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半分獣の俺が異世界で最強を目指す物語  作者: 福田 ひで
第八章 奪われた道場
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その二十 知識を増やせ

「来ましたよ!ダリ師匠!!」


俺はダリ熟練所の扉を勢いよく開ける。


「来たか。来なかったらどうしようかと思っとったが、来たということは覚悟が決まったという事じゃな」


そこにはお茶を飲んでいるダリ師匠とこちらを睨みつけるサクラがいた。

なぜ俺は睨まれているのだろうか。


「まさか本当に来るなんてね。あんたにそんな根性が合ったこと自体驚きだわ」


相変わらず煽ってくるサクラだが今の俺はそんな軽い言葉じゃ早々怒らない。


「言ってろよサクラ。すぐに強くなってみせるから覚悟してろよ」

「はい、はい。強くなってから言ってよね」


くっ!?落ち着け〜落ち着け俺!

これくらいの煽りで怒ってたらきりないぞ!


「とりあえず修業するにあたって今のお主の実力をしりたい」

「実力ですか?魔法を見せればいいって事ですか?」

「ま、そういう事じゃ。付いてこい」


そう言ってダリ師匠が扉に向かう。

それに合わせてサクラも一緒に扉へ向かう。


「え?何、お前も来んの?」

「何?来ちゃ駄目なの?」

「別にそういう意味じゃ………」

「じゃあ文句言わないで黙って付いてきなさいよ」


そう言ってダリ師匠の後ろに歩いて行った。

サクラと一緒に修行か。


「これは相当きつそうだな」


――――――――――――


ダリ師匠に連れられた俺は目の前にあるものの存在感に圧倒されていた。


「えーっとダリ師匠。これは一体何ですか?」

「何って見りゃ分かるだろ」


いや、見りゃ分かると言われても。

そこには俺の身長を遥かに越えた巨大な岩があった。


「まさかこの岩を壊せってこと……」

「まあそういう事じゃ。今のお主の魔法力を測るためじゃ。壊せとは言わんがそれなりに傷つけてもらわないと、これからの修業は厳しい内容になるじゃろうな」

「わ、分かりました。ぶっ壊してみせます!!」

「あんたに出来んの?」

「ふっ見てろよサクラ。俺だって成長してんだよ」


そう、俺は昔と違うんだ。

ファイヤーとかウォーターも強化されてるはず。

この岩くらい壊せなくても傷つける事は出来るはずだ。


「今のお主が持ってる全ての魔法を順番に撃ってくれ」

「分かりました」


今の俺の魔法全部か。

そういえば魔法許可証を最近確認してないな

新しい魔法を覚えてるかも。

まあでも、慣れ親しんだ魔法を使った方がいいよな。


「それじゃあいきます」


俺は深く深呼吸して、力を溜める。


「ファイヤー!!」


俺はまず最初にファイヤーをかます。


「ウォーター!!アイス!!」


ウォーターとアイスを続けて撃ち込む。


「ファイヤーボール!!」


そして氷で固まった所をファイヤーボールで壊す。


「ウィンド!!」


そして傷が付いたところを風の魔法で広げる。


「よし!!これでどうだ!?」


そして改めて岩を見る。

そこには傷1つない大岩があった。


「ま、まじかよ」

「まあ想像通りじゃな」

「想像通りね」

「くっ!!だぁー!インパクト!!」


俺半分やけくそで岩にインパクトを放った。

そして見事に岩は粉々になった。


「ま、ざっとこんなもんです―――――」

「お主、なんじゃ今の魔法は!?」


そう言ってダリ師匠は俺の肩を興奮気味に掴む。


「そういえばあんた無駄に強い魔法撃ってたわよね。それ何なの?どっからその魔法覚えたのよ」

「覚えたって言うかいつの間にか取得してたんだよ」

「レベル魔法にしても少し強すぎる気がするしのう」

「あ〜それは………」


俺は今の自分の体がどうなってるのかと、インパクトについて説明した。


「あんた、魔力レベル10もあるの」

「まあ魔力だけの魔力レベルだけどな」

「だがそうなると魔力レベルを上げることが出来んのか。早速やりたかったことが1つ消えたのう」

「あんたってよく分からないわね。何でそんな事になってんの?」

「知らないよ。俺だって知りたいくらいだし」


もしかしたらだけど、俺をこの世界に連れてきた奴の仕業感半端ないけどな。

するとダリ師匠は気を取り直して次の話を始める。


「そうなると先ずは基礎知識を叩きつけるしかないようじゃな。それとわしはそのインパクトとやらの魔法はよく分かっとらん。エクストラ魔法など知らんしな。じゃから今後わしの前ではインパクト以外の魔法を使うように」

