プロローグ
はじめての投稿で色々と文字とか間違って迷惑をかけるかもしれません。
勉強して成長していけばいいと思います。
毎日は投稿できないかもしれませんがちょくちょく出そうと思います。
どうかよろしくお願いしますおねがいします。
青い空、白い雲、鳥のさえずり、そんないつもと同じ風景を感じながら俺はいつものように学校の帰り道を歩いていた。
歩いているからといってなにか面白いことが起きることもなく、俺はただ道を歩いていた。
俺は毎日がとても退屈だ。
いや、それはちょっと違ったな。
俺は毎日が退屈というより、苦痛といったほうが正しいだろう。
俺の名前は絶対かつ。
この名前のせいで、勝負事はいつも任されていた。
だけど、俺は運動神経がそこまで良く無いしゲームも上手くもないので、結果はいつも負けていた。
そのたびに色々と愚痴や文句など言われたが、それは今まで嫌というほど言われてきたので、まだ我慢できた。
だけど高校1年のクラス対抗サッカーの時に、クラスで決勝まで行って最後のPKの時に決めれば勝ちという場面で、クラスメイトがまさかのゴールから全く見当違いの方向に蹴ってしまい、クラスメイトにさんざん文句を言われていた。
その後なぜだか知らないが、急に俺のせいで負けたと言い出し俺に罪をなすりつけてきた。
流石にそれには俺も怒ったが、何故かその後みんな俺を攻め始めた。
それがあまりにも理不尽で、悔しくて、俺は気づいたらその子を殴っていた。
「はぁ……」
嫌なことを思い出してしまい思わずため息が出た。
すると携帯のアラームが、勢い良く鳴った。
うるさく鳴る携帯をポケットから取り出し時間を確認した。
「もう3時か」
本当だったら今は学校にいるが、あの事件のあと行く気にもならなくなった。
家に帰ろうかとふと周りを見たら知らない所に来てしまっていた。
「しまった、ぼーっとしすぎたか」
もと来た道に戻ろうとした時にある考えが頭をよぎった。
知らない道……それは今の俺にとっては暇をつぶすいい機会だった。
「帰りまでまだ時間あるしちょっと探索するか」
数分後またふらふらと歩いていたらここらでは珍しい路地裏を見つけた。
「こんなところに路地裏なんかあったのか」
路地裏は実際には見たことがないが、異様に暗い。
朝なのに奥を見ようとしても真っ暗で何も見えず、不気味だ。
「入ってみようかな」
ついそんな事をつぶやいてしまった。
何でこんなことを言ったか自分でもわからないが人を惹きつける不思議な力が働いてるのだろうか。
「そんなわけ無いか。でも気になるし………入ってみるか」
俺は一歩を踏み出そうとした瞬間、何かが勢いよく通り過ぎていった。
「………?」
その瞬間不思議な現象が俺の身に起こった。
歩いてもないのに景色がものすごい速さで入れ替わっていく。
いや、正直路地裏なので景色はあまり変わらないが、それでも動いてることはわかる。
その時手に違和感を感じた。
ここまで来てやっと俺は今の状況を理解できた。
俺……誰かにさらわれてる!?
このままではまずいと思いすぐに足を地面に付けて何とか抵抗した。
その人はそれに気付いたのか走るのをやめた瞬間足が地面に付いた感覚がした。
「――――!?」
俺はすぐに繋いでる手を振り払った。
退屈とは思ったけどここまでの刺激は求めてない。
とはいえ連れてかれないで良かった。
「あんた何者だ?」
「………………」
その女の人はただただ無言で俺を見続ける。
「無言か……じゃあ質問を変える。なんであんたは俺を誘拐しようとした」
その人はまた無言で立ち尽くしている。
こんなジメジメした路地裏だからよりいっそう不気味に見える。
よく見るとかなり汗が出てるな、もしかしてだいぶ前から走ってたのか?
顔もかなりキレイでスタイルもいいな。
歳は俺より2~3歳上かな。
こんな女の人が、俺を誘拐しようとしてたのか、世の中本当にろくなことがないな。
「すまないけど俺は忙しいんだ。用がないなら俺は帰るぞ」
こんな不気味な人とはさっさと別れよう。
俺はその女の人に背を向け帰ろうとしたときに、その女の人はいきなり大声で
「あなた、このままだと死ぬわよ!!」
そう言って俺に死の宣告をしてきた。
意味がわからない、喋ったと思ったら変なこと言って頭がおかしいのか?
たがその言葉に俺は少し不安になり再び女の方を向いた。
「死ぬってどういう事だよ」
「そのまんまの意味よ。あなたは私について来ればいいだけ。そうすれば死ななくて済む」
急にペラペラ喋ると思ったらついてこいだと、本当に世の中ろくなことがないな。
この人は多分かなり危険な雰囲気を感じる。
ここは適当な理由を言って早々に帰ったほうが良さそうだな。
「すまないけど知らない人にホイホイ付いていくような男じゃないんでね。人さらいならほかをあたってくれ」
「それは無理。あなたは私に着いていくしか道はないの。じゃなきゃあなた死ぬわよ」
この女の人、全く諦める気がないな。
「なんであんたは俺が死ぬってわかるんだよ」
「それは教えられないわ。いいからあなたは黙って私の言うことを聞けばいいの」
強情な女だ、全く引く気が無いようだ。
すると女の人は、ゆっくりと俺の前に満面の笑みで手を出してきた。
「これが最後。あなたは私と一緒に来なさい。じゃなきゃ死ぬわよ」
それを聞いた瞬間体から全身に寒気が走った。
その言葉からは先程までとは違い本当に死んでしまうんじゃないかと言う恐怖が、その言葉にこもっていた。
本当に死んでしまうのか?
