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半分獣の俺が異世界で最強を目指す物語  作者: 福田 ひで
第二章 魔法を極めて最強に!!
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その一の弐 スライム討伐

「よっしゃぁぁぁぁ!スライム討伐するぞー!」

「うるさいわよ!スライムが逃げるでしょ」

「あ、ごめん」


今回のクエスト内容は最近薬草を食べ漁っているスライムの討伐らしい。

理由はいたって単純、薬草はこの薬草の森にしか生えない為沢山食われてしまうと薬草が取れなくなってしまうからだ。

だから討伐して欲しいという事だが、薬草はモンスターにとっても大切な食料なのでスライムを討伐した所で他のモンスターが食いに来るからあまり意味ないらしい。

まあ報酬が貰えればどっちでもいいんだが。


「さあここよ。スライムが食い漁っている場所は」


辺り一体ほとんどの薬草が折れたり半分なくなっていたりと荒らされていた。


「確かに荒らされている形跡があるな。でもスライムの姿は見えないけど………もう帰ったんじゃないか」

「確かにそう見えるけどこれ、見て。この薬草ついさっき食われたものじゃない?多分まだ近くにいるわよ」

「こっちにも食い荒らされた形跡があるぞ」


かなり範囲が広いなてことはスライムは複数いるってことか。


「ほんとね。ちょっと待って、これ洞窟に繋がってるわね。もしかしてここスライムの住処なのかしら?」


まるで誘導されているかのように薬草が点々と洞窟まで置かれていた。


「多分そうじゃないか。残った薬草を住処で食うためにいなくなったって所だな。どうする?乗り込むか」

「そうね、スライム討伐が今回の目標だし。乗り込むわよ!」

「りょーかい」


俺たちはスライムの住処らしき洞窟の中に入っていった。

中はとても暗く朝なのに光がないと進めないほどだった。


「いや〜、バックの中にライトが入ってて良かった。危うくクエスト失敗する所だったな」


早速ケインから貰ったバックが役に立った。


「ていうかかつそのバックいつ買ったのよ。お金無いんじゃなかったの」

「これは俺の命の恩人に貰ったんだよ。頑張って来いって言ってこのバックをくれたんだ」

「なるほどね〜。命の恩人か……良かったわね。その人に会えて」

「ああ俺も良かったよ。あの人に会えて」


そういえば初めてあった時俺に何か言おうとしてたけど何を言おうとしてたんだろう。

聞きそびれちゃったけど、まあまた会った時に聞けばいいか。

するとミノルが突然止まって口に手を当てて静かにとジェスチャーをして来た。

多分近くにいるのだろう。

俺は恐る恐る岩陰から覗いてみた。


「なっ何だこの数!」


ざっと見ても20から30くらいは居るぞ。

流石にこの量は無理だろ。

まだスライム達はこちらに気付いてはいない逃げるなら今のうちだ。

俺は撤退しようと思いミノルの方を見たが、本人はやる気に満ちた目をしている。

マジかよ、本当に戦うのか。


「なあミノル流石にこれは無理じゃないか」

「まあ見てなさい。今から本当の魔法の使い方を見せてあげる」

「本当の魔法の使い方って……おい!ミノル、本当に行くのかよ」


そう言ってミノルは岩陰から飛び出しスライムの集団に突っ込んで行った。

するとスライムは急な侵入者に驚いてパニクっていた。


「まずはヒューズウオーター!」


スライムがパニクっている隙にミノルは手を地面につけた。

そして技名を叫ぶと地面から大量の水が出てきた。

スライム達はその水から逃げようとしたが、量が多くすぐに流されてしまった。


「これでトドメよ。ギガサンダー!」


ミノルは水で濡れた地面に雷の魔法を放った。

ミノルが放った雷はさっき撒いた水を伝って行ってスライムを感電させ気絶させた。

そしてスライムは全員ピクリとも動かなくなった。


「すげぇ………」


ついそんな言葉を漏れてしまうほど、流れるような魔法のコンボだった。

ただ魔法を使うんじゃなくちゃんと考えて使っている。

そうかただ使うんじゃなくてそれを使いこなさなきゃ意味ないってことか。

だとしたら俺の魔法を使いようによっては強くなるんじゃないか。

まあ魔法の知識がなきゃ意味無いか。


「かつ、スライムはみんな気絶したから後はあんたが倒しなさい」

「分かった。ていうかミノルって凄いんだな。あんな魔法の使い方できるなんて」

「別にちょっと考えれば分かるわよ。でもありがと。かつもそのうち出来るようになるわよ」

「まあ頑張るよ」


とりあえずスライムを倒すか。

にしてもやっぱり想像通りぷにぷにだな、ずっと触っていたいくらいだ。

でも一応スライムを倒せって言われてるし倒すしかないか。

スライムを倒そうと魔法を出そうとしたとき洞窟の奥から何か気配を感じた。


「何かいるのか?」


俺は気になって気配のする方に向かった。

すると、黒い色のスライムがこちらを見ていた。


「なっ!スライムまだいたのかよ。しかも色違いってポケ○ンだったら嬉しいが現実だとあまり嬉しくないな」


しかもそのスライムはなにかに取り憑かれたような顔をしていて、目も生気がなく死んでいるみたいで気味が悪い。

色違いでもスライムはスライムだし一応倒すか。

黒いスライムに魔法を放とうとしたときスライムがこちらにゆっくりと近付いてきた。


「なっ何だ?俺と戦おうとしてるのか」


他のスライムは戦おうとせず逃げて行ったのにこいつは他とは色以外になにか違うのか?

