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ダンジョンコアメンタルは恋をしない  作者: 菜王
第一章 迷宮を作ろう!
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第四十五話 呪術士のお仕事

第四十五話 呪術士ウォーロックのお仕事


☆フロア01


 カトリーヌが工程6に取り掛かっている隙に、俺はこっそりと呪術士ウォーロックのお仕事、いや修行を始めた。


 呪術士ウォーロックにとって大切なスキルは三つある。

 一つは付与魔法エンチャントスペル

 一つは土偶創造ゴーレムマスタリー

 一つは魔力封入マナエンチャント

 この三つが呪術士ウォーロックの基本となる三つのスキルだ。

 それぞれにランクが存在するんだよな。


 因みに持ち込んだMagicBOXの中に幾つか武具や防具があるから、それに付与エンチャントしてみよう。


 土偶ゴーレムはカトリーヌがダンジョンの通路を穿孔する時に素材化して貰った。

 まあ、土偶創造ゴーレムマスタリーランク1で造り出せるのは掌サイズなんだけどね。


 そして魔法系ジョブを取得すると同時に俺は自らの魔道書グリモワールを手にした。

 とは言えTABLETの中にアプリが増えただけだが。


 因みに土偶創造ゴーレムマスタリーランク1で造り出せるのはゴーレムでは無くグレムリンと呼ばれるモノだ。

 便宜上、小型をグレムリン、グレム、中型や大型をゴーレムと呼ぶ。

 まあ、どちらもゴーレムはゴーレムなのだが。


 俺は先ず掌サイズのグレムリンから造る事にした。素材マテリアルクレイサンドがあるが、クレイにしてみよう。


「……このスパイダーグレムから造ってみようかな」


 TABLETから呼び出す。

 主に偵察用の蜘蛛型スパイダーグレム5MP

 主に作業用の蟻型アントリオングレム3MP


 スパイダーグレムを選択しTABLETに手を当て、分量以上(少ないと失敗しやすい)の土を取り、後は念じるだけだ。呪文を唱えるのは誤発動を防ぐ為で、慣れるまでは想像イメージするだけでも結構疲れる。


「[スパイダーグレム]!」


 すると〈ポヒュン〉とポン菓子が出来る様な音がして──土が蜘蛛みたいになっていた。

 意外に簡単だな。

 操るのはオート、セミオート、マニュアルから選べるらしい。

 5MPのコストが高いか安いかは微妙だが。

 取り敢えずマニュアルでフロア01を動き回らせてみる。


「……視覚を共有出来るのか」


 壁や天井も移動出来るし、視覚も360°ある優れ物だ。移動速度も気持ち悪い位早い。


「どれ、カトリーヌを見に行こうかな」


 マニュアルで送られて来る画像を頼りにフロア02を目指す。


 恐らく感知はされている筈だ。


 ラジコンよりダイレクトで動かし易い。多少の補正が掛かっているようだな。


 天井や壁をスルスルと移動しながら一路カトリーヌの元へ!


 すると既に50mほど穿孔させているカトリーヌが見える。


「いたいた!」


 スルスルも地面を這う様に滑る様に進んで行くのは中々楽しい。


(ストーカーとか盗撮っぽいな)


