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半分獣の俺が異世界で最強を目指す物語  作者: 福田 ひで
第一章 ようこそにゃんこ島へ
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その八 クエスト

「こんにちは〜、クエストを貰いに来たわよ」


ミノルは魔法協会に入って早々にクエストを貰いに行った。


「あっ、ミノルさんお待ちしていました。これが頼まれていたクエストです」

「いつもありがとね。色々助かってるわ」

「いえいえそれは私の台詞です。また何かあったらいつでも言ってください」

「ええまたなんかあったら頼むわ」


ミノルは受付の人と話し終わったのか、何か紙みたいなものを持って戻ってきた。


「ミノル何を持ってきたんだ」

「クエストの紙よ。かつも見る?」


そう言って俺に紙を渡してきた。

紙には今から行くであろう場所の情報とそこにいるモンスターについて書かれていた。


「そっちは裏よ。クエストは表に書いてあるわ」

「そうなのか」


俺は言われた通り表を見た。

表はミノルの言ったとおりクエストの内容と報酬金が書かれていた。


「薬草の採取……これが今回やるクエストの内容なのか」

「そうね。薬草を取るついでに魔法の練習をしようと思って」

「さっき受付の人にこれを貰ってたけど予約とかしてたのか」

「そうよ。今日やろうとしていたクエストだったし魔法の練習をするのにうってつけかと思って」


確かにこのクエスト内容を見るからにあまり強いモンスターとかは出ないだろう。

ていうか薬草を取るってゲームでも最初にやるクエストだしちょうどいいな。

だけど行く前にちょっと確認したい事がある。


「なぁミノル、もしかして受付の人と友達なのか」


受付の人とかなり親しげに話していたし、俺が初めて受付の人と会った時の表情とは違い少し柔らかかった気がする。


「友達っていうか知り合いみたいなもんね。ここにクエスト選びによく来るから顔を覚えられたのよ」

「そうなのか……」


もしミノルが受付の人と友達だったらやばかったな。

あの受付の人には色々と迷惑を掛けてしまったし……ていうかなんかジロジロ見られてるんだが。

後でちゃんと謝っておこう。


「それじゃあかつ行くわよ」


そう言ってミノルは扉を指差した。

その扉にはテレポートと書かれていた。

もしかしてこの扉を入ったらすぐに目的地に着いたりするのか。


「なぁミノル、もしかして……」

「まあ見てなさい」


そう言ってミノルはさっきの紙を扉の横にある機械にかざした。

すると………


〘クエスト内容を確認。薬草の森にテレポートします〙


機械声が扉から聞こえた。


「なあミノルこの扉しゃべるのか」

「設定してあるだけよ。ちなみにこの機械はリツが作ったのよ」

「え、まじかよ。リツって実はすごいんだな」


こんなすごい機械作れるんだったらお金とかいっぱい貰ってないのだろうか。

まあ貰ってたらあんなボロボロの家には住んでないか。


「それじゃあ行くわよ」

「ああ!」


俺はゆっくりと扉を開け中に入って行った。

一瞬目の前が暗くなったがすぐに眩しいほど光り輝き気づいた時には既に目的地に着いていた。


「スゲー!これが魔法か」

「どう?初めてのテレポートの感想は」

「魔法って凄いって、改めて思った」

「かつもいつか使えるようになるわよ」


そうだよな。

今まで魔法は凄いって思ってたけど、この島では当たり前なんだよな。

そう思うと早く魔法を使ってみたいな。


「早く魔法を使ってみようぜ」

「ちょっと待ってどうせならモンスターに使ってみましょう。えっと………あいつなんてどうかしら」


そいつは猫ぐらいの大きさで口は尖っていて、背中には羽が生え四本足で立っていた。

確かさっきの紙を見るにキャラガと言うモンスターらしい。

初心者にはオススメのモンスターと書かれていたと思う。


「よし、あいつだな。ミノル魔法ってどうやって撃つんだ」

「まずはかつが何の魔法を使えるのか確認しなきゃ。魔法許可証を見れば分かるからそれで確認して」


俺はミノルの言われた通り、魔法許可証を確認した。

そこには魔法と書かている下に、ファイヤ、ウオーター、アイス、サンダーと書かれていた。

名前を見るにだいたいどんな魔法かは予想できる。

だったら……


「よし決めた。次は?」

「あとは手に魔力を込めるようにして、使いたい魔法を叫ぶだけ」


何だそんだけか、意外と簡単だな。


「分かった」


手に魔力を込めるようにして使いたい魔法を叫ぶ。

