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15話 煙と目覚め

ジャックはジタバタするキャロルを横抱きで抱え、カトレア達のいる地下へ走った。

「食堂へ行け!カトレアからの念話は途中で切れたうえに何度かけても出ない。あのケムリ野郎に何かされたに違いない!」

「地下室じゃないのか!?」

「そこに地下室があるんだ!急げ!」


「着いたな。で?入口は?」

「とりあえず降ろせ!私が開ける」

キャロルの部屋の10倍はある広い空間で、ひっくり返された長机を退かそうとキャロルが踏ん張っている。

「退かせばいいのか?下がれ!」

ジャックが机を蹴飛ばし、机の下からバルブ付きの重々しい鉄の扉が現れた。

「無理やり外してもいい!やれ!」

「お、りゃああああ!!」

メキメキと剥がし、地下への道を開く。

階段が続いており、先はボンヤリとしか見えない。

「カトレアーーーー!!!!!生きてるか!?」

ジャックが叫ぶが、返事が帰ってこない。

「ジャック降りてくれ。私が見張っておく」

「了解!!」


コツコツと音を立てながら階段を下る。

暗く、下るたびに空気がだんだん冷たくなっていく。

やがて一番下まで降りきると、さらに扉が現れた。

(クソ、生きててくれよ……!)

ジャックは扉を蹴飛ばした。中はボンヤリとしか見えないがので、ジャックは照明代わりの火を天井に発生させた。

明るくなった地下室で、ジャックは震えた。

「み、みんな…………」

皆、倒れていたから。

暗い部屋の中、沢山の倒れた子供達はマネキンの様に固く動かない。

先程まで笑顔で走り回っていた筈の子供達はもういなくなってしまった。

((ジャック、中の様子は?))

((皆死んだよ。皆))

((落ち着け!事細かく報告しろ!カトレアも死んだのか?))

「……そうだ!!カトレア!!!」

思い出したかのように周りを確認し、見つけた。

「カトレア!カトレア!!返事しろよ!!」

「…………い……」

「………………へ?」

「……るさいって言ってんのよ……」

「生きてたのかぁ……良かったぁ…………」

「詳しくは起きてから…………寝る」

「おいちょっと!おーい……寝てるよ…………」

カトレアは目を緑色に光らせながら眠りについた。

((どうだった?見つかったか?))

((とりあえず運び出そう。寝てるから))

((………………まぁいいわ。分かったよ、各部屋に運べ))

((了解))

ジャックは何度も階段を昇り降りし、カトレアと子供達を屋敷中の部屋に運んだ。


【戦いから数日後 カトレアの部屋】


「ん…………ぁあ……寝てたのね」

「お、おはよう……」

「…………!子供達は!?生きてるの!!??」

「…………死んだよ。リアともう一人以外は……」

「嘘…………何日たった!?」

「十日だ。落ち着いたらまた来るよ。また後で」

取り乱すカトレアと冷静なジャック。

助けられた日と真逆の立場になっていた。

「私が落ち着かなくてどうするのよ……馬鹿ね」

自分を落ち着かせ、カトレアは着替えて部屋を出て行った。


【キャロルの部屋】


扉を開けると、キャロルとジャック、リアともう一人の子供が座っていた。

「落ち着いたみたいだな、座ってくれ。カトレア、この子はアルク。仲良くしてくれ」

キャロルの紹介で、オドオドした灰色の髪の少年がカトレアに話す。

「よろしく……です……」

「えぇ、こちらこそ」

「まぁ後で詳しく話すから今は別の話をしよう。執行者について話だ」











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