガルア!何で俺達の島が次の島王選の会場に選ばれてるんだ!聞いてないぞ!?」
「あ〜あ、それか。それにはちゃんと理由があるんだぞ」
「理由だと?ガルア、これがどういう事か分かってるのか!勝手に俺の街を改造しようってんなら、この街に、俺に喧嘩を売るってことだぞ!お前戦争を起こさせたいのか!」
「おいおい、いくら電話越しだからってそんな物騒なこと言うもんじゃないぞ。ちゃんと理由があるって言ってるだろ」
「だったら早くその理由を言ってみろ」
「それはな……お前の街が1番近かったからだ」
「なめんな!」
「冗談だよ、冗談。軽いジョークだろ」
「ガルア、お前がこの島の王であるのと同時にシアラルスの王でもあるんだぞ。自分勝手な行為が許されると思うなよ。他の王だって黙ってないぞ!」
「はぁ……じゃあ今から本当の理由を教えてやる」
「今更理由なんて――――――」
「ちなみにこの理由を聞いて他の王は全員納得した」
「なっ!?本当なのか!」
「実はな黒の魔法使いなんだが―――――――」
そして数ヶ月後1人の王がシアラルスにやって来る。




