プロローグ 再スタート
「これが今日の朝食だ。食っとけ」
「ありがと、ケイン」
「それ食い終わったら、ゴミはこっちに持ってきてくれ。捨てといてやるよ」
「わかった」
俺がこの世界に来て早いもので一ヶ月がたった。
あれからミノルとは会ってなく俺は現在ニート生活を満喫中だ。
いや家が無いんだからホームレス生活か。
でもダンボールが今の俺にとっての我が家だし……て今はそんなニートかホームレスのどっちかなんてどうでも良い。
一ヶ月間俺は起きてはご飯を食べ寝てまた起きてはご飯を食べ寝ての食っちゃ寝生活をしていた。
この生活をして思った事はレベル1の魔法はとても便利だという事が分かった。
ファイヤは食べ物を焼くのに便利だし、ウオーターは喉が渇いたときにいつでも飲める。
アイスだって生物を保存する時なんかとても便利だ。
戦闘力がない分、日常生活で使うのに長けているのだろう。
「おい食べ終わったか、ゴミ貰いに来たぞ」
そしてこの人ケインも面倒見がよくここに来てからも色々と世話をしてくれている。
「ああ、ありがとう」
「じゃあな。今日も一日頑張れよ」
「お前もな」
この生活には満足している。
俺と同じ境遇の人は居るし、食べ物も無料で食えるし、寝床だってある。
だけど……
「おれ…このままで良いのかな……」
このまま魔法を使わずに余生を過ごす……駄目だ、そんなの。
俺は決めたじゃないか、この島で一番強くなるそう誓ったじゃないか。
「今からでも遅くないよな。よし、クエストに行こう」
モンスターと戦って経験を積む、まずはそれからだ。
「ケイン、俺今から………何だ?そのバック」
「持って行きな、旅のお祝いだ」
「ケインお前……ありがとう」
俺は一ヶ月過ごしてきた家を捨て魔法協会に向かった。