すると黒いスライムが近づいてきたかと思うと


「スラ!」


スライムが喋った。


「えっ?今お前――――」


その瞬間黒いスライムが俺に向かって思いっきり突撃してきた。


「うゎっ!危な!急に攻撃してきたな」


ギリギリ避けられたけど他のスライムに比べて速い。


「ミノル!こっちに別のスライムがいるぞ」

「別のスライム?かつ、何言って…うわホントだ黒いスライム何て見たことないわ」

「気を付けろ!そいつ他のスライムより速いぞ」


すると黒いスライムはミノルの方に向かって一直線に突撃してきた。


「速いって―――ちょっ!危ないわね、いきなり突っ込んで来ないでよ」

「ミノル後ろだ!」


すると黒いスライムはそのまま後ろに回り込みまた突撃して来た。


「スラ!」

「くっ―――ちょこまか……動かないで!メテオボール!」


ミノルは黒いスライムに向かって魔法を撃った。

だが……


「スラスラスラスラスラ!」

「なっ!全部避けるなんて、しかもなんか喋ってるし」


しかもちょこまか動いてるし黒いからゴキブリみたいだな。


「ミノル大丈夫か」

「私は大丈夫。かつあのスライムやばいわ。あんな色のスライム見たことない」

「ミノルも知らないのか」


今回は簡単に終わると思ったら面倒くさい展開になってきたな。


「しかも言葉も話すなんてこれ相当強いわよ」

「何で言葉を話すと強いんだ?ていうかこれ言葉なのか」


明らかにスラとしか言ってないが。


「モンスターは知性の有るやつと無いやつがいるの。知性の無いモンスターは本能に従って戦うだけ、逆に知性のあるモンスターは自分の頭を使って戦うの。スライムは喋るどころか鳴くこともできないから、知らないやつが来たら逃げることしかできない。本当は強いモンスターのはずなのに」

「そうなのか」


どう考えても強そうには見えないが。


「スライムは固体じゃないの。だから物理攻撃は効かない。まあ私達は魔法を使うからいいけど問題はそこじゃないの」

「スラ!」


空気の読めない黒いスライムは話の途中で突撃してきた。


「うわっ!危な、問題ってなんだよ」

「スライムは体を持たないの。だから魔法で倒しても完全に消滅させなきゃバラバラになったスライムはくっつけあってまた再生する。しかも隙間があれば何処にでも入れるの。だから人間の体にも入れてしまうって事」


なんだそれ気持ち悪!

考えただけでゾッとするな。


「スララ!」

「よっと!それってもしかして……」

「そうスライムは体を乗っ取る事ができるってこと。しかも人間だけじゃなくモンスターも」

「うわ!なんか気持ち悪くなってきた」


その話を聞いたせいでさっきより余計気持ち悪くなったな。


「だけどスライムは知性が無いからそれを知らない。けどあのスライムは違う。喋るってことは知性があるってこと。多分このことも理解してると思う。完全にスライムの上位互換よ」

「マジかよ。だったら油断してると体の中に入られるってことか」

「そういう事。かつひとまず逃げましょう。まだ目撃されてないモンスターは戦わず、魔法協会に報告するのが得策よ」


確かにそれが一番いいのだろう。

だが……


「スラ!」

「そうはいたって―――こいつずっと攻撃してきて逃げる隙がないぞ」


しかもなんか俺ばっか狙ってくるし。


「任せてテレポート使うから」

「ミノル使えるのかよ。だったら行く時テレポート使えばいいのに」

「無駄な魔力は消費したくないのよ。いいから捕まっていくわよ。テレポ――――――」


するとスライムがこちらの魔法に気付き、魔法を止めるため地面に思いっきり体当たりする。


「どぅわ!?何だ!?」


すると衝撃で洞窟が思いっきり揺れて俺達はバランスを崩した。


「しまっ――――――」


その隙を見逃さなかった黒いスライムはミノルに思いっきり突撃した。


「っっ―――――!!」


ミノルはお腹にもろに食らってしまい壁に思いっきり叩きつけられた。


「ミノル!!」


俺は急いでミノルのもとに向かった。

息はちゃんとある、気絶しただけか。


「スララララ」


黒いスライムはこちら見て不敵な笑みを浮かべていた。

俺は目の前のスライムを甘く見ていた。

こいつはとんでもない化け物だと確信した。



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