だとしたらなぜ分かる。
見たところ何か持っているわけではなく、なんか特殊な力を出しているわけでもない。
「脅して俺を誘拐する気か。これ以上近づいてみろ警察に通報するぞ」
自分でも分かるくらい声が震えている。
「通報できるなら通報してみなさいよ。まぁ、それができるかどうかだけどね」
だがそんな脅しも効かずまるで嘲笑うかのように余裕の表情を見せていた。
「それってどう言う……」
俺は無意識に携帯を見た。
すると携帯の上にある言葉が出ていた。
「………!?圏外って………どういうことだよ」
「だから言ったでしょう。さぁ……どうするの」
もしかしてこの女の人が………って、今更そんなのどうでもいい。
この女の人は普通じゃない、それだけでもう充分だ。
その女の人はまだ手を差し伸べている。
だがさっきよりも余裕がなさそうだ。
先程の笑みとは裏腹にこちらを睨みつけて体も少し揺れている。
何に焦っているんだ。
いや、考えるのはもうやめだ、今すべきことはただ1つここから逃げることだ。
何回も無理やり俺を連れて行こうとする辺り仲間はいないだろう。
だとしたらあとは、俺の体力と走るスピードが問題になるが多分大丈夫だろう。
あとはタイミングだが……
「早くしなさい!!悩む必要なんてないでしょう!!」
おっと、ついに怒ってしまったか。
だがその怒り利用してやるよ。
俺は逃げる準備をする為震える足を叩いて喝を入れた。
「決めたよ。俺は……」
俺はその女の人の前に近づき差し伸べている手に自分の手を近づけた。
女の人が一瞬笑みを浮かべた瞬間、俺は女の人の手を思いっきり弾き飛ばした。
「答えはいいえだ!!」
女の人がまだ理解できずに立ち尽くしている隙に、俺は自分持っているかばんを女の人に投げつけた。
その瞬間、俺は後ろを振り返らず必死に走った。
「なるほど、それがあなたの答えなのね」
なにか言っているようだが、そんなのにかまっている暇はない。
走っても路地裏の奥は真っ暗で何も見えない。
不思議な感覚に陥りながらも俺は来た道を戻れば必ず出られる事を信じて走り続けた。
その時、何かが俺の横を勢いよく通り過ぎた。
前を見た時、居るはずのない女の人が立っていた。
「えっ……」
その瞬間腹に激痛が走った。
「ぐはっっ!?」
その激痛に耐えられず、俺はその場で倒れてしまった。
殴られたのに気づくのはそう遅くはなかった。
女の人の力じゃない、この人何者だ。
「あなたが断ったのが悪いのよ。もっと平和的にいきたかったんだけどね」
クソッ!!まだ痛みが残っていて動けねぇ。
早く逃げなきゃ連れてかれる。
痛みに耐えながらなんとか手で這って逃げようとしたが、俺の前に女の人が立ちふさがって進めない。
「どこに行くの?諦めなさい」
「お前なんかに……捕まってたまるか……!」
「……そう」
すると女の人が近づいてきて俺の体に触ろうとする。
「くっ!やめ―――!」
俺は手を振り払おうとしたがその抵抗も虚しく、俺は体を持ち上げられてそのまま担がれた。
あんなに軽々と持てるなんて、なんつー力だ。
「バケモンだな……」
「レディーにそんな事言わないのよ」
そのまま女の人はまた走り出した。
最初に連れてかれたと同様にまた景色が物凄い速さで進んで行く。
このままどこに連れてかれるのだろう、こんな事になったのは人を殴った罰なのだろうか。
まぁこんな後悔したところでもう遅いのはわかっている。
どうせ後悔するなら、俺は抗ってやる。
もう吹っ切れたせいか先程よりも恐怖心は無くなっていた。
俺は自分の足を動かせるか確認した。
それに気づいた女の人が俺に話しかけにきた。
「あら、まだ起きてたの。いい加減諦めなさい」
「すまないけどおれは、諦めが悪いんでね」
俺は早速女の人の肩の上で足をバタバタさせた。
「あんまり暴れないでよ」
それをウザいと思ったのか、肩にかついでた俺を走りながらおろして手だけがつながった状態となった。
その瞬間俺の体が宙に浮いた。
人間の体が浮くスピードで走るなんてどんな速さだよ。
でも、今のところ俺の計画通りだ。
あとは、足で女の人を転ばせばいいけど、こんな早く走るんだったら転んだときに大怪我じゃ済まないぞ。
「なぁ、俺はこれからどうなるんだ?」
「あなたには関係ないわよ」
俺の顔を見ずに無感情で答える。
相変わらず冷たい対応だ。
「俺をここで逃してくれないか」
「それは無理よ」
「そうか……覚悟を決めさせてくれてありがとう」
「あなた何を言って――――」
俺は体を思いっきり反らして女の人の足に自分の足を引っ掛けた。
女の人はそれにつまずいてそのままバランスを崩した。
「ちょっ―――――!?」
すまないけど転んでもらうぜ。
その時、あるはずのものがないのに気づいた。
それは、転んだ先に地面がない。
いや、地面がないのはおかしいな、もっとはっきり言うと下り坂だった。
「マジかよーーーーーーー!!!」
俺はそのまま転げ落ち、気絶した。
最後に女の人が笑っているように見えた。