俺は思いっきり力を込めて魔法を叫んだ。


「ファイヤ!!」


すると手から勢いよく炎が出てキャラガの全身を覆った。


「よし!成功だ」


キャラガは俺の放った炎を消そうとして何度も地面を転がっていて、転がりながら助けてほしそうに泣き喚いて最後は動かなくなった。

………なんかすごい切ないんだけど。

そうだよな、いくらモンスターとはいえ生き物だ。

魔法に目が眩んで命を奪うという罪の重さに全然気付かなかった。


「初めてにしてはなかなかうまいじゃない。モンスターにもちゃんと当ててたし………って何でそんな悲しそうな顔をするのよ」

「いや生き物を殺したことがなかったから、何か可哀想に思えてきて」


俺の言葉を聞いて一瞬呆れたような顔を見せたが、直ぐに顔を上げ俺の肩をガシッと掴んだ。


「え?」

「いーいかつ!この世界で生き残りたきゃそんな甘い考え捨てる事ね。生きるか死ぬかのこの世界で、モンスターを殺すことは私達が生きる為には必要な事なの。それはモンスターも一緒。分かったら二度とそんな事言わないでよ」

「はっ、はい……すいません」


何か物凄い説教されたな。

でも確かにモンスターも人も命懸けで戦ってるんだもんな。

この世界は俺のいたところとは全く違う。

モンスターみたいなヤバイ生き物なんていないし、ましてや突然死ぬなんてことは全くなかった。

俺は新しいこの世界で生き残るためにも生き物を殺すのはしょうがない事だもんな。

よし!気持ちを入れ替えて頑張ろう。


「すまないなミノル。もう大丈夫だ。魔法の練習に戻ろうぜ」

「分かったわ。それじゃあ次はあのモンスター」

「了解!」


俺はその後もずっと魔法の練習に没頭し続けていた。

2時間後俺達は少し休憩を取ることにした。


「いやー魔法って凄いな。ばんばんモンスター倒せるから気持ちが良いよ」

「それなら良かったわ。魔法にも慣れたみたいで」

「ああ、だいたいどんな魔法かは分かったよ」


ファイヤは最大でガスバーナー位の炎を出せる。

ウオーターは手から蛇口ぐらいの勢いで水が出て、量は体の中にマナがある限り出続ける。

アイスはかき氷ぐらいの冷たさの雪を出せる。

サンダーはスタンガン位の威力を出せる。

………うん、弱いな。

アイスに至っては氷じゃなくもう雪だ。

小型モンスターなら倒せるくらいの威力だけどこれより大きいモンスターには全く効かないだろう。

こんなんで俺大丈夫なのか。

まあレベル1だし仕方ないのだが、これは酷いと思う。


「ミノル、確か魔力レベルって上げられるんだよな」

「上げられるは上げられるけど特定の魔法を覚えなきゃ、レベルアップ試験に受けさせてもらえないわよ」

「まじかよ……」


自分の魔力を上げれば魔法を覚えられるようになるらしいが、それには魔法を何回も使わないといけないらしい。

何でそうなるのかはいまいちわからないらしい。


「当分は魔力上げだな」

「最初はそんなもんよ。私だって最初は魔力上げから始まったし。まあ頑張るのね」

「ああ頑張るよ」


気長にやっていけばいいか。


「それじゃあ薬草を取りましょうか」

「そうだな。どの薬草を取ればいいんだ」


この薬草の森には様々な薬草が生えている。

薬草の違いは色で判断するらしい。


「クエストによると緑の薬草が今回探している薬草」

「緑色か。それってこれか?」

「そうね、その薬草だわ。緑色の薬草は回復のポーションとかに使われるからたくさん取りましょ」

「了解」


俺達はしばらく森で薬草を探した。

しばらくすると空が暗くなり辺りが見えにくくなってきた。


「かなり暗くなってきたな。そろそろ帰るか」

「そうね。だいぶ集まったし、帰りましょうか」


夜は通常よりモンスターが活発になり強いモンスターが現れるらしい。

だから暗くなると皆無理せずクエストをやめかえるのだ。


「帰りはどうするんだ?」

「テレポートで帰るのよ。えっと………たしかここらへんだったかしら」


そこは俺たちがテレポートで最初に来た場所だった。

するとミノルは紙に何かを書いて地面に置くとその場所が光りだした。

すると………


〘クエスト終了を確認。テレポートを開始します〙


頭の中から直接出発する時に聞こえた機械声が響いてきた。


「この声って、もしかして扉の声か?」

「そうよ。紙にクエストの結果を書いて最初にテレポートした場所に置けばまたテレポートを出してくれるの」

「へ〜、便利だな」


これを作るなんてリツはめちゃくちゃ凄いのかもしれない。

そう思いながら俺はテレポートをした。



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