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6年間変わらない恋

作者: 水野 音

私は、高校2年生。ごく普通の高校に通うごく普通の女子高生。


その日は日直だったから教室で日誌を書いていた。

プリントも持っていかなきゃいけないし予定も明日のに変えなくちゃ。

そう思ってると1人の男子が教室に入ってきた。間宮大地だ。


大「1人じゃ大変だろ?手伝うよ」

私「ありがとう。でもなんで?皆と遊んでたんじゃないの?」

大「そうだったんだけど、今日一緒に日直してる奴、休んでんじゃん」

私「で、来てくれたんだ。結構良いとこあるじゃん」

大「まーねー。俺、優しいから」

私「何言ってんの。じゃあプリントお願い」

大「おっけー」


大地は私の親友。女友達よりも仲が良いかもしれない。

正義感が妙に強くて困ってる人をほっとけない。

私はそんな大地が好きだった。

大地のことが好きだって気づいたのは中1の最初の授業がきっかけだった。

私と大地が親友になったのもその日からだった。



授業が始まって、新任の先生が自己紹介していると

まだ小学生気分の抜けない男子が、騒ぎ始めた。

もう、先生が困ってるじゃん。

そう思ってると1人の男子が立ち上がった。

「も−お前ら!先生困ってんじゃん。もう中学生なんだからしっかりやろうよ」

その男の子は、ごく普通の子だけどものごとキッパリ言えて

クラスのリーダー的存在だった。


前からすごいとは思ってたけどここまで勇気があるとは。

クラスの皆、言う事聞いちゃったし・・。なんか、カッコいい・・。


その日からかな。私はその人をどんどん意識するようになった。


好きなのかは、分からない。気になっていたのは事実。

これが、好きだって事に気づいたのは、ある日の放課後の事だった。

いつもの様に恋バナをしていると

友達の1人がこんなコトを言ってきた。

「さっきから、間宮の話ばっかしてるけど好きなの?」


自分が気づかないうちにその子の事ばかり話していた。

いつも目がその子を追ってた。話すたびにテンションが上がって。。

笑顔を見る度に嬉しくなって。ドキドキして・・・。


そうか。これが恋なんだ。


好きって分かったとたん、その人ともっと仲良くなりたいと思った。

体が勝手に動いた。自分でも分からないうちに話しかけていた。


私「間宮君、勇気あるじゃん。友達になろうよ」

大「・・・・」

私「あ・・ごめん。口が勝手に」

大「・・プッ。あはははは」

私「え?」

大「あ、いや。面白い奴もいるもんだなーって。いいよ友達になろう!」


次の日から、私達はどんどん距離を縮めていって、

付き合ってるって噂も立てられたりした。でも友達以上には、なれなかった。


中2になって、クラスが離れたりしたけど、私達はいつも一緒にいた。


そして中3。


私と同じ委員会にしてきたり、私と同じ

高校を希望してきて(これって脈アリ?)と思ったり

したけど、勇気が出なくて・・、、告白出来ないまま卒業。


高校生になって新しい生活のスタート。


いくら大地と仲が良くても、もう告白する勇気もないし、あきらめよう。

と思い、好きでいるのをやめた。優しくてかっこいい先輩がいたから

好きかも。と思ったりしたけどすぐ冷めて長続きはしなかった。

もう1度、中学生の頃のような、あの頃のようなドキドキする恋がしたい。

なんで出来ないんだろう。。もうあきらめたんだから

次の恋に行ってもいいはずなのに・・。そんな事を悩んでるときだった。


中1の春休み。もうキぐ高校2年生。後輩も入ってくる・・。

早く学校始まらないかな〜。

そんな事を考えてると、〜♪♪〜♪〜、携帯がなりだした。

誰だろう。と思いながら受信Boxを開くと

1つ年上の男の先輩からだった。


先「俺と付き合わない?」

私「冗談ですよね?私なんか・・」

先「本気だったら?」

私「どっちですか?」

先「本気!!」


私(私1回も付き合ったことないしな。先輩かっこいいし・・・)


私「いいですよ。付き合いましょう」

先「マジ?やった」

私「よろしくお願いします」

   〜〜以下略〜〜


最初から、その先輩の事は好きじゃなかったけど付き合えば

自然に好きになっていくと思ってたけどやっぱり駄目だった。

あきらめたはずの大地の事を考えてしまう。

付き合えば忘れられる・・。。そう思ったのに。

(やっぱり・・こんな気持ちのままじゃ付き合えない。先輩にも失礼だよ)


次の日、勇気をだして先輩にメールをした。


私「先輩に話があるんですが・・」

先「どうしたの?」

私「本当は忘れられない人がいるんです。」

先「そっか。」

私「すみません。軽い気持ちで返事してしまって。」

先「気にすんな。頑張れよ」

私「え?」

先「間宮大地だろ。」

私「何で・・」

先「最初から分かってた。付き合えばすぐ忘れると思ってたけど」

私「ごめんなさい」

先「謝るなよ。頑張れ。じゃあな」


これで1ヶ月も経たないうちに人生最初の付き合いが終了。


自分から振ったのに涙が出てきた。どうしてだろう?

私は先輩に恋をしてた?先輩の事好きだった?

・・・。確かに好きだった。でも・・心のどこかでいつも

ずっと好きだった人の事を考えていた。

毎日言葉を交わすたびに、一緒に騒ぐたびに好きだなって思ってた。


でも、友達のままの方がいいと思って、その思いを自分からも

隠していた。今まで2人きりになったことはあった。

一緒に出かけた日もあった。チャンスはたくさんあったのに・・

いつも、「勇気がないから」で片付けてしまっていた。


その「勇気がない」は、告白する勇気がないんじゃなくて

告白してもし振られたら仲のいい友達に戻れる自信が

なかったからなんじゃないかって。今になって思う。

実際今だってそうだ。こうして告白できずにいる。


どうすればいいんだろう。告白した方がいい?

仲間のまま楽しくやってった方がいい?

自分でも自分がどうしたいのか分からない。


今は高3の夏休み。卒業なんてもうすぐだ。

この気持ちは、しまっておこう。今は勉強だけに集中。


でも・・。もし卒業の日までその人の事が好きだったら

その時は打ち明けよう。



        あなたのことが好きでした。

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― 新着の感想 ―
[一言] 短い時間で読めるし、分かりやすい。 自分と重ね合わせてみたりとすごい共感できた。
[一言] うーん……なんだろう? もう少し情景描写が欲しかった。 時間ばかりが過ぎてく感じ。 すみません、不愉快にさせるかもしれません。
[一言] 拝読させていただきました。 すみませんが、辛口になってしまいます。 物語自体は可もなく不可もない「好きな人に気持ちを伝えられない女の子」の話。 このありきたりの話をどう表現するかが、書き手…
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