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ACT1-1
キャンプは静かだった。
恐らく、もう手遅れかもしれない事は分かっていた。
だが、任務の無い今、この選択肢しか選べない。
湿った土を靴底で擦りながら近寄るキャンプは、中規模キャンプ。通信手段は確実にある。
「来たぞ!テントからだ!」
ミハエルが叫んだ。
そしてアルザスが言葉通りに目を向けると、憎らしき侵略者の姿があった。
赤い身体は皮を剥いだ動物のように真っグロテスクな外観で、それ
であって身長は2メートルもある化
け物。
誰が名前を付けたかは知らないが、人々は化け物をデロリアと呼ぶ。
「ぶちかませ!」
アルザスは両手に持ったF2000を構える。
このアサルトライフルは、ライベ国標準装備だ。
反動が少なく、使い勝手が良く、さらに高い連射力を備えている。