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第三話 結ばれた手

二人が結ばれた!( ̄Д ̄)ノ!


だがダンジョンまではまだ遠いのであった。

( ̄◇ ̄;)


くどいでしょうか?

序章


第三話 結ばれた手



「で、君の名前は?」


俺は捕まえた少女に語りかけた。


「出来ればこっちを向いてくれると嬉しいんだけどな」


「……カトリーヌ」


「へっ? カトリーヌ?」


そしてーー少女はクルリと周りーー赤い髪をフワリと揺らしてこう付けつ加えた。


その紅い瞳をジッと俺に向けて


「…ダンジョンコアメンタルのカトリーヌ……カテゴリー5……なの…」


「へっ? ダンジョン? メンタル? カテゴリー5? な、なんの事だい?」


俺の知る常識の中に少女に付け加える属性にダンジョンとかカテゴリーなどと言う物は無い。そしてーー少女は紅い瞳をしていた。


(紅い瞳だと? カラーコンタクトか? いや、こんな子供にそんな物を付けさせ無いだろ?)


まてよ、確か他の派手な髪の少女もーー瞳の色が違っていたかも知れない。間近で見たのはこのカトリーヌと言う少女だけだから、気がつかなかったのかも知れない。


「…紅い瞳……気持ち悪い?」


ジッと見つめられて心配気にカトリーヌが質問して来た。俺は言葉を選ぶ素振りを気取られ無い様に慎重に答えた。


「いや、確かに珍しいけど気持ち悪いとは思わ無い。綺麗な真紅の瞳だな。なんだか吸い込まれそうになったよ」


すると


カトリーヌは安堵の表情を浮かべ


「…そう…良かった」


と言って上目づかいに俺を見て来た。


おおっ! 何気に美少女だ! 目鼻立ちは日本人のそれに近いのだが、何処か浮世離れした儚げな佇まいはとても幼い少女とは思え無い。



♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎



暗いモニタールームに職員の声が響く


「[カトリーヌ]と椎葉の接触は成功に終わった様です! このまま契約に進みますか!」


モニターを室内で皆が注視していた。


そしてーー研修担当官がタブレットを確認して三人の前に歩み出る。


「無事に[カトリーヌ]は椎葉をマスターに選んだ様です。数値的にも契約は可能なはずです。決断を!」


三人は顔を見合わせ、二言三言言葉を交わすと、納得した様に頷き、中央の一人が立ちあがった。


「それではこれより[カトリーヌ]と椎葉の契約を行う! 準備にかかれ!」


その一言で全ての職員が動き始めた。


「まさかカテゴリー5が動くとはの」


「おまけにカテゴリー4も七人全員がです」


「だがコレは吉兆か凶兆かはわからんな」


そう言って三人はバタバタと動く職員達の前で、ジッと[カトリーヌ]と椎葉の映っているモニターを見上げていた。


そして研修担当官が一礼をして三人を後にする。


「それでは契約を開始する。全員を契約の間に移動させろ!」


そう言ってモニタールームを後にした。一言「コレは大変な事になったわね」そう言い残して……



♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎


「椎葉君、こちらにどうぞ」


いきなり後ろから研修担当官に声をかけられた。


「は、はい」


するとーー後ろにカトリーヌが吸い付く様に付き従った。


「お、おい、どうしたんだ?」

「……良いの…今日からココは私の場所…だから」

「へ? 何の事だよ? 俺は研修でココに来たから何時までもはいないんだぜ」

「研修はもう終わりよ」

「へ、終わりって、説明では確か一週間の筈では?」

「私の名は霧島 麗子よ。挨拶はしたわよね。これからは霧島管理主任と呼んでね」


そう言って握手を求めて来た。慌てて握手をする俺は


「その、それはどう言う意味ですか?」


「つまり、貴方は研修という名の試験に合格し、配属先が決まったという事よ。付いてきて」


そう言うと霧島管理主任は後を付いて来るように促し、颯爽とこのホールを後にして行く。俺は仕方無く付いて行く事にしたのだが……何故かカトリーヌも付いて来る。


後ろから服の裾を摘み、黙って付いてくるカトリーヌに俺はこう告げる。


「お、おい、俺はこれからは何かあるらしいんだよ。後でまた遊んでやるから、早くみんなのところへ帰らなきゃダメだ」


するとーーカトリーヌは首をフルフルと横に振り「…これからは二人は一心同体……二度と別れる…事は無いの…」と真顔で言って来た。


「はい? な、何それ? 今度はどんなゲームなんだ?」


すると今度は霧島管理主任が振り返り


「椎葉君、カトリーヌの手を握ってエスコートして。後で説明するから」

「え? でもどうしてカトリーヌを「後で説明するから!」


押し切られた。


「……分かりました」


すると心配気にカトリーヌが手を差し出して来た。


「ふむ、お嬢様、ではしばらく手をお借りしますよ」

「……うむ、良きにはからえ」


俺はカトリーヌの手を握り、霧島管理主任の後を追う。


俺の差し出した手をしっかりと握る小さな手には確かな温もりがあった。そしてーー不思議な力を感じていた。なにか溢れ出る様な力が伝わって来るのを感じていた。


(ダンジョン…ねえ? )

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