「ええ!?ちょ、それは流石に……インパクトがあったから生きて来られたとこあるし、これが封印されたら俺、何も出来なくなっちゃいますよ」

「だからこそ修業なんだろ!ほら着いてこんかい」


ダリ師匠は怒鳴り声をあげるとそのまま歩いて行ってしまった。

確かにダリ師匠の言う通りだ、強い魔法ばかりに頼っていたら修行の意味がない。

俺は改めて覚悟を決めてダリ師匠の後を付いていく。

この瞬間俺の修業が始まった。


―――――――――――――

「えっと……ここは図書館?」


目の前の建物から博識ありそうな人が出たり入ったりしている。


「そうじゃ。ここで魔法の知識を育んでもらう。お主は魔法の事については無知に等しいからな。修業の前に知識をつけるぞ」

「つまり勉強しろってことよ。バカだからね」

「分かってるよ。そんなはっきり言わなくていいだろ」


サクラはあざ笑う様に俺を小馬鹿にして、図書館の中に入って行く。

図書館には何度も行こうと思ってたけど行けなかったから良かった。


「よし、先ずは勉強だな」


俺は早速図書館の中に入る。

中に入ってみると、あまり年寄りは居なく、若者がほとんどだ。

そして皆集中して椅子に座り本を読んでいる。

さすが図書館だ。

やっぱり日本と同じで静かな場所だな。

本棚が沢山並べられていて、そこには本がぎっしり詰め込まれていた。

古そうな本から新しそうな本まで色んな本が並べられている。

するとサクラが本棚で何かを引き抜いていた。

何の本読むんだろう?

そう思い、声をかけようとした瞬間いきなり大量の本を持たされる。


「うおっ!?ちょ、ダリ師匠!これは……」

「全部魔法についての本じゃ。これで勉強せい」


それは4、5冊位あるだろう。

しかもどれも分厚いときた。

この量を覚えるとなると、1ヶ月は掛かるような。


「今日の授業はこれを覚える事。全部覚えるまで実戦的練習は無しじゃ」

「は、はい……分かりました」


いきなり無理難題を押し付けられ心が折れそうになるが俺は本をとりあえず机に置き1冊手に取る。


「『誰でも簡単に覚えられる魔法知識』本当に覚えられんのかよ」


俺はとりあえず読んでみようとページをめくる。

魔法と言うのは魔法陣を覚える事によって取得できるようになります。

そして空中に魔法陣を展開させる事によって魔法を放てるようになるのです。

魔法には様々な種類があります。

ここからは一般的に覚える順番でその種類を紹介していきたいと思います。


「へぇ〜魔法ってそんなに種類があるのか」


まず最初に覚えるのが基礎魔法です。

基礎魔法は魔法許可証を持っていれば勝手に覚えている魔法です。

魔法陣を無理に覚えなくてもいいので比較的簡単に使える様になります。

ですが逆に基礎魔法は魔法許可証を取得しなければ使える様にはなりません。

さらに最初の自分の魔力レベル以下の魔法は覚える事ができないので、全ての基礎魔法を必ず取得する事は出来無いのでそこは注意して下さい。


「これがミノルが言ってたやつだな」


次にレベル魔法です。

このレベル魔法は覚えるまでは時間は掛かりますがどれも強力な魔法です。

取得方法は現在の魔力レベルを極限まで使うことです。

例を出すと魔力レベル1の人がその魔力レベル1の状態でずっと魔法を使い続けると極限までそのレベルを鍛えたと見なされ、魔法許可証が光り輝きそのレベルのレベル魔法の魔法陣が出現します。

それを覚える事でレベル魔法を取得できるようになります。

これは1つのレベルをどれだけ鍛えられるのかが重要です。

さらに基礎魔法と同じ様に自分のレベル以下のレベル魔法は覚えられません。

これらの事を踏まえてレベル魔法を取得しましょう。


「レベル魔法か……でも、俺だって結構レベル1の状態で戦って来たけどまだ取得できないって事はかなり取得するのは大変なんだろうな」


そういえば誰かがレベル魔法とか言ってた気がするけど……誰が言ってたんだっけ?


