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ダンジョンコアメンタルは恋をしない  作者: 菜王
第一章 迷宮を作ろう!
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第十五話 フロア01

ダンジョンをつくる!

( ̄Д ̄)ノ

第十五話 フロア01


☆1日目


ゼロデイを過ぎ一日目が始まった。何だか顔が痛い上に奥歯がギシギシするのは何故だろうか?


「……自業自得…」

「ま、マスター! サキュバスであるブレアなら何時でも!」

「……椎葉さん……次はありませんから」


いたたたっお腹が痛い!とはいかないのが社会人の辛い所だ。




予定では一日に一階層づつ広げていき、一週間後に五階層まで完成させた後に迷宮を解放する予定だ。


俺はカトリーヌを呼ぶ。


「カトリーヌ、今日はこのフロア01を完成させるぞ。そしてお客様を迎えるのが目的だ」

「……分かった…3M(一辺が三メートルの立法体)で構成する…のね…」

「そう、データはTABLETから送る」

「……了解…」

そしてブレアを呼ぶ。

「はいは〜い! マスター! なんなりと!」

このサキュバスは元気が取り柄だな

「いいか、コボルトとグレイウルフの群れをマーキングしておけ! 今日から環境整備に入る。朝はマーキング、昼からは動物を集めるぞ!」

「??? は、はい? 分かりました」

「エレノアさん!」

「……はい…なんですか…」

うん、機嫌最悪だな。

「外のエルフ達に人の流れを確認させて下さい。昨日もブレアが数人の採集者と既に遭遇しています。予想よりもかなり人の領域に接近している様ですから、その情報を集めさせて下さいね」

「……はい…採集者が居たんですね?」

エレノアさんが少し不思議な顔をする。

「……何かありましたか?」

「……はい、以前の調査では一番近い人の集落は少なくとも百キロ近くは離れていました。おいそれと採集者が近寄れるとは思えませんが、少し調べてみます」

何か変化があったのかもしれないな。

「よろしくお願いします。割と危険な事ですからね」

「……はい…」

やはりハイエルフ…いやウッドエルフのエレノアさんでもピンとこない様だ。こういう風に何か新しい事を起こす時に、まるで連動するかの如く不測の事態が起こる時は注意が必要なのだ。いわゆる[運命の踊り場]と言うヤツだが、さしもの異世界の住人も精霊は信じても運命の流れ迄は思慮が行き届かないのかもしれない。要注意だな


三人を見送り俺はコントロールスペースに向かう。まだ仮設なので[コントロールルーム]は無い。


ダンジョンマスター権限で転移と内部移動スキルであるダンジョンウオークが使える様になっている。


トテトテとフロア01に向かうカトリーヌの頭をポンと撫でて俺は[マナリアクター]ルームに向かった。ブレアがジッと見ていたので今度からブレアの頭も撫でる事にしようか


♢[マナリアクター](仮設)


ダンジョンウオークで滑る様に移動すると百メートルなどあっと言う間だった。転移を使い[セントラルターミナル]を抜けてフロア11に降り立つ。


モニタリングしてある情報に異常は無い。


「まあ当然だがな」


ダンジョンコアは真紅の明滅をゆっくりと繰り返している。カトリーヌの紅い眼と紅い髪と同じ深い紅……俺はこのダンジョンコアの隔壁閉鎖をする事が無い事を祈る。いや、させ無い。必ずやカトリーヌの使命を真当させる事を誓った。その真紅の宝玉は力強く輝いている。


データーの確認を終えフロア01に戻る。何気に忙しいな。


♢フロア01


カトリーヌが手を翳すと壁がユラユラと揺れまるで溶け落ちる様に通路が形成されていく。3Mの場合約六秒で1m掘り進むから一時間で360mづつ通路が広がっていく訳だ。100m×100mでフロアを構成すると、最大で壁の厚さを考えておよそ2000mの通路が仕込める事になる。つまりおよそ六時間でフロアが一つ出来る訳だ。不眠不休のダンジョンコアメンタルだが付き合う俺の心がすり減るので一日八時間でやって貰う予定だ。オヤツ休憩は午前と午後の二回、お昼休憩は一時間だ。


「カトリーヌ、調子はどう?」


「……問題ない…岩盤の強度が高いから補強は…いらない…かな」


そうか、予想通りだ。流石に内部の状態までは確認出来ない。ソナーでわから無い訳では無いがす過信すると実は脆かったりする事は日常茶飯事だそうだから取り敢えず助かった。


ちなみにフロア01には行き止まりが殆どない。ここは外から動物を呼び込む為の場所になるからだ。カテゴリー5ならではの贅沢な構成となる予定だ。


エレノアさんは帰って来る気配無しか。


エレノアさんが帰って来たらお茶にしようかな?


