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半分獣の俺が異世界で最強を目指す物語  作者: 福田 ひで
第七章 結成!問題児だらけのパーティー
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その二 女の本性

「それじゃあ早速魔法協会に行って手続きしようぜ」

「そうですね。早速行きましょう」


俺が魔法協会に行こうとするが1人いや、2人がその場で動かないでいる。


「おい、何やってんだよ。早く魔法協会行こうぜ」

「え、えっと……それは……ね?」


するとミノルが言いにくそうにしている。


「何なんだよ。理由があるなら早く言えよ」

「そうじゃ、そうじゃ、早く理由とやらを言うのじゃ」

「え、ちょデビちゃん!?私デビちゃんのこと言ってるんだけど!」


ミノルは驚いた様にデビを指差す。


「おい、デビお前の事だぞ」

「何!?妾の事なのか?」


デビ自身いまいちピンときてない様子だ。


「デビは分かってないみたいだし、ミノルから言っちゃえよ」


何故デビ自身が覚えてないのかはよく分からない。

こいつから話を聞き出そうとすれば何時間かかるか分からないので素直にミノルに聞く方が早い。


「それもそうね。それじゃあ言うけどデビちゃん、実は魔法許可証を持ってないのよ!」

「「「な、何だってぇ〜!?」」」

「て、何でデビまで驚いてんだよ」

「何となくじゃ」


こいつは相変わらずだな。


「そんな事より魔法許可証が無いってマジかよ。今までどうやって魔法使ってたんだよ」

「妾の魔法は受け継がれて来たものなのだ。だから妾は最強なのじゃ!」

「ちょっと何言ってるか分かんない」

「何おう!」


デビは怒ったのか俺の腹をポカポカ殴る。

まあ痛くないんだけど。


「とりあえずまず、デビちゃんの魔法許可証を発行してもらいましょう」

「そうだな。じゃあその目的で魔法協会に行くか」

「ちょっと待てお主ら。もしかして魔法協会に言って許可証を発行しに行くつもりか?」


デビが何故か不機嫌そうに質問してくる。


「何だよ。嫌なのか?」

「質疑応答が無ければ受けてやっても良いぞ」

「だから何でそんなに偉そうなんだよ。ていうかなんで質疑応答が嫌なんだ?」

「変なことしてないのに疑われるのは嫌なのじゃ」


こいつ、妙なプライド持ってるよな。

まあ性格からしてプライド持ってそうだけど。


「まあその事に関しては私からも言っておくわ。早速魔法協会に向かいましょう」

「うう……絶対じゃぞ!」


ブツブツ文句を言ってるデビと共に俺達は魔法協会に向かった。


―――――――――

「なあ受付のねぇちゃん!俺と遊ぼうぜ!」

「ごめんなさい、私仕事があるので」


魔法協会の中に入ると酒に酔った男が受付のルルにちょっかいを出していた。


「あれ、ルルだよな。何か絡まれてないか?」

「確かに絡まれてるわね。可哀想に」


ミノルが、哀れみの表情で見つめる。

だがそれだけで特にルルの所に行こうとはしなかった。


「助けに行かないのか?」

「大丈夫よ。ルルだし」


そんなんでいいのか?

でも、ルルすっごく嫌がってるしやっぱり助けに行った方がいいよな。

それに助けに入ればお礼としていいクエストを提供してくれるかもしれない。

よし!それで行こう。

俺はルルの所に向かおうとした瞬間肩を誰かに掴まれる。


「やめとけ。地獄を見るだけだぞ」


そう言ったのはここの従業員のウルフだ。


「ウルフ!?それどういう意味だ?」

「まあ、見れば分かる」


そう言ってウルフは黙ってルルの方を見る。

一体どういうことなのだろうか。

だがここまで大丈夫と言われるからには何か理由があるのだろう。

俺はウルフに言われた通りにことの成り行きを見守ることにした。


「なあ姉ちゃんいいだろ?どうせ暇なんだろ?遊ぼうぜ!」

「暇じゃありませんよ。それより酒臭いんで離れてくれませんか?」

「何言ってんだよ。どうせ彼氏も居ないんだろ?もう30近いんだし遊んだって――――」

「今何つった?」

「え?」


するとルルの雰囲気が突然変わった。

先程までの作り笑いが嘘のように消えて、般若のような顔で酔っぱらいを睨み付けている。

これはまずい。


「あーそうですよ!私は彼氏いませんよ!!だから何だよ!お前だっていないだろ!!彼女も居ない遊び人が生意気な口聞いてんじゃねぇーよ!!女口説く前にまずマナーから学んで来いこのクソ野郎が!!あと私30じゃないから!29だから!覚えてけ!」