「まあいっか。続き読も」


俺はまたページをめくる。

オリジナル魔法。

オリジナル魔法は自分が自ら作成する魔法です。

この魔法はある程度の知識を持たなければいけないので上級者向けです。

さらに自分の作った魔法は他の人には作れる事が出来無いので自分だけの魔法を作る事が出来ます。

作り方を大まかに説明すると他の魔法陣を組み合わせて、新しい魔法陣を作ります。

そしてその魔法陣を覚える事で使えるようになります。


「なるほどオリジナル魔法は俺にはまだ早そうだな。えっと次は……あれ?何だこれ?」


次のページは何故か破かれていて、無くなっていた。


「何で破かれてんだよ。まだ俺が知りたかった魔法が出てないのに」


エクストラ魔法。

俺がインパクトを取得した的に出た文字だ。

ダリ師匠も知らないと言っていたから調べようと思ってたけど、破かれてるってどういう事だ。


「他の見てみるか」


俺は今読んでいた本を閉じ他の本を手に取る。


「う〜ん、どれもこれも載ってないな」


他の本には魔法陣がたくさん書かれていたり、さっき覚えた基礎魔法の事しか書かれていなかった。


「てことはもしかして俺が初めて見つけたってことか?」


俺はまだ他に魔法の事についての本が無いかと思い席を立ち本棚を見渡した。


「う〜ん………ん?この本って……」


それはずいぶん年季が入っている古い本だった。


「この本だったら載ってるかもしれないな」


俺はすぐにその本を手に取り席に座る。


「えっと……ここらへんはもう知ってるから飛ばして、あ!あった!」


エクストラ魔法について。

よし!書いてあったぞ。

俺は早速その文字を読む。

エクストラ魔法は非常に強力な魔法です。

ですがエクストラ魔法は取得条件が判明しておらず魔法陣も複雑な為、覚えるのも困難な魔法です。

その為エクストラ魔法を覚えようという人は少ないでしょう。


「まじか。じゃあ何で俺はそんな凄い魔法を覚えてんだ?」


結局疑問が残ったまま俺はページをめくる。


「ん?何だこのページ」


そこはほとんど真っ黒に塗りつぶされていて真ん中に白い文字で『ここから先は覚悟を決めた人のみお読みください』と書かれていた。


「覚悟して呼んでくださいか………そんな事書かれると逆に見たくなるのが人間だよな」


俺は覚悟を決めてページをめくる。


『ここから先は覚悟を決めた人のみお読みください』






『禁断の魔法。この魔法は、悪魔に魂を売る事によって発動できる魔法。特殊な魔法陣を地面に描き、その魔法陣の真ん中に立ち。我、悪魔の力を授かりし者。我、悪魔に生贄を捧げる者。我、悪魔と契約を結ぶ者。クルスエンブリオ。と唱えれば悪魔の力を借りる事ができる。この魔法は、何の為にこの力を使うかによって支払う代償は異なる。モンスターを倒す為、魔法使いを倒す為などの願いを持ち、唱えたのならば、代償は腕一本で済むだろう。だが、世界征服など、叶えたい願いが大きければ大きいほど、その代償は高くなる。世界征服クラスの願いを叶える為の代償なら魔力暴走を引き起こし、体は変異し、理性を失い死ぬまで暴れ続ける事になるだろう。そして自分が最も大切に思っている者も死ぬ事になる。もし、この禁断の力に手を染めるのならばそれなりの覚悟は必要だろう』


俺はそれを読み終わると自然と本を閉じていた。

や、やばいものを見てしまった!!

これ、完全にやばいだろ!

いや、間違いなくやばいに決まってる。

それなりの覚悟をして読んだけど、実際読んでみるとそんな生半可な覚悟じゃ駄目だった。


「禁断の魔法か……使う事は一生無いだろうな」

「何が一生無いのよ」

「どぅわっ!?」


俺はびっくりして思わず椅子から転げ落ちる。

剃んな俺をサクラが白い目で見てくる。


「何やってんのよあんた」

「いや、お前が驚かすからだろ」

「あんたがビビり過ぎなのが悪い。そんな事より勉強ちゃんとやってんの?どうせつまんなくなって関係の無い本でも読んでたんでしょ。だから焦ってすっ転んだのね」

「ちげえよ。あれはただ単にびっくりしてだけだ」

「だったらなおさらかっこ悪いわね」


こいつ〜!やっぱりこいつとは馬が合わない!

喋っててもこいつの性格上悪口しか言わないし。

事情は知ってるがそれでもムカつく。

するとサクラがある本を読み始める。


「ん?サクラ、その本って」


するとサクラが持っていた本を脇に抱える。


「何よ。歴史の本だけど何か文句ある」

「歴史の本ってにゃんこ島のか?」

「それ以外何があるのよ。ていうか早く勉強しなさいよ。一応私監視役としてここに居るんだからね」


そういえばにゃんこ島の歴史について色々調べたかったんだよな。

この島は少し変なんだ。

だから歴史を詳しく知ろうとして図書館に行ことしたんだけど中々入れなかったんだっけ。

これは覚えてる内に読んどいたほうがいいよな。


「なあサクラ。その本少し貸してくれないか。すぐ返すから」

「人の話聞いてなかったの?おじいちゃんの宿題も終わってないのに、何サボろうとしてんのよ」

「ほんの一瞬だけでいいから。なっ頼むよ?」


俺は手を合わせて何とか貸してくれるようにお願いした。

するとサクラは1つため息を吐くと俺に本を渡した。


「怒られても私知らないからね」

「ありがとなサクラ!」


俺はすぐにその本を手にとった。

ついににゃんこ島の歴史が分かる。

俺は期待に胸を膨らませページを開いた。



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