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半分獣の俺が異世界で最強を目指す物語  作者: 福田 ひで
第七章 結成!問題児だらけのパーティー
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その四 洞窟からの脱出

「ぎゃああああ!!モンスターだぁぁぁ!!!」


で、デカ過ぎる!

洞窟にすっぽり収まってしまうほどのデカさだ!


「あれは鉱物を主食とするモンスター、ヌメルンですね。その食った鉱物を体の中で結晶にして体に生やしてるモンスターです!」

「これはまずい!逃げるぞ!!」


俺はリュックを背負いその場を離れる。


「待つのじゃ!置いていくな!」


だがデビは未だに宝物を持ち運ぼうとしてる。


「何やってんだお前!?早く逃げるぞ!」

「これだけ!これだけでも持っていきたいのじゃ!」


そう言ってまだ回収できてない、宝物を両手に抱える。

まさかあいつあれ全部持っていく気なのか。


「バカ!そんなもん持って逃げれるわけ無いだろ!置いて行け!!」

「何言っておるのじゃ!これ1つで何10万、何100万になると思っておるのじゃ!妾はこれを持って帰って魔法協会で死ぬ程食べるのじゃ!」

「お前の頭の中は食べ物で一杯か!?いいから来い!」


その時ヌメルンが体に生えている結晶をデビに向かって飛ばして来た。


「デビちゃん、危ない!!プリズンフリーズ!!」


間一髪ミノルの魔法によって結晶が凍り付きその場で落ちる。


「デビちゃん行くわよ!」

「おわっ!?」


その隙を見てすぐさまミノルがデビを抱える。


「でかした!よし!脱出だ!」

「ヌメェェェェェェ!!」


するとモンスターが怒ったのか雄叫びをあげる。


「何か怒ってない!?すっごい怒ってない!?」


その瞬間雄叫びと共にこちらに向かって来た。


「きゃぁぁぁぁぁ!!こっち来てるわよ!!」

「おお……凄いのう!体中様々な色の結晶で覆われておるぞ!!先程穴だらけだった洞窟の箇所も鉱物を食ってできたのかもしれんな!」

「何のんきに分析してんだお前は!」


モンスターは体がデカイせいで洞窟を破壊しながら追いかけて来る。

それによって落ちてくる岩の破片が当たりそうになり余計に走りにくい。


「やばい!!洞窟が崩れちまう!おい、ミノル!テレポートしてくれ!!」

「こんな状態でできるわけ無いでしょ!テレポートって集中しないと出来ないんだから!」


テレポートも出来ないのかよ!

