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半分獣の俺が異世界で最強を目指す物語  作者: 福田 ひで
第七章 結成!問題児だらけのパーティー
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その三 洞窟の秘密

「ここが例の洞窟か………」


森の中にポツンと大きな穴を開けて旅人を待ち構える洞窟。

中は真っ暗でライトが無ければ進めないほどだ。


「ささっとクリアして早く妾の魔法許可証とやらを作るぞ!」

「まあちょっと待て。今回のクエストの内容は洞窟の調査だ。その為洞窟の中で見つけた物は全部俺達が頂いてもいいそうだ」

「ゆっくりと周りをよく見ながらクリアして限界まで探してから妾の魔法許可証とやらを作るぞ!」


こいつ変わり身早いな。


「とりあえず早く調査しに行きましょう。かつ魔法電灯貸して」

「はいよ」


俺はリュックから魔法電灯を人数分取り出した。

この魔法電灯は魔力を入れる事で使えるようになる。

魔石でも可能だ。


「それでは早速中に行きましょうか」

「ああ!調査開始だ!」


こういう場所は何が来るのかというドキドキなどがあり胸が高鳴る。

洞窟の中に入って行くと早速魔法電灯を使う。

魔法電灯は魔力で動いてるのもあって明かりが強く、真っ暗な洞窟でも安全に進むことが出来る。


「不気味ですね。何か出てきそうです」

「そう簡単に出てくるわけ無いでしょ。それよりもっと周りに気を配りなさい。何処にお宝があるのか分からないんだから」


ミノルは張り切って辺りを照らし何処かに宝が無いか探している。


「にしてもこの洞窟どうなってんだ?結構奥まであるんだな」


予想してたより実際に行ってみるとだいぶ大きな洞窟だ。


「何言っておるのじゃ。ただ歩いてる訳じゃないだろうな。お主もちゃんと見るのじゃ」


そう言ってチョロチョロと洞窟内を動き回る。

こんなところでよく歩き回れるな。


「おい、あんまり勝手に動くなよ。崩れるかもしれないだろう」


魔法電灯で照らして分かったことだが所々壁や地面に大きな穴が開いている。


「大丈夫だと思いますよ。多分」

「多分かよ。まあ大丈夫ならそれでいいんだけど」


すると何やら奥でモンスターの様な唸り声が聞こえる。


「今の声は!?やっぱり居たのか」


声からして1匹じゃないな。

まあでもこの人数なら何とか対処できるだろう。


「何か奥にいっぱいモンスターがいるようじゃな。よし、妾に任せておけ!」


そんな事を言ってデビが張り切って魔法を撃つ構えをする。


「は?ちょっと待てお前何しようとしてんだ」

「天地に轟け黒き稲妻よ!喰らうがいい!妾の最強の魔法デビルオンインパクト!!」

「おい!人の話を聞け!!おわっ!?」


その瞬間物凄い轟音が洞窟中に響き渡った。


「ふースッキリした!」

「やってくれたなデビ!何でこんな狭い洞窟内で発射してんだよ!」


その時洞窟が再び大きく揺れる。


「ちょ、何?何なの?」

「かつさん、かつさん。あれ見てください」


リドルが俺の肩を叩き後ろの方を指差す。


「何だよ。ん!?あれってもしかして………」

「岩ですね」


転がって来る岩を見て俺達は顔を見合わせる。


「「「「…………ぎゃああああ!!」」」」


その瞬間、叫び声を上げ俺達は一斉に走り出した。


「ちょ、どーすんだよこれ!何で岩が転がってきてんだよ!」

「さっきのデビちゃんの魔法で崩れて落ちてきたのよ!」

「妾の魔法が洞窟を変えてしまったようじゃな」

「お前全然すごくないから!ただ単に洞窟崩しただけだから!」


くそ!どうすればいいんだ、このまま走り続けるのもきついぞ!


「かつさん、顔が苦しそうですよ。デビさんおんぶしますか?」

「おい意味わかんないから。何で苦しそうなの分かっておんぶ勧めるんだよ」

「妾はいつでも良いぞ!さあおんぶするのじゃ!!」

「お前はもうちょっと自重しろ!」

「かつ!そんな事してないでもうすぐそこまで来てるわよ!」


ミノルの言う通り岩はもうすぐそこまで来てしまっていた。

すると目の前に壁が立ちはだかる。


「ちょっとかつ!行き止まりよ!」


ミノルの言う通りソコは終着点でありこれ以上道はなかった。

このままではペチャンコにされてしまうと思った時、横の壁に穴が空いているのが見えた。


「横の壁だ!1、2の3で中に入るぞ!」

「分かりました」

「分かりませんでした」

「おい、デビ、お前だけ後ろに蹴飛ばしてやろうか」

「すっごく分かりました!」


目の前の壁まであと数秒で激突してしまう。


「それじゃあ行くぞ!1、2の3!」


その掛け声と共に俺達は横の壁に飛び込む。

そしてそのまま岩は壁に激突し、その衝撃が洞窟に響き渡った。

思いっきり穴の中に入ったことで腕を強打してしまった。


「痛ってぇ……おーい!みんな大丈夫か」

「僕は大丈夫です」

「私もー」

「妾は疲れた」

「よし!みんな大丈夫そうだな」


俺は岩がぶつかった壁の方を見た。

地面には激突した時の衝撃で砕けた岩の一部が転がっている。

だがそれよりも俺は別の所を見ていた。


「なあミノル。あれって………」


そこは先程何も無い行き止まりだったはずの場所に壁が壊れて道ができていた。


「隠されてた道ってこと?」

「多分な。まさかこんな事があるなんて、奇跡ってのは起こるもんなんだな」

「何を言っておる。これは妾の作戦の内だぞ!」

「飯抜きにされたく無かったらちょっと黙ってろ」


にしても少し新しく出来た道は明るいな。

人工的に作られたのか?


「とりあえず行くしかありませんね。今回は調査ということですし」

「そうだな、見つけたからには行くしかないな。よし、行くぞ!」


先程の道よりは少し明るい。

何故かさっきまで無かった結晶みたいな物が発光しているからかも知れない。

まあ真っ暗から薄暗いに変わった程度だけど。


「ん?かつさん、あれ見てください!」


リドルが指さした方向には金銀財宝が山のように積み上げられていた。

それを見て思わず俺は目を丸くして声をあげてしまう。


「うわっ!?マジかよ!本当にあった」

「かつ!やったわ!これで借金全部返せるじゃない」

「借金?あ!そう言えばそんなもんあったな」

「え?まさかかつ忘れてたの?」


突然の発言にミノルの目が丸くなる。


「いや、忘れてないよ」

「すっごい怪しいんだけどね」

「すごいぞ!金銀財宝じゃ!」


デビはいつの間にか財宝の山に埋もれていた。

気持ちはわからなくもない。


「お前早すぎだろ」


まあでもこれ全部持っていけるってことだよな。

そう思うとかなりこれ運が良かったんじゃないのか!?


「よし!さっさと持って帰るぞ!ほら、リュックに詰めろ!」


俺達は急いで宝物をリュックに詰める。


「かつさん、これの分け前はどうするんですか?」

「そんなもん後だ。まずはここから出ることを考えろ」

「何言っておる。後は帰るだけなのじゃから大丈夫に決まっておろう」

「おい、フラグになるような事を言うなよ」


その時再び洞窟が揺れだす。


「お、おわ!?何じゃ!」

「ほら、やっぱり何かあった!」


すると後ろから体中に結晶が生えている巨大なトカゲ型のモンスターが現れた。



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