俺はコソコソとMREの中からオヤツを物色する。


中にはフルーツバーが数種類ある。後は食事とセットになってるからな。


「仕方無い、今日はこれで我慢しようか」


用心して五本をポケットに入れカトリーヌの所に戻る事にした。今日はライフスペースを最後に造る予定だから余り時間的な余裕は無い気がする。まあ、休憩がてらだな。いずれはティータイムとして成立させよう。


チラ見するとカトリーヌもチラ見してきたので接近して頭をポンと撫でTABLETで確認して行く。


「一時間で約200mか……作業はこれでいい。後は動物の定着だな。ブレアだけでは間に合うまい。俺も出ようかな」


フロア05までは行き止まりが殆ど無いので作業効率は高い。今日は少し遅くなってもフロア01だけは完成させ明日からは定着の準備だな。


するとTABLETに反応が出た。かなり早い。これは「ブレアだな」するとビュンッとコッチに向かって来る。


「マスター! オヤツですか〜!」


「…………」


こいつ、オヤツ目当てにーーいや、まあいい。すると背後からカトリーヌもやって来た。


「……オヤツ?…」


何も食べない筈のカトリーヌがオヤツをご所望の様だった。


三人で輪になってオヤツのフルーツバーを食す。


「ブレア、良いのはいたか?」

「はい!マーキングしておきました! コボルトとグレイウルフ、それとコウモリとヘビやスライム、それに大イタチ、 大ネズミが沢山居ました!彼等は地中に穴を掘って暮らすので、この迷宮でも定着しやすい筈です! 餌は昆虫とかの小動物やキノコとかなんでいけると思いますよ!」


ブレアは精神に影響を与えるスキルを応用して情報を引き出せるので、知識が無くても迷宮に動物やモンスターを集める事が可能だ。何気に便利だな。確かにガードモンスターは必要だが最初からグリフォンだけいても出しどころに困りそうだしな。怪我の功名という事にしておこう。


そして大ネズミと大イタチを呼び込めばグレイウルフやコボルトの餌にもなる。


「カトリーヌ、フロア01を一通り完成したら大ネズミや大イタチ様に抜け道を幾つかつくろう。繁殖環境を作ってこの迷宮の生態系の底辺を支えて貰おうじゃ無いか」

「……分かった…足元に小さい通路を幾つかつくる…」

逃げ場があれば狩り尽くされる事も無いだろう。小動物はほって置いても入り込むらしいから先ずは様子見だ。取り敢えずフロア05までは迷宮型では無く自然の洞窟型で良いだろう。


するとまたTABLETに反応が現れる。エレノアさんだな。


暫くしてエレノアさんが暗い顔で現れた。どうしたのか? 悪い知らせだろうな。


「……どうやらまずい事になっているようです」

「……それはどう言う事ですか?」

「……人の集落が出来たのと古い迷宮に最近人が集まっているようです。その冒険者がこちらまで足を運んでいるようですね」

「予測より人の集落が近いんですね? 具体的にはどの程度なのですか」

「……今の所は数十人規模ですが

、どんどん家が建てられているようですね」


絶賛拡大中か





エルフレンジャーが確認した所によると、古い迷宮に珍しい石が見つかり始め、初心者と思しき冒険者の狩場になりつつある事と、余り狂暴なモンスターが居ない割に珍しい高価な薬草が取れるので、簡単な集落が出来たらしい。しかもここ数週間で。


「ならこの迷宮に早晩やって来る可能性が高いのですね?」


「はい。迂闊に捕捉すると帰って冒険者を呼び込む可能性が高いので今の所泳がせています。しかし、一組は2キロにまで接近したようです」


「かなり早い遭遇もあるかもしれませんね」

「……そうですね。可能性は高いです」


なら定着を早める必要があるな。


「カトリーヌ、方針を変更だ。先ずはフロア01を完成し、フロア06に仮設のライフスペースを設けよう。その後、状況によってフロアを一つづつ解放する。予測より人の接近が早そうだ」

「……わかった…今日の作業を早める」

「「「…………」」」


そうか、まだ早くなるのか


まあ、カテゴリー5だからな。


「……しかし、人の集落がそんなに接近しているとはな」

「はい。想定外でした」


また距離が微妙だ。もっと近ければ先に気がつくのだが、しかもつい最近出来たと言うし。


俺は最大限の注意を払う事にした。


「もうエレノアさんにセクハラしてる暇は無いね」

「……それは犯罪…」

「だからブレアにならいつでも!」

「暇があっても止めて下さい!」

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