「は、はい………」

「失せろ、害!虫!」

「ひ、ひぃ!?」


男は恐縮してしまいその場を叫び声を上げながら立ち去って行った。

女こえー。


「ルルずっと仕事しかして無いから、恋愛とかした事ねぇんだよ。だからああいう彼氏とか居ないとか言うと今までのストレスが一気に爆発してああなっちまうんだよ」

「な、なるほど……よく覚えておくよ」

「妾は一体何を見てしまったのじゃ……」


ルルの威圧に負けたのか体を震わせながらその場でうずくまる。

子供には少し厳しすぎたか。

というか俺もトラウマになりそうなんだが。


「あ、皆さん!」

「っ!?」


ルルに声をかけられてしまい、体が一瞬ビクってなってしまった。

まずい本能的にルルを恐れてしまったようだ。


「あ、えっと、ルルさんひ、久しぶり」


ぎこちない笑顔で俺はルルに挨拶する。

正直これが精一杯の笑顔だ。


「お久しぶりです。どうしたんです?表情が少し硬いですが……」

「え?全然何でもないよ!ていうかあれだよ!久しぶりで緊張しちゃって」

「ふふ、かつさん何か可愛いですね」


可愛くて食べちゃいたいという意味なのか!?

俺は美味しく頂かれちゃうのか!?

やばい、偏見が過ぎるな一旦落ち着こう。


「えっと、今日はちょっと頼みがあってきたんだよ。な!」


俺はすぐに話題を変えてミノルの方に助け船を出す。


「え?ああそうね。ルルちょっとこの子の魔法許可証を発行してほしいんだけど」


デビの方を向くと怯えてしまい丸くなっている。

気持ちはわからなくもない。


「殺されたくない、殺されたくない、殺されたくない、殺されたくない」


まるで呪文でも呟いてるかのように何度も同じ言葉を言う。


「あの、その子どうしたんですか?」

「デビ気持ちは分かるが諦めろ。じゃなきゃパーティーメンバーになれないぞ」


俺はデビを無理矢理立たせた。

すると何かを諦めたのかその表情は悟りを開いたようにゆっくりと目をつぶって体を預ける。


「お手柔らかにお願いします」

「あの、私に一体何されると思ってるの?」


このままだと話が進まないので、俺はここに何故来たのかを説明した。


「それは別に構いませんが質疑応答はしっかりして頂かないとこちらも規則なので」

「そうなのか?俺の時はかなり適当だったぞ」

「わ!?バカ!その事は言うなよ」

「ウルフ、また適当に済ませたのね。そう言えば、その時の記録まだ残ってるからあとでちゃんと調べとくわ」


何か余計なこと言っちゃったかな?

ウルフの視線が痛いがまあ気にしないでおこう。


「うーんそうですねぇ……あ、こういうのはどうでしょう。最近新しい洞窟の調査依頼がありまして、ちょうど人を探していたんです。このクエストを達成できたら質疑応答無しで魔法許可証を発行しますよ」

「本当ですか?それは嘘ではありませんね」


そう言ってリドルがルルに詰め寄る。


「え?あ、はい。あの……かつさんの新しいお仲間ですか?」


困惑の表情浮かべながらリドルを見る。

そう言えば自己紹介してなかったな。


「失礼。申し遅れました。僕はリドルと言います。よろしくお願いします」

「この放心状態のこいつはデビだ」

「デビさんとリドルさんですね。よろしくお願いします。それでは早速こちらのクエストを渡しておきますね」


そう言って、洞窟の調査クエストを受け取る。


「よし!それじゃあ早速行くか!」


俺達はクエストを開始した!



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