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ACT1
「この先に先行偵察隊のキャンプがある」
ミハエル・ライオネルは囁いた。
彼はライベル共和国の海兵隊長で、今までに多くの戦場を乗り越えて来た。
「死体が転がってないことを祈るよ」
皮肉たっぷりにアルザスは呟く。
彼もまた海兵隊員で、"わけあり"な人生を過ごしてきた。
ここ数ヶ月で何もかもが変わってしまった。
突然としてライベル共和国に現れた怪物。それは人々を
襲い、増殖し、まるで侵略者の如く国を乗っ取ったのだ。
「行くぞ、アルザス。クリアリングを怠るなよ」
そう言ってミハエルは、深い茂みの中から飛び出した。
「わかっているさ、そんなこと」
アルザスも後を追って、茂みから身を引きずり出す。