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半分獣の俺が異世界で最強を目指す物語  作者: 福田 ひで
第八章 奪われた道場
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その二十一 歴史の謎

「何か色々書いてあるな」


俺は特に重要そうじゃない所はペラペラとめくる。

そして俺はあるページを見つけてその手を止める。


「にゃんこ島の戦争の歴史……これだ!」


ようやく見つけた、ここににゃんこ島の歴史があるんだ。

俺はすぐにそのページを読む。

かつては人間と半獣は手を取り合って生きてきた。その時代では2人の王、半獣と人間の王が居た。突如人間の王が死に、それがきっかけとなり戦争が起きた。始まりは約1万年前、人間との戦争が行われた。その戦争が始まってから2000年後、半獣の勝利で幕を閉じる。

これを後に第一次王位戦争と言う。


「戦争は2000年後終了。一応ここでは戦争は終結してるのか。にしてもだいぶ長いな」


俺はさらに続きを読む。

それからしばらくは半獣が王として平和を保っていました。

だが人間の王の不可解な死、そして自分達の王が殺された事による怒りもあって、現在から200年前半獣の王が殺される。


「200年前に半獣の王が殺されるのか。結構その間の期間は合ったんだな」


平和だった日々は失われ戦争が再び起こった。

今回は人間がやったと確信もあり、半獣は人間を滅ぼす勢いで殺戮を繰り返す。

これを血滅戦争と言う。


「なぶり殺しって訳か。昔は今と違って人間も多かったのかな?だとすると路地裏でしか見かける事が無いくらい減少してしまったとすると、大分殺されたんだな」


その戦争はまさしく血の海とかし、人間は滅ぼされる一歩手前まで来ていた。

だがその時戦争から100年後。

ある1人の半獣の終結宣言によって戦争は終了した。

それが現在の王、前王ガイス様の息子、ガルア様である。

ガルア様が2代目としてガイス様の意思を受け継ぎ戦争を終結させた。

だがそう簡単には戦争は終わらず街の修繕や人間の反発を止めたりなど戦争が本当の意味で完全に終了するのは宣言から90年後だった。


「そして、現在に至るってことか。なるほど、この島の歴史改めて読んだけど、やっぱりおかしいよな」


俺は改めて読み直す。

そしてその疑問は確信となった。


「やっぱり、おかしい。戦争があまりにも長過ぎる気がする。人間はなんにも能力は持ってないはずだよな。半獣は魔法が使えるから戦争なんて直ぐに終わる気がするんだけどな………」


機械などで人間は対抗したのなら分かるがその記述は無い。

もしそうなら必ず書いておくだろう。


「たしか、ケインは127歳位だったよな。そうなると今から127年前なら血滅戦争の時だよな。ケインはその時の記憶はあるのか?」


もし無かったとしたらこの歴史は本当かどうか分からなくなるな。

その時背筋が凍るような感覚に陥る。


「お主なにやっておるのじゃ?」


俺は後ろから聞こえる威圧的な声に体を震わせながら後ろを振り返る。

そこには鋭い目付きでこちらを睨み付けるダリ師匠が居た。


「ごごごごごごごごめんなさい!!すぐに勉強に移ります!!」


怖い!怖すぎるんですけど!

俺はすぐに歴史の本を閉じ、魔法に関する本を開く。

するとダリ師匠は呆れたようにため息をつく。


「はぁー……たしかお主は勉強などしてこんかったらしいな」

「は、はい……」

「歴史に興味があるのか?」


そう言って、ダリ師匠は歴史の本をペラペラとめくる。


「ま、まあ一応」


黙ったままダリ師匠は本をめくり続ける。

何だろう、もしかしてダリ師匠も歴史に興味があるのだろうか。

そう言えばダリ師匠、お爺さんだけど年はいくつなんだろう。


「あの〜こんな事聞いて失礼かも知れないんですけど、ダリ師匠って今いくつ何ですか?」


するとダリ師匠が本をめくる手を止めてこちらをじっと見つめる。

やばい失礼だったか!?


「す、すみません。やっぱり今のは無しで」


俺は怒られる前に謝り意識を本に向ける。


「これだけ長く生きておるのに、年のことは1日たりとも忘れた事はない」

「え?」


そう言ってダリ師匠は本を閉じる。


「わしの歳は8237歳だ」

「はっ!?8237歳!?まじですか!」


待てよ。そうなると今から8237年前となるなら第一次王位戦争の真っ只中だよな。

だとすると覚えてない方がおかしいよな。

聞いてみるか。


「あの第一次王位戦争の事は覚えてますか?」


するとダリ師匠はすぐに首をふる。


「それがさっぱり覚えておらん。まるでそこだけ引き抜かれたようにさっぱりじゃ」

「そうですか……なら血滅戦争はどうですか?」


第一次王位戦争はかなり昔の話だから覚えてないのは納得できる。

だけど血滅戦争なら200年前だから忘れることは無いだろう。


「それも覚えておらんのう」

「え!?覚えてないんですか!」


おかしい流石に8000年も生きてる人がそんな簡単に忘れるのか?

逆に長生きし過ぎて記憶力がないのか?

いや、戦争があったのなら尚更嫌でも覚えてるはずだ。


「じゃあダリ師匠は何年前の記憶なら覚えてるんですか?」

「しいて言うなら10年前かのう」


10年前……戦争が完全に終了して平和が始まった日。

10年間の記憶しか記憶できてないのか?

偶然なのか?それとも………


「気が済んだか?」

「はい、もう大丈夫です」

「ならさっさと勉強せんかい。自分の魔法の魔法陣をちゃんと覚えるまで修業はほぼ図書館じゃからな」


そう言ってダリ師匠はまたどっかに行ってしまった。

するとさっきまで離れていたサクラが戻ってくる。


「なぁに怒られてんのよ。大丈夫って言っといて」

「うるさいな。別にいいだろ。それに無駄じゃなかったしな」

「無駄じゃなかったってどう言うこと?」

「お前には教えないよ」

「なっ!?べ、別にいいわよ。気にならないし」


そう言ってサクラは拗ねて離れた机で本を読み始める。

ちょくちょく気になるのかこちらを見ているが気にしないでおこう。

それより魔法陣を覚えなきゃいけないんだよな。


「よし、続きを読むか」


魔法陣は自分の魔法の威力を高める事ができる。

更に空間に魔法陣を展開させて離れて攻撃する事も可能になる。

俺は魔法陣を覚えてないから手元からしか魔法を放てないが、魔法陣さえ覚える事ができれば戦いの幅は広がるだろう。

でも、魔法陣を覚えたとしてもどこに魔法陣を出すか頭の中で想像しなければならない。

つまり想像力も必要なのだ。


「こりゃしばらく本格的な修業は無理だぞ」


弱音を吐いてる場合じゃない、あいつ等の為にも強くなるんだ。

そして今日の修業は本を読むだけで終わった。



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