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半分獣の俺が異世界で最強を目指す物語  作者: 福田 ひで
第六章 ガルア様と黒の魔法使い
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その二十ニ 部屋の中の秘密

その時扉がこじ開けられたような音がした。


「かつ様、一体ここで何をされてらっしゃるのですか?」


扉を壊したのはガルアでは無く、俺を宿屋に置き去りにしたシニアだった。


「シニアさん………これどういう事だよ!」

「気付いてしまいましたか。かつ様」

「ああ……この部屋………何でミレイの写真ばっかり飾ってんだよ!?」


そこには壁中にミレイの隠し撮り写真が貼られていた。

それは庭の散歩してる所から始まり、更衣室のギリギリの所まで撮られていた。


「もしかしてこの写真を飾る為だけの部屋なのか?」

「この部屋はこの建物が出来た当初からある物です。そしてこの部屋に飾られている写真は全て!ガルア様の!私物です。くれぐれもこの事は他の方には内緒の方向で」


そう所々強調しながら俺に注意してくる。

こいつ、ガルアの執事なのにこんな事言っていいのか?


「それは分かったけど、これ全部って本当なのか?ガルアはこの島の王だし、撮る時間ないんじゃないのか?」


色々な仕事に追われるのもこの島の王なら日常的だろう。

写真を見るに何処かで買い物してる所とか普通行け無さそうな場所まで撮られているし、全部は流石に無いだろ。


「そ、それは……警備の者に撮らせているのでは無いでしょうか。はい、きっとそうです」


目を泳がせながら言っているせいか言い訳にも聞こえてしまう。


「………ていうかシニアさんって本当にガルアの執事なのか?」

「はい、それはもちろん。あとかつ様、ガルアでは無く、ガルア様です。気を付けてくだい」


俺の発言を丁寧に注意する。

急に執事っぽくして来たな。


「えっと……それは別に良いんだ。それより」

「いいえ駄目です。そこはちゃんとして頂かないと。困ります」


シニアは先程の会話を再び持ってきた。

何か少しめんどくさいなこの人。


「いや、そこは許可貰ってるからいいんだよ。それより」

「ガルア様が許可してもこのシニアが許可致しません。訂正をお願いします」


なおを引き下がらず訂正を求めて来る。

平然とした顔をしてるがやっぱりこの人。


「もしかしてシニアさん、話題逸らそうとしてません?」

「いえ、いえ、そんなことございません。わたくしはただ、ガルア様に仕える執事として、食事をする時も出かける時も共にする者でございます。話題を逸らそうなどと下劣な行為。するはずがございません」


と、言葉では執事感を出しているが額から汗が滲み出ていたり、こちらに目を合わせない所など怪しさマックスだ。

それに先程の発言に気になる所があった。


「出かける時もって言ってたけどそれってミレイがよくやってる事なんじゃないのか?」


ミレイの言葉を思い返して見ると寝る時も出掛ける時もと言う変態的な発言をしていた。

つまりシニアは何もして無いというのが合っている。


「み、ミレイ様ですか?確かにミレイ様もガルア様にお仕えしてる身ですが、このシニアの方がガルア様の事をちゃんと理解しております」


そう、自信満々に語りだす。

なるほど自信満々かそれじゃあ………


「それじゃあ、ガルアの最初に靴下を履く足はどっちだ?」

「そ、それは………」

「はい、時間切れ〜!正解は俺も知らない」

「な!?それは問題では無いじゃないですか!」


ま、文句を言ってくるのは大体予想してた。

それじゃあ次は……


「ガルアのチビ!クズ!ゴミ!」


俺は大声でガルアの、悪口を言う。

もちろんこれは作戦があり本心ではない!


「ちょ、かつ様いきなり何を……ん?この揺れは………」


その揺れはドンドン大きくなって来る。

来たな。


「ガルア様の悪口を言うクソ野郎は何処の誰だーーー!!!」


その怒鳴り声と共に勢い良く扉が吹き飛ばされ部屋の中に突っ込んでくる。


「な!?み、ミレイ様!?」

「貴様か!ガルア様にとっての害虫め!チリ1つつ残さず消えろ!!ファイナル――――」

「おい、ミレイ。その辺にしとけ」


俺は暴走状態に入ってるミレイの肩を叩いた。


「あ!?」

「さっき暴言吐いた人追い出しておいたからここにはもう居ないぞ」


ま、実際俺が言ったからいないも何もないけどな。


「ほ、本当か!?本当にこの場には居ないんだな絶対かつ!」


俺はミレイに肩を掴まれグラグラと揺らされる。


「おい、あんま揺らさないでくれ。気持ち悪くなる」

「す、すまない。少し興奮してしまって。て、絶対かつ!貴様無事だったのか!?」

「今更!?ていうか他にも気にする所あるだろ」


俺は壁にいっぱいに貼られている写真を指さした。


「こ、これって……」


明らかに顔が青ざめていってるのが分かる。

そりゃそうだよな、自分の写真が壁に貼られてるんだ。

気分が悪くなるのも仕方が無い。


「それ撮ったのシニ――――」

「ミレイ様、それを撮ったのはガルア様でございます」


俺の言葉を遮りシニアがミレイに嘘の情報を知らせる。


「ガルア様が私を………こんなに………ああ……」


するとミレイが突然崩れ落ちる。


「おい、ミレイ大丈夫か!?」


俺は床にぶつける前にに何とかミレイをキャッチする。


「幸せ過ぎて……ひぬ……」

「ああ……正常だな良かったよ」


俺は鼻血を出してるミレイをおんぶした。


「とりあえずシニアさん。あんたが何者か知らないけど、あんまり変な事するなよ」


俺はそのままミレイをおんぶしたまま部屋を出た。


「何か、雰囲気的に出ちゃったけど、これからどうしよう」


このあとガルアの所に戻りこっぴどく叱られたのは言うまでもない。



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