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半分獣の俺が異世界で最強を目指す物語  作者: 福田 ひで
第二章 魔法を極めて最強に!!
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その一の参 スライム討伐

「スララララララ」

「おい!ミノル、起きろ!起きろって!」


駄目だ、完全に気絶してる。

やばいな、俺一人だけじゃあの黒いスライムを倒せないぞ。

このまま逃げるって選択肢もあるが、ミノルを抱えて逃げるなんてほぼ無理だろ。

俺があの黒いスライムと戦っても、ミノルの魔法をいとも簡単に避けたあいつに俺の魔法なんてかすりもしないだろ。

ちょっとまてこれってつんでないか?

いや諦めたら駄目だよな、ちゃんと考えれば勝てる方法が……うん、思いつかねぇ。


「スラ!」

「うわ!油断したらいきなり攻撃してくるし、どうすりゃいいんだ」


とりあえず今はあいつから離れよう。

作戦を考えるのはその後だ。


「ミノルちょっと失礼するぞ」


女の人を持ち上げたことが無いからなんか抵抗があるが、今はそんな事言ってる暇はないよな。


「スラ!」


スライムが攻撃体制に入った。


「そうはさせるか!サンダー!」

「スラ!?」


スライムは俺の放った魔法に驚いて後ろに下がった。

今だ!

