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半分獣の俺が異世界で最強を目指す物語  作者: 福田 ひで
第九章 呪われた姫と呪いのモンスター
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その三 防寒着

「う〜ん……どれにしようか悩むなぁ……」


目の前に並べられている防寒着を見ながら、考え込んでしまう。

私達は今、雪原に行く為に必要な防寒着を手に入れるために服屋に来ていた。


「妾これがいいのじゃー!」


そう言って、ブカブカで中に羊毛がに入った服を着て、嬉しそうに走る。

確実にサイズがあってないわね。

私はすぐに走り回っているデビちゃんを捕まえて防寒着を脱がす。


「そんなブカブカじゃ、動きにくいでしょ。ていうか走らない!」

「僕はこれくらいのが良いですかね」


リドルの方は緑色の分厚いモコモコの服で雪原に行くにはピッタリの服だった。

サイズももちろんピッタリみたいね。


「じゃあそれにする?値段は………」


気軽な気持ちで値札を覗き込んでみると、そこには27万ガルアと記載されていた。

た、高すぎる!?

何、雪原用の服ってこんなに高いの!?


「り、リドル?それはちょっと待って………」


さすがにこんな高いものは買えないわね。

それとなくリドルに戻すように促そうとした時、店主が満面の笑みで近寄ってきた。


「お客様!何をお探しですか?」

「へっ!?あ、えっと………」


ここで正直に話したら少し面倒くさいことになりそうね。

話に乗せられて買わされる流れになる前にここはしれっと逃げた方がいいわね。


「妾達は雪原に行くための服を買いに来たのじゃ!」

「デビちゃん!?」


何でこういう時だけ行動が早いの!


「そうでしたか!雪原用の服ですか!それなら、こちらはどうでしょうか?」


そう言って明らかに高級そうな服を見せてくる。

うっ値段を見るまでもなく、高いってのが分かるわね。

こんなの買ったら借金持ちになっちゃうわよ。


「こちらは最高級の羽毛を使っていて極寒も冬でもまるで真夏の様に感じる事が出来ます!さらに、内側にポケットなどもありますので、ポーションなども仕舞える優れ物ですよ!」

「へ、へぇ……そうなんですか」


大丈夫これなら買う気にはならないわ。


「さらにフードも付いているので頭も寒さから防げます。さらにさらに今ご購入いただくと付属で同じ羽毛で作られた手袋もお付けいたしますよ!」


うっ!確かに手袋はお得そうだけど。

ここで値段を聞けば相手のペースに飲まれてしまう、ここは興味の無いようにしないと。


「私は別に……」

「それは手袋が付くのか?」


すると先程まで別の服を見ていたデビちゃんが急に興味を持ったのか店の店主に質問をした。


「ええ、手袋は付きますよ」

「どんな手袋なのじゃ!」


やばい!デビちゃん興味津々になっちゃった!

店員さんも的を変えてデビちゃんに買わせようとしてるし。


「お待ちください。えーっと、こちらの品です」


それは紫色の付ける前から絶対に暖かくなると分かるくらいもこもこの手袋だった。

デビちゃんは早速その手袋を装着すると興奮気味に手を掲げる。


「凄い暖かいのじゃ!もふもふなのじゃ!」

「そうでしたか。気に入って頂きましたか」

「うむ!気に入ったぞ!」


やばい!デビちゃん買うき満々になってる!

止めなきゃ。


「それでは早速―――――」

「ほ、他のも見てみましょう!ほら、これだけで決めるのは早いと思うし。ね?デビちゃん」

「まあ確かにそうじゃのう。でも、この手袋気に入ったのじゃが」

「じゃあその手袋は別に買って服は違うのを買いましょう」

「失礼ですが、その手袋はこの特典限定ですよ」


うっこの店主急にそんなこと言い出しちゃって。


「なに!?限定なのか!ミノルこれ限定らしいぞ!これしかないんじゃないか?」

「え、ええ……限定なの?」


やられたわ。

まさかここで限定なんて言葉を使うなんて、これじゃあ簡単に引けなくなった。


「そうですよお客様。これはこの特典限定の物です。今しか手に入りませんよ」

「う、ううん……因みにお値段は?」

「30万ガルアです」

「さ、30万ガルア!?」


高い、高すぎる!

今の私にこの大金を払う余裕なんて………

するとデビちゃんは潤んだ瞳でこちらを見る。


「やっぱり駄目なのか?」

「う……買います……」

「お買い上げありがとうございます!」


デビちゃん、その目はずるいよ。


「やったー妾の手袋と服じゃー!」


そう言って嬉しそうに走り出した。

ああ、他にも色々な服とか買わなきゃいけないのに…………


「リドル一旦クエストやってお金を稼ぎましょう。じゃないと私達の分の服が無いわ」

「ミノルさん、あまり甘やかさないほうが良いと思いますが」

「ごめんなさい」


こうして明日出発する予定が2日後になってしまった。



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