ヌメルンは相変わらず怒った様子で追いかけて来る。


「あいつ何に怒ってるんだ!?」

「そういえばヌメルンは大食いだとも聞いたことがあります。その為主食を盗むやつは返すまで追いかけ続けるそうです」

「え!?それって金銀財宝もってことか!」

「そういう事ですね」


てことはリュックに入れた金銀財宝を手放すしかないが、一々取り出してる暇なんてない。

このリュックごと捨てるしか………

でもこれはケインから貰った大切な物だし。


「かつ!もう限界!!」

「妾も地味にミノルの手が腹に食い込んで……」

「かつさん!どうしますか!」


これ以上はもう限界だ。

すまん、ケイン俺は…………


「クソッタレが!!!持ってけヌメルンー!!!」


俺は背中に背負っているリュックをヌメルンに向かってぶん投げた。


「ヌメェェェ!!」


ヌメルンはまるでボールを追いかける犬の様に俺がぶん投げたリュックを追いかける。


「よし!今の内だ!出口に向かうぞ!!」

「かつ、でも………」

「いいんだ。命には変えられないからな」


ケインごめん。

そう心の中で懺悔しながら俺達は洞窟を脱出した。


「はあ……はあ……疲れた………」

「今回はだいぶやばかったわね………」

「吐くかと思った………お腹がすごい痛い………」

「とりあえず洞窟の調査は完了って事でいいですよね」


リドルは疲れている俺達とは違い息切れどころか汗1つかかず涼しい顔をしていた。


「何でお前……疲れてないんだよ」

「あ、それは僕、風の魔法で進んでたので自分自身走ってないんですよ」

「は?」


突然の告白に開いた口が塞がらない。


「おま、1人だけラクしてたってことか?」

「かつさん、言い方悪いですよ。僕は僕の出来る事をしただけですから」


何か、めちゃくちゃムカつくな。


「とりあえず、もうクエストはクリアしたんだから帰りましょ」


ミノルはクエストの紙を地面に置いた。

そして、機械音が脳に語りかけて来て、俺達はテレポートをした。


――――――――――

「お疲れ様でした。かつさん」


営業スマイルでルルが出迎える。


「ルルさんやって来ましたよ。バッチリ調査してきました」


俺がルルの元に向かうと一瞬何かをルルが隠した様に見えた。

今のって……


「それではかつさんクエストの紙を渡してもらえないでしょうか?」

「え?あ、はい!」


俺は言われた通りクエストの紙を渡した。

それを受け取ったルルは内容を確認してうなずく。


「はい、クエストの完了を確認しました。それでは早速デビさんの魔法許可証を作らせて頂きます」

「それじゃあデビちゃん行ってらっしゃい」

「待っておるのじゃぞ!」


俺達はデビが来るまで座って待っていた。


「そういえばパーティーを作ると家が貰えますけど、どういう家にするんですか?」


パーティーの説明の時にそんなことを言ってたな。


「俺は普通に住めれば何でもいいけどな」

「私はせっかく貰えるんだから大きめの家がいいわ。屋敷とか」

「僕もかつさんと同様生活必需品さえ揃ってれば何でもいいです」


人によって欲しい物が違ったりするけど案外分かれないな。

まあ、でも実際選ぶってなるとこんなすんなり行かないんだろうな。


「かつー!終わったぞ!!」


そう言って、デビがこちらに駆け寄って来た。

手に魔法許可証を持って。


「おー終わったのか。それじゃあ早速パーティーメンバーカード作りに行こうぜ」

「その前に最後に確認したい事があるの」


ミノルが神妙な面持ち俺達を見る。


「どうしたんだよ?」

「皆は本当に私達のパーティーメンバーになっても良いの?」


その言葉を聞いてリドルとデビが顔を合わせる。


「今更何言ってるんですか」

「妾はすでに仲間じゃ!だからそんな事いちいち気にするでない」

「みんな………」


ミノルは嬉しそうにを笑顔を見せると2人に抱きつく。


「ありがとう………」


色々あったけど何だかんだ言って俺は今の生活が1番幸せだ。

目の前の光景を見てそうしみじみ考える。


「よし!それじゃあ行くか!」


もし、日本でもこんなふうに友達が出来たら俺は一体どうなっていたのだろう。

そんな事をふと考えてしまう。


「はい、これで皆さんは正式なパーティーです!これから皆さんは協力してクエストをクリアしてくださいね」

「はい、ありがとうございます」


俺達はルルからパーティーメンバーカードを受け取った。


「おお!ピカピカじゃ!まるで油で上げたポテトみたいじゃ!」

「お前もっといい例えあっただろ」

「とりあえずこれで私達は正式なパーティーになったわけだし、これからは結束を高めあっていきましょう!」


ミノルが何か凄く盛り上がっているが、このメンツで結束を高められるのだろうか。


「あれ?何で皆そんな微妙な表情なの?」

「妾は暑苦しいルールには縛られる気はないぞ!」

「僕は出来るだけ協力しますよ。デビさんは無理ですが」

「おい、無理ってどういうことじゃ!ちゃんと説明せい!」


案の定口論になった。


「ま、これが俺達らしいだろ」

「そうね。これが私達よね」


俺達は今日この日色んな事がありながらも無事パーティーになった。

ただ1つ気になることがあった。

それは……ルルが何故かデビが写った写真を持っていたということだ。



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