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半分獣の俺が異世界で最強を目指す物語  作者: 福田 ひで
第二章 魔法を極めて最強に!!
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その三 弟子

「それで熟練度って何だ?」


俺はミノルと歩きながら質問をした。


「熟練度って言うのは魔法の使用回数みたいなもので、魔法を使えば使うほど熟練度が溜まって強くなるのよ」


要は慣れてくることによって強くなるのか。


「それって同じ魔法じゃなきゃ駄目なのか?」

「そうねバラバラに魔法使っても使った魔法しか熟練度は上がらないわ」


なるほど、てことは同じレベルの魔法使いでも熟練度によっては差が出るってことか。


「それで熟練度を何処で上げるんだ」

「普通はクエストとかやって気長に上がるのを待つんだけど今回は、パパっと上げたいからここで上げるわよ」


そう言ってミノルはある建物を指差した。


「まさかここか?」


それは木で出来た建物だがかなり昔の建物なのかところどころ汚れや修理をした所が見える。

見た目は日本でも見た事ある道場そっくりだ。

屋根にはダリ熟練所と書かれている看板がある。


「そうよ。ここで魔法の熟練度を上げるの」

「まさかここって道場みたいな所か」

「まあそんな感じよ。大丈夫よそこまで厳しくないから」


ミノルは早速扉を開けて中に入って行った。


「ここがこの建物の中か」


中も思った通りボロボロで修理の跡が目立ちまくっている。

しかも天井には赤いシミのようなものも残って不気味だ。


「ここって本当に厳しくないのか」

「だから厳しくないって言ってるでしょ」

「ならいいんだけど……」


まあ今はこれしか効率よく伸ばす方法がないのなら任せるしかないか。

それよりも人の姿が見えないがもしかして留守なのか。


「なぁミノルここにいないってことはどっか他に行ってるんじゃ無いのか」

「まあ見てなさい。頼も〜!」


その瞬間奥にある扉が勢い良く開き何かが飛んできた。


「おわぁっ!!」


俺はその飛んできたものを反射で避けた。

後ろを見ると刃物のようなものが刺さっていた。


「な、何でこんな物が………」


こんなのが顔に当たったら一発でお陀仏だ。


「そう言えば……ミノル大丈夫か!」


ミノルの方を見ると中指と人差し指の間に挟んで受け止めていた。

何こいつ、そんなこと出来たのかよ。


「これを受け止めるとはお主なかなかやるの〜」


自分のヒゲを触りながら険しい顔の老人が出てきた。

あの人がここの道場主か。

腰が痛むのか両手を腰に回し少し前のめりになっている。


「してお主はここに何しに来たのじゃ」


険しい顔のまま老人は質問をした。


「魔法の熟練度を上げに来ました」

「ほうそれは嬉しいのう弟子を雇うのは何年ぶりか。それでお主は?」


すると老人は一瞬顔を緩めたが、俺の方を見るなりまた険しい顔に戻った。


「俺もミノルと一緒で熟練度を上げに来ました」

「ほうお主もか……」


何か凄い貫禄を感じるな。

がたいもしっかりしてるし俺なんか一捻りしてしまいそうだ。


「不合格」

「え?」


老人は俺を見つめたまま不合格と言い放つ。


「不合格と言ったんじゃ。お主を弟子にはできん」

「なっ何でですか」

「弱い奴は弟子にはしない」

「弱い奴って……」


もしかして俺が魔力レベル1ってバレたのか。


「あれぐらいの攻撃もまともに受け止められないのならば弟子にする気は無い」


どうやら魔力レベルのことは、バレてないようだ。

だけどマジかよ。

逆にあれを受け止められるんだったらここに修業しに来ないんじゃないか。

まぁでもミノルが言っていた通りならここは熟練度を上げる専用の場所なのか。


「かつがやらないなら私もやりません」

「ミノル……」


なんていいやつ何だ!

これからはミノル先輩と呼ばせてもらおう。

いやそれはやっぱ辞めとくか。

そんなくだらない事を考えてる俺を気にせずに2人で話が進んでいる。


「何故お主があいつと合わせる必要がある」

「別に合わせてません。ただ今回はかつをメインに修行をしに来たのでかつがいないんじゃ私もやりません」


ミノルは一歩も引かずにただ一点に老人を見つめる。

すげぇなよくあんなはっきり言えるな。

あの老人腰が曲がってるし、俺よりも背が小さいのに、真正面に立つと俺より全然背の高い大男に見えてしまう。

それ位凄い威圧を感じる。

流石に道場の師範だな。


「なるほどそういう事か……ならばこうゆうのはどうじゃ。わしの出した条件をクリア出来ればここの弟子として雇ってやる」

「条件って?」


過酷じゃなきゃいいんだが。

俺は老人の出す条件とやらを静かに聞く。


「わしの娘と戦って勝利する」


想像していたのよりだいぶ楽なのもあって一瞬気が緩む。


「女の人と戦うのか。それはちょっと…」

「大丈夫じゃ。お主よりわしの娘の方が断然強い」


そう迷いなく言い切る老人に俺は少しムカついたが顔に出さないように余裕そうな表情をして誤魔化した。


「なっ!?そこまで言うならやってやろうじゃないか」


うまく挑発に乗らされた気がするがここは勝負の世界だ。

意地でも勝つぞ。


「それじゃあ早速呼んで来るから待っておれ」


娘って一体どんな人なのだろうか。

この人の娘だからめちゃくちゃデカくて筋肉ムキムキかもしれないな。

でもミノルが作ってくれたチャンスだ、どんなやつだろうが勝ってやる。



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