 いけない趣味に目覚めそうになるのを理性で押さえ込みながらカトリーヌに辿り着いた。


「ミッションコンプリート……ぶふっ! な、なんだ!あのパンツは!」


 カトリーヌのパンツがまた一段大人の階段を登っていた。

 ダンジョンマスター的に──いや、止めておこう。いずれ機会がある筈だ。注意はその時にしよう。


「……まさかブレアとエレノアさんも…」


 ──エレノアさんだけは調べておこうかな


「──椎葉…」

「は、はひぃ!」


 気が付けば何時の間にか後ろにはエレノアさんが立っていた。まずいまずい! そくか、スパイダーグレムを操ると周囲への警戒に影響が出るのか。これは良く覚えておかねば。


「ど、どうしました? エレノアさん」


 この人の勘の良さはニュータイプ並みだからな。迂闊な事はできん。いやマジでね


「エルフレンジャーからの報告です。道に迷ったと思しき村人がこちらに近付きつつあるようです。冒険者だはなく本当に迷っているみたいですね」


 冒険者ではなくこのジュール大森林に? 危機意識が低すぎるんじゃないのか。


「……冒険者や騎士の類いでなければ放置でいいでしょう。状況は三人が探索に来た時と同じですからね」


「はい、ではそのまま監視だけしておきましょう」


 その時、エレノアさんが「放置するのですね」と念を押したが、俺には意味が分からなかった。

 その訳を知るのはあと暫くの時が過ぎる事になる。

 俺はこの世界が異世界であると言う事を忘れていたのだ。



 練習がてら迷宮にスパイダーグレムを十匹ほど放す。

 今度はオートにして巡回させてみる事にした。

 さらにアントリオングレムを造ってテストしたが、凄まじいパワーだった。これなら荷物を運んだり攻撃にも使えそうだ。指示は大変そうだが。


 ランク2には空を飛ぶグレムや地面を掘ったりするのとかあるし、ランク3になると変形したりファンネルやビットみたいに使えるのもある。

 この辺になる十分攻撃にも使えそうだな。

 道のりは遠そうだが


 そして練習がてらTABLETで画像を確認していると、ブレアが迷宮に帰って来た。


「また洞窟ウサギか」


 ブレアはまるでウサギハンターの様に捕まえて来る。

 てか洞窟ウサギは大ウサギや野ウサギと違ってレアなんじゃ無いの? これも才能なのかな。


 そしてこっそり洞窟ウサギのコロニーに仕舞い込むと俺の所に向かって来る。

 まだオヤツには早い。

 て事は話しは一つだろうな。


 PASSが繋がっている所為で、真っ直ぐ俺の元に飛んで来るブレアだが、今回はえらく急いでるな。


「マスター! 遂にリクルート出来ました!」

 やはりそうか!

「でかした! で、何を口説いた!」


「はい! コボルトさん達が助けて欲しいって!」


「よしよし! 何時でも……助けて?」


 助けて? 森のモンスターが?


「……ブレア…どうなってるんだ? 詳しく話してみろ」


「は、はい〜実は──」


♦︎♢♦︎♢♦︎


 ブレアの話しを統合すると、どうやらこの近辺で異変が起こっているらしい。嫌な瘴気も出始めているし、外から色んなニンゲンも入り込み、モンスターにしても危険なモンスターがこの大森林に現れ始めていると言う。

 そして、安全な住処を探していた所に、ブレアが突然現れたのだと言う。

 コボルトの族長は[渡りに船]と言う訳で逆に頼み込んで来たらしい。


「コボルトさん達は住処を提供してくれたら、お手伝いしてくれるそうです〜、ただ自分達は攻撃力には自信が無いので役に立つかどうかはわから無いと悲しい目をしてましたですね〜」


 だろうな

 コボルトはランク1のモンスターだ。一応モンスターだというだけだからな。


「いや、それで良い! 出来る事はあるし、戦い方もあるからな」


 俺はコボルトに迷宮移住の許可を出す事にした。

 幸先良いじゃ無いか!


「で、何匹いるんだ?」

 フロア01しか完成してないけど、まあそれでも十分だろうがな。


「……えっと、五十匹位みたいです〜」

「!!! マジかっ! 多過ぎないか! いや、そんなもんなのかな?」

「で、まだ他のコボルトさん達も来たそうでしたね〜」

「!!! そーなの! どうなってんだ?」


 迷宮内にモンスターか定着すれば毎日マナが回収出来るしな、問題は無いんだが

 でもそんなにいたらエントランスホール溢れてしまうな。

 う〜ん、コボルト用の洞窟でも作ろうかな? カトリーヌならすぐ出来そうではあるが。

 モンスター用の秘密の出入り口があった方が良さ気だな。


「良し、明日迄に専用の入り口と住処となる場所を確保する。明日夕刻にこのカトリーヌに来るように準備させろ!」

「はい〜☆ コボルトさん達喜びますよ〜」


 そう言ってブレアは再びジュール大森林に向かって行った。

 この森で起こっている異変が、どうやら俺達の為に上手く働いているようだった。

 ただ、この先は分からな無いが。



♢迷宮カトリーヌ入り口周辺部


「……あれは…グレイウルフの群れ?」


 エレノアはジッと森の中を伺っている。

 昨日から何度か感じた気配の主が、再度接近をはかっていた。


「……この迷宮に興味を持っているようね」


 グレイウルフはこの森の中でも多いモンスターの一つだが、ここ数日とみに近辺に現れ始めている。

 しかも群れの数はかなり多いようだった。


「強いボスが居るみたいね」


 森の中でグレムウルフが厄介なのはその起動力と群れの大きさだ。時に侮りがたい強敵となる。

 そして稀に上位種を産み出す事もある所為で、特別な固有スキルが無いわりに被害をもたらす事も多い。


「……どうやら来るつもりのようね」


 そして用心深く、子育ても群れ単位で行う彼等は住処にも大変気を使う。

 意外と繁殖力も高く、ゴブリン、スライムと並んで森の中に迷宮を構えるダンジョンマスターが好んで使役するモンスターでもある。


 この森の中の変化が、迷宮カトリーヌにも徐々に影響を与え始めている事にエレノアは気が付いていた。


 そして、それは始まったばかりであると言う事も

 

 

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