第四十一話 呼び出された闇
岩の迷宮三連発です!
(=゜ω゜)ノ
第四十一話 呼び出された闇
☆岩の迷宮
モンスターハウスを抜け、ガザム達は必死で必死で迷宮の闇を走り抜けていた。出口まではそう距離は残っていない筈だ。それだけが兵士達を支えている。しかし、運命の神は最後の試練を与えようとしていた。
狭い通路をオークやゴブリンを蹴散らしながらガザム達は突き進んでいた。炎の呪文は巻き添えを食らう可能性が高いので雷撃と氷結の呪文に切り替え、大剣と大斧を振り上げ、鉄の矢を雨の様に射掛けながらただ前へ、前へと突き進んで行く。
しかし、カザムはおかしな事に気が付く。
(どうした事だ⁉︎ 最初に感じた殺気がことごとく消え失せている)
そしてカザムの後ろに立つアーチャーも気が付いた。
「ガザム隊長、どう考えてもおかしいです。最初に感じた気配が無くなって、代わりに、何か禍々しいものを感じます」
「…………(やはり何かあったのか)」
迷宮の中ではアーチャーと言えどもその索敵能力は発揮出来ない。せめてシーフかスカウトでも居ればだが──
(だが、ここで止まる事は出来ん!)
そう、ガザム達に立ち止まる事は許されてはいない。今まさに後方からはモンスターの群れが数百匹近く追い縋って来ており、さらにローガンの仕組んだジェネレーターからさ新たに召喚されたモンスターが湧き出して来ているのだ。
そして、ガザム達は全ての選択肢を喪失し、目の前のモンスターハウスに飛び込んで行く事になる。そこはローガン達が死闘を繰り広げていた空間から一つ奥にあるモンスターハウスにあたる。本来ならここにも百匹近いモンスターが犇いている筈──なのだが
「……何故だ⁉︎」
そこには一匹のモンスターも居ない。いや、それは正確では無い。モンスターは居たのだ。
ただ──
「……全滅だと?」
──生きて動いているものは居ない。
そこには無数のモンスターの屍が累々と転がっていだけだった。
その中をガザム達は必死に走り抜けている。何があったかなど分かるわけが無いが、それでも走り抜けるしか無いのだ。
しかし、当然このまま抜け出せる筈など無い。
それは突然始まった。
闇の中から《ゴオッ!》と言う爆音と共に巨大な炎の塊が放たれる。
咄嗟に気が付いたガザムは「敵襲! 散開しろ! アーチャー! 矢を放て!」そう指示を下して全員が火球を躱したのを確認したガザムが、暗闇の中からその禍々しい姿を見つけ出した。
それは
黒い豹の様な(大きさは数倍あるが)姿をしているが、一つだけ決定的に違うのは「……頭が二つある……ヘルハウンドか!」それは双頭の魔犬
その昔、カザムは一度だけ遭遇した事があった。騎士団が討伐に向かったビンスの迷宮で、部隊を壊滅させた地獄に生息すると言われる危険な魔獣だった。しかも二匹も
そして──それだけでは無かった。
ソーサラーであるロイドがそれに気が付く。闇の中に展開する魔法陣の光を捉えたのだ。その光の中から──さらに危険な地獄の住人が現れる。
咄嗟にロイドは「ダメだ! カザム隊長! 戦ってはいけません!」そう言って出口に向かって走り出した。
「な、何言ってやがる! このまま逃げ切れるとでも──!!!」
しかし、闇の中に展開した魔法陣から現れた魔族の姿を見た時──ガザムは確信した。『ダメだ! 彼奴と戦ってはなら無い』ガザムはただ全力で走る。運が良ければ脱出出来るかもしれ無い。それ程の強敵だった。
そう、そこに現れたのは、レッサーデーモンや、サテュロス等の地獄の結界をすり抜けて地上に現れる雑魚とは違う。グレーターデーモンやデビルロードに匹敵する凶悪な悪魔の眷属
「バルログだ! かまうな! 人が相手にする奴じゃ無いぞ!」
このレベルを相手どれるのは召喚された勇者か、ランクSの冒険者か、剣聖と呼ばれる人として極限に達した者のみなのだ。
しかし
簡単に通すつもりは無いらしい。
バルログの身体は炎に包まれており、まともな物理攻撃では殆ど有効な打撃を加える事は出来無い。しかも火の属性を持ち、魔法を無効化する能力も併せ持つ難敵なのだ。
「Guoooo!!oo!!!」
迷宮にバルログの咆哮が響き渡る。
そして、燃え盛る炎の身体を揺すりながらガザム達に追い縋り始めるのだった。
闇の中を〈ズシンッズシンッ〉と地響きを鳴らしながら炎の悪魔は、迷宮を駆け抜けるガザム達にバルログは炎の呪文を放つ!
