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ダンジョンコアメンタルは恋をしない  作者: 菜王
第一章 迷宮を作ろう!
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第二十三話 忍び寄る影

段落の頭を一段落とす方法が分からない( ̄◇ ̄;)

第二十三話 忍び寄る影


☆沼の迷宮


沼の迷宮に送り込まれた部隊は、その濃いい瘴気に困惑していた。斥候部隊を指揮するハウンドは余りにも違う事情報との差に驚愕せざるを得ない。


「この迷宮が討伐されたのは少なくとも三十年以上前の筈だろ? それなのになんでこんなに濃いい瘴気が漏れ出て来るんだ」


それは有り得ない出来事に思えたが、現実に目の前の迷宮はその周辺の沼地にすら及ぶ広い範囲に影響を与えている。それは何かがこの迷宮の奥で起こっている事を如実に表している。


(おかしい。計画にあるのは岩の迷宮の筈だ。なんでこの沼の迷宮にまで異変が起こってるんだよ!)


蒼天騎士団は、王室付きの星読みがもたらした啓示にある、ジュール大森林起こると予知された異変に対応する為に勅命を受け先遣隊を送り込んだのだから、これはある意味当然の事だ。しかし、事情を知る者にとってこれは全く想定外の出来事だった。少なくとも密命を受けたハウンドにとっては


(くそっ! そもそも俺が岩の迷宮に派遣される筈だったのに、ジェラルドの馬鹿野郎が急遽変更なんかしやがるからこんな事になるんだ)


苦々しい思いで[沼の迷宮]を見つめるハウンドは仕方なくキャンプの準備を進めた。そして半ば諦め、直ぐに起こるであろう岩の迷宮での討伐と発見の報告を待つ方が得策だと判断し、出来うる限り時間をかけ、探索開始を引き延ばす事にした。

どうせ直ぐに状況が変わり、迷宮探索のリスクは必要無くなるとの判断だったのだか、それが致命傷となり、このジュール大森林に及ぶ策略と某略は取り返しの付かない領域に入り込んでいった。

ただ幸運なのか不運なのか、沼の迷宮に仕掛けられた罠はまだ発動せず、ゆっくりとその鎌首をもたげながらも、その刻が来るのを闇の底からジッと待っている。

そしてそれを見つめる黒い影は、そっと森の中にその姿を溶け込ませて行った。

先遣隊を指揮するジェラルドは後に、星読みの啓示が本当にあったのだという事を思い知らされることになる。あくまでも事態に乗りかかる形でこの策略は動いていたのだった。奇しくも王都では殆どの者が星読みの啓示など眉唾だと思っていたのが災いした事になる。



♢アスラガルド南端転移魔法陣


椎葉の待つエルフレンジャーの仮設キャンプに羽を羽ばたかせた少女が帰還した。


「マスター! 無事任務完了であります!」

「よしよし、ブレア良くやったぞ! これでカトリーヌも迷宮開発の時間が稼げた筈だ」

「えへへ、じゃあもっと褒めて欲しいです〜☆」

ブレアは二ヒヒと笑い椎葉に抱き着いてくる。褒めて伸ばすのが基本方針である椎葉は頭を撫でながら後ろから抱き抱えてやった。

「ブレアのお陰で俺とカトリーヌに必要な時間が稼げた。礼を言うぞ。これからもよろしく頼む」

「はっ! はひぃいいっ! がんばらまふっ!」

椎葉は普段は自分から抱き着いて来るブレアに、最大限の褒め言葉とセットでのスキンシップだったのだが、顔を真っ赤にしてえらく噛みまくるので驚いていた。


(あれ? まずかったのかな?)


その時、エレノアさんから報告が入る。


「椎葉、少し森がに異変が起こったようです」

「それは何処で発生しましたか(岩の迷宮にしては早過ぎる)?」

「沼の迷宮です。それと、侵入者とエルフレンジャーとの接触が起こりました。かなり事前から入り込んでいたようで、しかも複数のチームに分かれているとの事です」

「……エルフレンジャーはどうしました?」

「……最後の連絡の後…行方不明となりました。かなり危険な者たちが入り込んで来たようです」

そしてーーエレノアさんは押し黙ってしまった。その目には怒りとも悲しみともつかない感情が溢れている。しかし、それもエルフレンジャーの任務なのだ。そう、この世界にダンジョンを送り込み続ける事こそがハイエルフとウッドエルフ達の使命であり、エルフレンジャーはそれに殉じたにすぎない。

そして、それは多くの犠牲を払いながらも、迷宮カトリーヌの危機は今の所脱している事を意味してもいる。余りにも想定外の事態が続き未だ予断を許さぬ状況が続いているが、その一点において椎葉とエレノア率いるエルフレンジャー達はその使命を全うしていた。


「そろそろカトリーヌの所に戻る準備をしなければな」


椎葉はそう言ってTABLETを開いて周囲の様子を伺う。予想では三人の探索者は早朝には開拓村に帰る筈だ。そこから隠蔽してあるフロア01の残りを開発し、さらに最低でもフロア05までは完成させる必要がある。

兎にも角にも椎葉はその為の時間を稼ぎ出すのに成功した。そしてその時間を最大限に有効活用するべく迷宮開発のスケジュールを全面的に見直しに掛かっている。ここから先は一瞬の判断の誤りが致命的になるだろう。そう確信していた。


「マスター! 大丈夫です〜アタシとカトリンが付いておりますから! お任せ下さい〜☆」

椎葉はクスリと笑うと「期待しているぞ、ブレア」 と言って頭を撫でてやった。

するとブレアはニコニコと笑いながらまた腕に抱き着いてくる。何気にその美少女っぷりはオーバーキルだと思いつつも、ジュール大森林を覆う深い闇の中、二人は肩を寄せ合いながら朝を待っていた。



♢迷宮カトリーヌ[マナリアクター]


フロア11でカトリーヌはじっと三人の侵入者を監視続けていた。低レベルの冒険者である事を確認してからはずっと椎葉の帰還を待ち続けているが、万が一にも感知される危険を考え、全ての行動を停止していた。


「……早く帰れ…」


この時、全ての行動を停止していたお陰で、カトリーヌは不思議な波動を感知した。全ては怪我の功名と言えなくも無いが、それでも運が良かったのは間違いない。


感知してのは地脈と龍脈の波動だった。未だ接続していないカトリーヌだが、至近距離(それでもなお900m近く離れてはいるが)を通っているせいでその力を捉えてはいたのだが、その力の流れが一瞬だけ大きく揺らいだのを偶然感知する。

「……!!! な…に?…」

それはただ一度だけ起こった揺らぎだった。

カトリーヌとは言えど自らの領域外の出来事を捉える事は容易では無い。しかしこの時、偶然が重なりたまたま地脈と龍脈の揺らぎを捉える事が出来た。

それは、何者かがこの地に流れる巨大な力の流れに干渉し、何事かを成さんとして事を意味している。それをカトリーヌは捉えたのだ。

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