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半分獣の俺が異世界で最強を目指す物語  作者: 福田 ひで
第二章 魔法を極めて最強に!!
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その四 勝負

しばらくすると師範が扉の奥から出てきた。


「それで俺の相手の娘さんは何処にいるんだ」

「何言っておる。今お主の後ろにいるじゃないか」

「えっ―――――」


俺はすぐに後ろを向いたがそこには誰もいなかった。


「なっ何だ。嘘じゃないか。びっくりさせるなよ」

「かつ、嘘じゃないわよ」

「えっ?だって後ろに……」


その時誰かに肩を叩かれた。


「――――っっ!」


俺はその叩かれた肩の方に顔を向けた瞬間頬を指で突かれた。

それは小学生の頃よくやられた地味にムカつくやつだ。

そこには俺よりもちょっと背が低い女の子がいた。


「や~い、ひっかかった!ひっかかった!」


俺は突然の出来事過ぎて思考回路が停止していた。


「えっと……今のは何だ?」

「何ってあんたは私の嘘に騙されたってことよ。あんなにマヌケな顔してとっても面白かったわ」


なっ何だこいつ初対面なのに何故こんなに馬鹿にされなきゃいけないのか。


「コラコラそのへんにしておけ」

「は〜いおじいちゃん」


するとその女は上機嫌で老人の隣に戻って行った。


「おじいちゃんって……もしかしてアンタが師範の娘か!?」

「そうよ私がおじいちゃんの娘のサクラよ」

「そしてわしがダリと言うものじゃ。お主にはこのわしの娘サクラと戦ってもらう」


正直予想してたのとはだいぶ違うな。


「おじいちゃんホントにこの人と戦うの?なんかものすごく弱そうなんだけど」


でも口が悪いのはムカつくな。


「まあそう言わず相手をしてやれ」

「まあおじいちゃんの頼みならやるけどね」


何なんださっきから人のことを勝手に弱いとか決めつけやがって。


「それであんた名前なんて言うの?」

「絶対かつだ」

「ふ〜ん、そこの彼女は」


それだけ!?

俺の名前を聞くなりすぐに興味を失ったのかミノルの方にスタスタと歩いていった。

正直、名前に関して何も言ってくれないのはありがたいが、何か違う気がする。


「私はミノルよ」

「ふ〜んあなたはミノルって言うんだ。あんただったら家の道場の弟子になっても大丈夫そうね」


ダリと全く同じ事を言ってるな。

何でミノルばっかり褒められるんだ?


「おい何でミノルが良くて俺が駄目なんだよ」

「だって彼女強いじゃない。さっき私が後ろに行こうとした時彼女だけ私の動きが分かってたし」

「そうなのか?」

「まあサクラが後ろに来たのは分かってたけどね」


ミノルは褒められて嬉しいのか少し頬が赤くなっていて口元がニヤけている。


「マジかよ、分かってたのかよ」

「ほらね。それにしてもあんたの間抜けヅラには笑いが堪えられなかったわ。あんなに警戒心が薄い人始めてみたわよ」


そう言うとサクラは俺を見ながら再び笑い出す。


「たっ…たまたま気付かなかっただけだし」


俺は相手になめられない様に何とか誤魔化す。


「ふ〜んそうなんだ〜。じゃあ私と勝負しましょう。あんたが勝ったらこの道場の弟子にしてあげる。逆に負けたらこの道場に二度と足を踏み入れないで。それで良いわよねおじいちゃん」


何か勝手に追い出される契約が進んでいるのだが、こいつ少し自分勝手じゃないか。


「戦うのはサクラじゃ。サクラの好きにせい」

「てっ事でどう」


サクラは俺の前に手を出して来た。

何かこいつの思い通りみたいになってるが、このまま言われっぱなしはどうも尺に合わない。

ここはバシッと勝って俺を馬鹿にしたのを後悔させてやる。


「ああ分かった」


そう決意し俺はサクラの手を力強く握り締めた。


「それで勝負の内容は何だ」

「そうね、じゃあ私に触れられれば勝ちでどう?」


余裕そうな顔で俺に告げてきた。


「おいおいなめ過ぎじゃないか。そんなのすぐに終わっちまうぞ」

「さあどうかしら。ルールはあなたは魔法を使っても良いし何したって良いわよ。私はただ避けるだけあなたへの物理的攻撃や魔法は一切しないわ。これならちょうどいいでしょ?」


ルールも内容も完全に俺が有利に立つようになっている。

さっきの余裕そうな顔と言い完全に俺を下に見ているな。


「後悔するぞ」

「させられるもんならさせてみなさいよ」


クソ、なめやがってこんな試合すぐ終わらせてやる。


「かつあのサクラって子、気お付けた方が良いわよ」


ミノルは深刻そうな顔で俺に助言をしてきた。


「なんだよミノル。まさかお前まで俺が勝てないと思ってんのかよ」

「そういう意味じゃなくて油断しないでってことよ。あの自信たっぷりな言動多分かなりの実力者だと思う」


たしかにあれだけ俺が有利に立つ内容なのにあの余裕っぷりは、自分の腕にそれなりの自信があるのだろう。

じゃなきゃここまで出来ないしな。


「ミノルは心配性だな。大丈夫だよ。パパっと終わらせてくっから」

「ちょっかつ!そういう意味じゃなくて……ああもう!そういう事じゃ無いのに」


ミノルは何を心配してるか分からんが流石にあの勝負の内容で負ける訳が無いだろ。

だが油断は禁物だ。


「準備は良いかしら?」

「ああバッチリだ」


この勝負、俺が勝つ!


「それじゃあ行くわよ。よ〜〜いスタート!!」


こうして戦いの火蓋が切られた。



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