それは一切の詠唱を伴わず放たれる。
気配を察したロイドが叫ぶが「[ファイアーストーム]が来る!」それは確かに炎の嵐ではあるが、その威力は桁違いだった。
目の前を覆い尽くす炎の塊にガザム達は吹き飛ばされる。身を躱し損なった最後尾のウォーリアが炎に巻かれ消し炭になっていく。
「くっ! [アイスブラスト]!」
ロイドが氷結の旋風を叩き込む!
「Guo? gaoouu!!!」
いきなり反撃を喰らい《ズシンッ!》と膝を突いた所へアーチャーが鉄の矢を連射する。
(反属性なら何とかなるのか!)
ここで、咄嗟にガザムが立ち止まる。そして大剣にを握り締めると、凄まじい速さでバルログに襲い掛かった行った! 決して勝てる訳では無い。だが、このまま逃げおおせるとはとても思えない。稲妻のガザムはその全力の一撃一点に叩き込んだ!
「うおおおおおっ![烈空斬]!」
カザムの神速の一撃がーーバルログが地面に着いたその手を両断する。
「!!!!!NGUUUOooaA!!」
(届いた!)
ガザムはそのまま走り抜けるとヘルハウンドが飛び掛かって来るのを大剣で弾き、放たれ炎を見切るともう一撃をさらにヘルハウンドに放つ!
「喰らえっ! [怒轟破弾]!」
今度は鼻先に向けて放たれた一撃に怯んだ所にその大剣を横薙ぎにしてその前脚を斬り裂いた。
「グォオオオオオッ!」
そしてそのまま身を翻し一気に出口へと走り出す。
「立ち止まるな! このまま突破する!」
ガザムの人知を超える猛攻に思わず魅入っていたロイド達が慌てて出口へ向かい一斉に走り始める。
確かに一撃は加えられたが、この狭い迷宮の中ではどうしても足を止めての削り合いになる。人の身ではそれに耐える事は不可能なのだ。
それこそ勇者のようなチートスキルを持つ者が特別な神の加護を受けた宝具でも持たぬ限り。
そして「続け! 出口はもう直ぐだ!」ウォーリアのジェイクが先陣を切りモンスターハウスから細い通路に走り込もうとした時──その細い通路から黒い影が飛び出して来る。
「!!! ヘルハウンドだっ!」
ジェイクはその大斧を振るいハードヒットを直撃させる。しかし、斬り裂かれたヘルハウンドは、吹き飛ばされながらもその戦闘能力を喪失してはいなかった。
そう、ガザム達六人は最後の最後でヘルハウンドとバルログに囲まれてしまったのだ。
そしてバルログは「whgoooo!!!」斬り落とされた手を拾い上げると事もなげに繋ぎ直し〈ゴキンッゴキンッ〉とその感触を確かめ直し、ギロリとその視線をガザム達に向ける。
ガザムはバルログとヘルハウンドの群れに囲まれ、絶対絶命の窮地に追い込まれていた。
しかし──稲妻のガザムはまだ諦めてはいない。その目には未だ闘志がみなぎっている。これまで幾多の危機を乗り越えて来たガザムは、戦場では諦めた奴から死ぬという事をよく知っていた。
そして、決して諦めないのが稲妻のガザムの矜持でもある。
バルログがゆっくりと六人を焼き尽くさんと迫って来るのを、まるで他人事の様に見ている自分に気が付き、その腹が据わっていくのにガザムは驚いていた。
(まさかこの後に及んで開眼とかありえねえだろ?)
身を持ち崩しかけていたガザムはもう何年も新しいスキルを習得する事は無かった。だが、今宵は違う。濃密な死地での激しい戦闘の連続と、極限の命の危機が、ガザムの中に湧き起こる何かをもたらす。
それでもなおーーまだ生と死の天秤は大きく揺らいでいる。
岩の迷宮脱出まであと少し
たがその道程は今までよりもさらに厳しいものだった。
取り敢えず書けるだけ書き続けてます!
(=゜ω゜)ノ
何とかまとまりをつけたいっす!
ご意見ご感想をお待ちしておりまーす!
でも恋愛っぽい部分て難しいなあ