俺はスライムがこちらを見ていない隙に岩陰に隠れた。

スライムは俺のことを探し回っている。

今のうちに作戦を考えるか。


「だけど作戦って何を考えるんだ?」


とりあえずミノルはここに隠しておけば体を乗っ取られることはないだろう。

だけどあのスライムを倒すにはどう考えても火力が足りないよな。

そもそも魔法を当てられるかどうか。


「そういえば新しく魔法を覚えてないのか?」


俺は久しぶりに魔法許可証を見た。

すると魔法の欄に見たことない魔法が書かれていた。


「ウィンド?もしかして風を出す魔法か」


どれくらいの威力かわからんが多分あまり期待できないだろう。


「これだけしかないのか。これでどうやって勝てって言うんだよ」


そもそも魔法の知識がない俺がどうやってこの状況を乗り切るんだ。


「スラ!スラ!スラ!」


黒いスライムもかなり苛立ってきたようで、壁や地面に何度も体をぶつけて俺を探しているようだ。


「そろそろ限界か」

「スラ!?」


するとミノルが魔法で撒いた水に黒いスライムが滑って何が起きたのかという顔で辺りを見渡している。

水で滑ったってことに気づいてないのか。

普通のスライムよりは知能が高いと言うがそこまででは無いのかも知れない。

ちょっと待てよ、だったらこれでいけるんじゃないか。


「ダメ元だけどやるしかないよな」


俺は作戦を開始するため岩陰からミノルを置いて出た。


「スラ!」

「すまないけどここで死ぬわけにはいかないんだ。この勝負勝たせてもらうぞ」

「スラ!!」

「おっと危ない。残念だけどお前の攻撃はもう慣れたぞ」


さて始めるとするか。

まずは…


「ウオーター!ウオーター!ウオーター!」

「スラ!?スラ!」


俺は洞窟内を水浸しにした。

俺が出す水に黒いスライムは警戒して避けている。

やっぱりあいつには魔法を出していることはわかるが、それが何かまでは分かっていない。


「おいスライム、何びびってんだよ。さっさとかかってこいよ」

「スラ!!ス〜ラー!!」


言葉は分かるのは都合がいいな簡単に挑発に乗るしやっぱり知能はそこまでらしい。

すると黒いスライムがこっちに向かって飛んできた。

だが……


「―――スラ!?」

「思ったとおり滑ったな!」


黒いスライムは魔法に警戒心が高いが魔法以外には警戒が薄い。

だからさっきの水にも滑っていた。


「スラ!」


無理やり突っ込んできたか、でも最初よりもかなり遅い、これならカウンターを食らわせられる。


「かかったな!ファイヤボール!!」


ファイヤボールは俺が考えたファイヤの応用技みたいなものだ。

ファイヤの魔力を溜めて使う事によって出せる魔法だ。

ちなみにこれはホームレス生活で暇な時、溜めれば花火が出来るんじゃないかと思ってたまたま出来た技だ。


「スラ!?――――ッッスラ!!」

「な!?避けたのか」


ほぼ至近距離を避けるなんて反射速度が半端ないな。

でもその対策は既に出来てる。


「避けられた時の対策が出来て無いと思ったのか!ウィンド!!」

「――――スラ!?」


黒いスライムは俺の風に乗って勢い良く壁にぶつかった。

スライムはいきなりの出来事に混乱して立ち止まっていた。

今がチャンスだ。

俺はその一瞬を見逃さず黒いスライムを地面に押し付けてゼロ距離で魔法を放った。


「ファイヤボール!!」


すると黒いスライムが勢い良く飛び散った。

黒いスライムの一部が壁や地面や天井にくっついている。

流石に完全消滅はできなかったがこれで凍らせられる。

俺はありったけの魔力を込めて。


「アイス!」


するとさっき撒いた水とミノルが撒いた水が凍って所々にくっついているスライムを水ごと凍らせた。


「ス…ラ……」


そして全ての黒いスライムが氷漬けになった。


「ふぅ………勝ったぞ〜!!」


やった!まさか勝てるとは思わなかった。

達成感がめちゃくちゃ凄いな。

日本にいた頃はこんな気持ちになったことなかったな。


「んっ……んあ」

「ミノル大丈夫か?」

「だい……じょうぶ……―――はっ!あいつは!」


俺は氷漬けになっている黒いスライムの方を指さした。


「まさか…かつがやったの!?」

「そのまさかだ」

「凄いじゃない!よく倒せたわね」

「まぁな。結構大変だったんだぞ」


今でも足がガクブルだ。


「ごめんなさい。ここは私が頑張んないといけないのに」


そう言うとミノルは申し訳なさそうに顔を俯けた。


「別に謝らなくていいよ。もとはといえば俺が弱いのがいけないんだから」

「んーん、今回はかつのおかげよ。帰ったらなにか奢ってあげようか」


そう言って手の人差し指と親指で円を作った。


「まじで!じゃあ飯が食いたいな」

「分かったわ。私のおすすめの場所に連れてってあげる。その前に……」


ミノルは凍っている黒いスライムに近づいて1つを手に取った。


「持って行くのか?」

「一様新種のスライム出しね。念の為他の凍っているスライムを潰しておきましょうか」

「そうだな。また現れたらやばいしな」


俺達は残りの凍っているスライムを倒して洞窟を後にした。


「かつ、あと魔力どれくらい残ってる」

「そんなこと分かるのか?」

「正確には分からないわ。かつ今どんな気分。例えばだるいとか」

「ん〜そうだな、今はつかれたからすぐ暖かいベッドで寝たいな」

「なるほど。だったらあと10分ぐらいかしら。それまでアイスでこれ冷やしててくれない。溶けちゃうとやばいから」


そうやって魔力の量を図るのか。


「分かった」

「気分が悪くなったらやめていいから」


俺はアイスを出しながら最初に来た場所に戻っていった。


「だいぶ予定が狂ったけど思わぬ収穫もあったから、結果オーライね」

「かなりやばかったけどな。死ぬかと思ったぜ」


まだあの時の興奮が残っている。


「私もそうよ。早く帰って休みましょう」


そう言ってミノルは地面にクエストの紙を置いた。


〘クエスト達成を確認。直ちにテレポートします〙


俺たちは無事クエストを達成して戻ってきた。


「ふ〜戻ってきたわ。早速クエストの報告をしましょうか」


クエストの報告をする為早速受付に向かった。


「すいませ〜ん。クエストの報告に来たんですけど」


俺達のことを見つけた途端受付の人は笑顔で迎えてくれた。


「はい。クエストの報酬金は既に準備してありますよ。お疲れ様でした」

「ありがと、それと新種のモンスターを見つけたんだけど」


そう言うと受付の人はお金を渡す手を辞めこちらを凄いスピードで見てきた。


「本当ですか!何かそのモンスターの一部などは持っていますか」

「もちろん。かつ」

「ほいっ」


俺はミノルに向かって冷やしてた氷の塊を投げ渡した。


「――――っ冷た!何でこんなに冷たいのよ」

「ミノルが冷やせって言ったんだろ」

「えっ?まさかずっと出し続けてたの」

「そうだけど」


何だ何か変なこと言ったか俺?


「………ま、まあいいわ。とりあえずこれがそのモンスターの一部。黒いスライムなんだけどそんなの見たことなくて、これって新種よね」


受付の人がしばらく見たあと驚いたようにこちらを見てきた。


「凄いです!これ多分新種ですよ。詳しいことはここでは分からないので、このモンスターが正式に新種になったらお伝えしますね」

「分かったわ」


受付の人は慎重に氷の塊を机に置いて報酬が入った袋を手渡した。


「それでこれが今回の報酬の5万ガルアです」

「ありがと。かつ、はい5万ガルア貰いなさい」


ミノルは、受け取った袋をそのまま俺に渡してきた。


「えっ?分けなくて良いのか?」

「今回はかつがいたからクリアできたんだしかつが全部貰いなさい」

「まじで!ありがと」


これでしばらく宿代は足りるぞ!


「それじゃあご飯食べに行きましょう」

「ああ、そうだな」


このクエストを経験して俺はこの世界に来て良かったなと心の底から思った。



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