プロローグ
昔々、あるところに鎖を自由に操るお姫様がいました。
そのお姫様は美しく、心の広いとても優しい方で、のどかな田舎の領地でのんびりと暮らしていました。
しかしある日、金色に輝く大きな龍が領地を襲いました。
田畑は荒れ、村はなくなり、人はいなくなりました。
悲しい気持ちになったお姫様は、ある日、龍を捕まえることにしました。
龍と捕まえるために領地を出たお姫様は、4人の仲間とともに龍が住んでいるといわれる森にやってきます。
中略
そして、やっとのことで捕まえた龍を、お姫様はやっつけず、龍を連れて自分の領地に帰ると、大きな塔の中に一緒に入っていきました。
それからはお姫様は金色の龍と一緒に過ごしたそうです。
『鎖の領主と金色の龍:きんりゅうものがたり』
そこらじゅうがボロボロの筒状の古い巨大建造物の中、入り口から入ってすぐのところに、茶髪の髪の少し長い一人の少年がいた。黒いシャツ、茶色いズボンに黒い膝のしたまであるロングブーツをはいた少年は古い大理石の床に置かれている古い円形テーブルの前に古い椅子に座り、肘をついてその本を読んでいた。
『鎖の領主と金色の龍』という本は今や知らない人はいないほど有名な本
タイトル通り、かつての出来事が様々なジャンルで書かれているものをまとめた、いわば作品集である。
その本はすでにボロボロで、いまにも壊れてしまいそうな状態だった。
少年はその本を静かに閉じ、テーブルに置くと、上を見上げた。
壊れ、崩れ落ちた天井の隙間から見える空は青く、雲はほとんどなかった。
その空を見上げていた少年は、ふと口を開けた。
「なぁマリゴード。」
誰かを呼んだようだった。
この場所には人はこの少年しかいない。
では一体だれがいるのだろうか。
ジャラジャラジャラ・・・・
という鎖のこすれる音がし始めたと思ったら、すぐにその音はやんだ。
『なにか用か?ニンゲン。』
突然背後から女性の声が聞こえた。
「バルディだ。」
『そんな名前でもあったな。ニンゲン。』
「お前わざとだよな。絶対わざとだよな。・・・・・。それより聞きたいことがある。」
『なんだ?』
「昔のこと。先代たちのことを聞かせてほしい。」
『ほう。お前が先代のことを聞くとはな。もう調べていたのかと思ったぞ。』
「ここに来る前にいろいろ調べたが見つからなかったんだよ。俺の研究のためだ。教えてくれ。」
『それが人に頼む態度か?バルディ。』
「お前『人間』じゃないだろ。・・・・まぁいいや。」
そういうとバルディは振り向いて上を見上げた。
「なぁ。先代の話聞かせてくれよ。どんな方たちだったのか。覚えてるだろ?250年前、この地に厄災をもたらした金色の龍、マリゴードよ。」
バルディの見る先には、両手両足を首に鎖が巻かれた長い尻尾と巨大な翼、口から見える牙は鋭利、鱗は美しい金色に輝く巨大な翼竜、『マリゴード』がいた。
『いいだろう。貴様らアマリス家の代々の話を聞かせてやろう。アマリス家第22代目当主バルディ・アマリスよ。』
ついに始まりました【鎖縛金龍との語り人~厄災龍とのスローライフ~】!!
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それではまた次回!