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半分獣の俺が異世界で最強を目指す物語  作者: 福田 ひで
第六章 ガルア様と黒の魔法使い
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その二十一 森からの帰還者

「う、ううん……ここは戻って来たのか?」


先程までのジャングルのような森とは一転して人で賑わうシアラルスに戻ってきた。


「はあ〜もうクタクタよ。もう1歩も動きたく無いわ」

「何言ってんだよ。こんな城の真ん前で寝るなよな」


その時周りの警備をしていた人がこちらに気付き駆け寄ってくる。


「もしかしてあなた方はかつ様でございますか?」

「あ、はい。そうですけど」


ミノルは腕を俺の首に回し体を預けた状態でだるそうに警備員のような人を見る。


「う〜ん警備員さん?私達勝手に入って来た侵入者じゃないのよ……」

「それは存じ上げております。ガルア様の命でかつ様が、こちらにいらしたら中に招き入れろと、言われているので。ささっ、早速中にお入りください」


そう言って、警備員は俺達を快く受け入れ俺はミノルを運びながら城に入っていった。


―――――――――――

「ガルア様!かつ様を連れて参りました!!」


扉をコンコンと2回叩き、奥にいるガルアに伝える。


「入っていいぞ!」

「失礼します!」


中からガルアの声が聞こえてくる。

その声を聞いたその人はゆっくりと扉を開ける。

するとそこにはガルアがソファーに座りその隣でラミアが寝ていた。


「よっ、何とかお前らも逃げ出せたみたいだな。で、そのお前の肩にぐったりしてんのがミノルか?」

「は、はい……すみませんガルア様。こんな姿勢で」


申し訳なさそうに謝るが限界に近いのか顔すら上げられていない。


「おい、そいつをベッドで寝かせてやれ」

「はいかしこまりました!ミノル様失礼します」


ガルアに向かって敬礼をすると、俺の肩にもたれかかってるミノルを警備員がお姫様抱っこして連れて行ってしまった。


「えっと………他の人は何処に行ったんだ?」


この部屋に居るのは俺とガルアとソファーで寝てるラミア以外見当たらなかった。


「他の奴らなら今ベッドで寝かせておいてある。特にお前の仲間のデビは、ラルダに向かってめちゃくちゃ魔法撃ちまくってたから今じゃぐっすり寝てるぜ」

「そっか無事なのか」


俺は安心して胸をなでおろす。

それにしてもラルダに魔法を撃ちまくるとかどんだけメンタル強いんだよ。

そこだけは尊敬するな。


「とりあえずお前も座れよ」


ガルアはそう言って、空いている隣をポンポンと叩く。


「ああ……それじゃあお言葉に甘えて」


俺は誘われた通りにガルアの隣に座る。

普通だったらこんなことありえないんだろうな。


「今回は巻き込んじまってすまなかったな。にしてもそもそも何でお前は外をふらついてたんだ。確かお前らには招待状を送ったはずなんだが」

「え?あ、そ、それは………」


突然のガルアからの突いてほしくない所をつかれ思わず目を逸らす。


「まさか……お前、無くしたんじゃねえだろうな」


ガルアの鋭い視線が俺に突き刺さる。

これは危険だ!

必殺話題逸らし!


「そんな事より俺まだこの城の事知らないから案内してくれよ!!」


俺は勢いに任せて乗り越えようと大声を出してガルアに伝える。


「え?あ、そ、そうだな………」


若干引いてるがとりあえず話題は逸らせたな。


「それじゃあ早速この城を案内してやるよ」


そう言って少し嬉しそうにソファーから立ち上がるとラミアに毛布をかけてそのまま出ていく。


――――――――――――――


「それでこれが俺の妹の部屋で」

「ちょ、ちょっと待ってくれ……一旦止まってくれ」


俺は正直ナメていた。

この城めちゃくちゃ広い!

