エピローグ 扉の向こう
「あいつらはもう帰ったか?」
「ええ、先程帰られました」
俺は未だにソファーに眠っているラミアを見る。
「気持ち良さそうに寝てるな」
「はい、そうですね。まるでガルア様みたいです」
「み、ミレイ?お前何言ってんだ?」
「何でもありません」
澄ました顔でミレイは再びラミアを見る。
ミレイはたまに変な事言うんだよなぁ。
すると扉が2回ノックする音が聞こえる。
「入っていいぞ!」
俺が返事をすると扉が開く。
「失礼します。例の扉の修理が終了しました」
「そうか、ご苦労だったな。ミレイ、ラミアを頼む」
「はい、任せてください」
俺はミレイにラミアを任せシニアと共に扉の所まで向かった。
「それでかつにはどれくらいまで見られたんだよ」
「部屋の中に入っただけですので、大丈夫です」
「全然大丈夫じゃないけどな。まあ俺も少し認識が甘かったからおあいこだ」
階段を登り終え、修理したばかりの部屋の中に入る。
「中は大丈夫そうだな。所々暴れたせいか傷ついてる場所があるけど、まっ大丈夫だろ」
「いえいえ、そこらへんはちゃんとした方がよろしいかと。丁度カメラもありますし、ミレイを撮影する許可を」
そんな事を真面目な顔で申し出る。
「お前の事はまだ少し疑ってるからな。許可する事はできないぞ」
「それでは個人で解決します」
「だからお前は信用が得られないんだよ」
俺は部屋の奥に進み、目の前の棚で立ち止まる。
「よし、動かすか」
俺は棚を両手でしっかりと押して移動させる。
重いせいで床に擦れたあとが残ってしまう。
バレないようにする為かなり重くしてしまったのはやりすぎたかも知れない。
棚を退かして出てきたのは1つの鉄の扉だった。
「見た所外傷はなさそうだな」
俺はポケットに閉まっていたエンブレムを取り出し、鉄の扉の横にあるくぼみにはめた。
〘解析中……解析中……解析終了。ロック解除します〙
重い鉄の扉がゆっくりと開く。
そこは古臭いカビの匂いはしない。
ちゃんと掃除をしてる訳でもないのにこの匂いがしないのはこの街には無い技術だろう。
「じゃ、早速確認しに行くか」
俺はその中に入って行った。
後ろで扉が動く音が聞こえてきて、ガンっと言う音と共に扉が閉まった。
 




