その五 家を選ぼう
只今俺達が住む家を選んでいるが………
「妾は変形合体ロボXで良いぞ」
「私は天空に浮かぶ城で言いわよ」
「僕はモンスターの研究に使われ今もその実験体が居る家で良いですよ」
このように現在難航中である。
「お前らさー、真面目に選ぶ気あんのか?」
流石の俺も皆のやる気の無さに自分自身やる気を失ってしまう。
「何言ってんのふざけてるわけ無いでしょ。本気よ」
「それはそれで困るんだよ。ていうかそんな普通じゃない家じゃ無くて、もっと普通の家にしよう!ほら、これとかどうだ?」
俺は生活必需品もちゃんと揃っていて、変なところにも建ってなく、家事態もシンプルな作りの家を指さした。
「うわっ、つまんな。そんなんだからつまんない男と言われモテないんじゃ」
「デビさん言い過ぎですよ。かつさんは普通の人なのでしょうがないですよ。普通ですから」
「まあ出会った時から変わらないってことも良いことだけどね」
「え?何お前ら俺のこと嫌いなの?」
するとミノルが家のカタログを持つ。
「私達も少し欲張りすぎたわね。ごめんなさい」
「ミノル……」
「それじゃあ皆の意見を参考にして選んだ結果……海底に沈む家、ポセイドンにしま――――」
その瞬間デビがミノルの胸元を掴む。
「何自分の希望だけ通そうとしてるのじゃ!皆の意見って、完全にお主の住みたいところだけじゃろ!」
「何!?別にいいじゃない!皆が決めないのが悪いんでしょ」
「何開き直っているのじゃ!自分の悪さを認めない愚か者にはこうしてやる!!」
そう言って取っ組み合いを始めてしまった。
こいつらはまったく……
「かつさん賑やかですね」
「俺はどうでもいいから早く決めて欲しい」
ミノルとデビが取っ組み合ってる中、俺は放り投げられたカタログをひろう。
「お前らに渡した俺が馬鹿だった。ここは俺がささっと決めてやるよ」
俺はカタログをペラペラとめくり良さそうな家を探す。
「おっこれなんかどうだ?魔法協会から近い所に建ってて日当たりも最高だ。まあ隣人がうるさいおじさんなのが難点だけど」
「変形しないから駄目じゃ!」
「陸にあるからだめ!」
取っ組み合いを終えたミノル達がこちらに文句を言い出した。
「お前らが求める物はハードルが高すぎるんだよ」
「何を言っておる!妾は強い!だからすごい!つまりそういうことじゃ!」
「おーい誰かこいつの言葉を翻訳してくれー」
何も決まらず既に3時間が経過していた。
だが3時間経った今もまだ終わる気配がしない。
「ちょっと早く終わらせないと、このままじゃ明日になっちゃうわよ」
「分かってるよ。だからこそ誰かが妥協するしかないだろ」
ていうかほぼ全部なんだけどな。
「だったら妾の変形は残しとくべきじゃろ」
「変形なんてする意味無いわよ。私の天空は残すべきよね」
「ちょっと待つのじゃ!天空残すなら変形も残すべきじゃろ!ていうか天空いらないじゃろ!」
「ちょっと!だったら変形が1番いらないでしょ!」
「何だと!」
「何よ!」
そして再び懲りずに取っ組み合いを始めた。
「お前ら学習しろよ。ていうかどっちも無理だから」
「ということは僕の刺激は採用という事で」
「何で採用されると思ったんだよ。お前のがある意味1番駄目だ」
相変わらず喧嘩しているミノルとデビ、そしてそれを面白そうに見守るリドル、これは完全に俺しかまともな奴いないな。
「たく、どいつもこいつも俺しかやる奴いないじゃねえかよ」
さて、どれにするか。
適当に選ぶとまたあいつらに文句言われるから出来るだけあいつらの条件にあった奴を……
「ほれ、これなんてどうだ」
俺の言葉に皆の視線がカタログに集まる。
「天の空谷1丁目の屋敷だ。普通ならかなり入手は難しいが近くにモンスターの巣があって鳴き声や雄叫びが聞こえるそうだ。そのおかげでだいぶ入手は簡単になってる。これでお前らの条件は全部クリアしてるだろ」
「妾の変形は?」
「リュックがテントに変形できる物が置いてあるらしい」
「私の天空は?」
「天の空谷、略して天空だ」
「僕の刺激は?」
「近くにモンスターの巣があるだけで十分だろ」
すると皆一斉にうなだれてしまった。
「妾の変形はリュックなのか………」
「何言ってんのよデビちゃん。こっちは略されてんのよ」
「いやいや、お前ら俺結構頑張ったぞ!よくやったぞ。自分で言うのも何だけど」
するとミノルがうなだれるのをやめシャキッと立ち上がる。
「くよくよしててもしょうがないわよね!私達の家なんだし喜びましょ!」
「そうですね。ここは悲しむのでは無く喜ぶ所ですよね」
「まあ、お主にしてはよくやった方か。褒めてつかわす」
「相変わらず偉そうだな。とりあえずルルさんにこれ提出してくるぞ」
俺は早速ルルに家の提出をした。
「あ、かつさんやっ――――慎重に選ばれたんですね」
「今やっとって言いかけませんでしたか?」
「いえいえそんなこと無いですよ」
笑顔が俺的にはまだ恐怖を感じてしまう。
「すいません。何かすいません。この家に住みたいんですけど」
「何で謝るんですか?これでしたらこのクエストをクリアで住めますよ」
そう言ってクエストを渡してくる。
「巨大モグラ、モグリンの討伐?これって難しいのか?」
「かつさん達のレベルなら問題ないと思いますよ」
俺達のレベルならか。
それは普通に行けばの話なんだろうな。
「これはまた苦労しそうだな」
俺は不安を抱えながら皆の元に帰って行った。