全部紹介するだけで1日は掛かるくらいの広さだ。


「何だかつ、もう疲れたのか。まだ半分すら行ってないぞ」

「は、半分も行ってないのか!?もういいや」


あまりの量に流石に心が折れた。

ていうかこんな広さいらないだろ。

と思うがこんな所に住んでるやつに言っても意味分かんないこと言って終わりだろう。


「そうか。それじゃあ俺、ちょっとトイレ行ってくるからかつはさっきの客間に戻ってろよ。勝手に変な所入るなよ」

「はいはい、分かってるよ」


ガルアはトイレに行ってしまいこの迷路のような広い場所で1人ぼっちになってしまった。


「とりあえず元の場所に戻るか」


そう思い回れ右をした時、ある事実に気が付いた。


「客間って何処だっけ?」


――――――――――

「ガルアーーー!ミレイーーー!ミノルーーー!シニアーーー!デビーーー!リドルーーー!助けてくれーー!!」


思いつく限りの名前を言うが廊下に響き渡るだけで誰も返事はしない。


「やっちまったな……勝手に動かなきゃ良かったな………」


あの時1人ぼっちになって何処に行こうか分からなくなったが、とりあえずフラフラしてたら着くだろうという浅はかな行動をした結果がこれだ。


「まじでどうすんだよこれ。誰にも見つけられずそのまま餓死……」


嫌な想像をしてしまい寒気が体を襲う。


「と、とりあえず歩こう」


このまま何もしないと嫌な事を想像してしまう。

俺はとりあえずまたフラフラと進んで行く。

真っ白な壁もそろそろ見飽きた頃、気になる扉を見つけた。


「ん?何だこの扉?」


それは他とは違い年季が入った少し古そうな扉だった。


「他のトビラはピカピカでキレイなのに何でこれだけ………」


明らかに汚れてできた訳ではない扉に少し興味をそそられる。


「ガルアには他の部屋には入るなって言われてるけど、非常事態だし別に良いだろう」


俺は自分に適当な言い訳をして扉のドアノブを捻った。


「おい!何やってだ!!」


その時廊下中に響き渡る怒鳴り声が聞こえた。


「う、うえっ!?何だ!?」


その時廊下の先から険しい顔で近づいてくるガルアの姿があった。


「な、何だガルアか。びっくりさせるなよ」


あぶねえ、他の部屋に入るところ見られるかと思った。

まだバクバクとなっている心臓に手を置き落ち着かせる。


「何だガルアか、じゃねえよ。先に戻ってろって言っただろう」

「いやぁ、ちょっと道に迷っちゃって」

「たく、それじゃあ早く戻るぞ」


そう言って、ガルアは早速階段の方に歩いて行く。


「ちょっと待ってくれ、少し気になる事があってこの部屋何なんだ?」


この部屋の中にはもしかしたら金庫とかあるかもしれない。

そんな事を考えるとやはり聞かずにはいられなかった。


「え、あ、えっと………あれだ!妹の部屋だよ。だから勝手に入るな」

「え?妹の部屋なのか?それにしては年季はいってないか」


妹の部屋というよりおじいさんの部屋と言ったほうが納得行くほどの古さだ。

流石に妹はないだろう。


「あれだよ。アンティークな物が好きなんだよ。だからわざと扉も古くしてんだよ。これで分かったろ?ほら早く行くぞ!」


そう言って無理矢理俺を引っ張る。


「え?ちょ、引っ張るなよ」


予想とはだいぶ違ったな。

妹がアンティーク好き何て、そんなふうには見えなかったが。

それに俺の記憶が正しければ妹の部屋は別にあったはずだけどな。


―――――――――

「それでよ、妹がヌメヌメの触手モンスターに捕まっちまってよ」


うーんあの部屋が気になって話が全然入って来ない。

あの動揺っぷりやっぱり妹の部屋じゃないんじゃないのか?


「それで妹が体をヌメヌメさせられ―――おいかつ聞いてんのか?」

「え?あ、すまん。少し考え事してた」

「何だ?何考えてたんだよ」


あの部屋の事を考えてたとは言えないよな。


「ちょっとトイレ行きたくなっちゃって」

「そうなのか?じゃあ俺が―――――」

「あ、大丈夫だ!俺さっきトイレの場所確認しといたから。お前はここでラミアを見てろよ」

「ああ……分かった」


俺はトイレに行くという理由をつけその部屋を出た。

もちろん本当にトイレに行くわけがない。


「ふぅーよし!行くか」


俺は深く深呼吸をして、古びた部屋を目指し廊下を走った。

さっきガルアに客間まで引っ張られた時に道は覚えておいた。


「確かここを3回上がれば………あった!」


あの古びた扉、間違いない!

俺は辺りを警戒しつつ扉まで走っていく。


「よし、オッケー!ささっと行ってささっと戻る!」


そう決め俺は扉のドアノブを捻る。


「おい!何やってんだ!」

「っ!?やばっ!」


その時階段からこちらを見つめる警備員がいた。

しまった見つかった!

いいや、もう行っちゃえ!

俺はこちらに迫ってくる警備員より早く扉の中に入って行った。


「おい!勝手に中に入るな」


薄暗い部屋の中で俺は扉に向かって魔法を放った。


「ウォーター!からのアイス!」


俺のアイスにより扉が氷漬けになる。

こうすれば簡単には開けられないだろう。


「おい!開けろ!開けるんだ!」


外から叩く音が聞こえるが扉はビクともしない。


「よし!これならしばらくは大丈夫そうだな」


俺は薄暗い部屋を改めて見渡した。


「暗いな、電気は何処だ?」


壁に手を当て手探りでスイッチを探す。


「これかな?」


俺は少し出っ張ってる何かを押した。

すると先程まで暗かった部屋に明かりが付いた。


「お、正解みたいだな」


そして俺は謎の部屋の真実を確認するべく部屋の中を見渡した。

その時俺はとんでもないものを目撃してしまった。


「こ、これは!?」



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