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金食い畑を買いました  作者: summer_afternoon


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2/5

〜¥

浮かれたのは束の間。農政から通知が来た。手入れしろってさ。

大家さんに相談。


「貸してる施設へ言えばいいんですか?」

「そんなこと言ったら、誰も借りてくれない。所有者がやるんだよ。草刈機で一緒にやろう」

「そんなに草、あったかなぁ」

「草はね、他の田んぼに雑草の種が飛ぶから。貸してない方、何植えた?」

「まだ考えてません」

「うーん。そろそろなんかしないと、調べに来るんだよね」

「面接されるんですか?」

「勝手に来て、勝手にチェックしていく。航空写真からもできるし、アプリでも。あそこなら車で通るだけ」


雑草を刈った。畑じゃないところで誰かが休憩したらしく、車を停めた跡とゴミがあった。

大家さんが畑横の側溝を覗く。


「ああ、ここもさらわないと」

「え?」

「泥が溜まってて、他んとこに水が流れない。ここね、道路に近いから粉塵(ふんじん)がすごいんだよ」


側溝さらいのオプション付き。


何植えようか、さつまいも、ピーナツと考えてたら、水道代の請求が来た。確かに蛇口があった。けど、地下水のはず。


「ああ、それ、あの地域一体の田んぼや畑の持ち主が広さで割って払ってるやつ。ほら、田んぼって水要るでしょ」


オレが持ってるのは畑なのに。地下水なのに。そーゆーわけにはいかない。〜¥

畑を耕したころ、管理費の請求が来た。〜¥


「それは、ほら、側溝とか壊れたら直すから、そーゆー修繕費とかのお金だよ」


固定資産税は安いはず。坪単価なら。が、何せ3000坪。賃貸暮らしで固定資産税なんて払ってこなかったオレには新鮮。〜¥

賃貸料の収入でなんとかなる程度って。賃貸料、安すぎ。


「賃貸料って値上げできないんですか?」

「山田さん、言いにくくない? 体の不自由な方やお年寄りが使ってくださってるのに。施設側だって借りるとなると大変なんだよ。みなさんを移動させるんだから。しかも、あそこは道路がすぐの危ない場所」


つまり、値上げしてはダメってことか。


「自分の代わりに、農作物育ててくれるってだけでもありがたく思わないと」

「そうですね」


ある日、警察から連絡があった。オレは清廉潔白に生きてきた。運転免許の更新でしか警察とは関わってこなかった。


「畑泥棒が捕まりました。山田さんの畑も被害に遭ってます。署までお越しください」


T_T 仕事、今忙しいのに。

警察へ行ったら、他の国の言葉でまくしたてられた。


「あの、私、日本語と英語しか分からないんですが」


警察官に言うと、通訳が来た。


「自分の国では、柵がない畑は自由にとっていい。柵を作らない方が悪い。あれじゃ分からない」

「そうですか」

「他の畑からは盗難届が出ていますが、どうされますか」


ああ、なんてメンドクサイんだ。


「盗難届。書かなくてもいいなら、書きたくありません」


早く帰りたい。仕事。

オレが盗難届を出さないと知った野菜泥棒は、ちょっと気をよくした。


「知らなかったとはいえ、申し訳なかった。野菜を返すと言っています」

「どこの畑の野菜か分かりませんよね?」

「今日、山田さんの畑で盗んだものです。現行犯だったので。要するに、示談です。山田さんのところの畑が1番被害にあってますが。あそこ、道路に面してるので狙われやすいんですよ」


通訳がやりとりし、オレの前に野菜が積まれた。


「はあ。では、貰っていきます」

「山田さんの野菜ですから」

「ありがとうございました」


うっかり、警察官と共に野菜泥棒にまで頭を下げてしまった。


「いえ、山田さん、お礼を言ってはいけません。山田さんの野菜です」


野菜がごっそり。

職場から来たから、車ないんだけど。仕方なく、タクシー。ああ、金が。〜¥


畑を見に行った。やられたのは、施設の人達が育って収穫するのを楽しみにしていた畑。心、痛い。本当に心臓に痛みが来る。凹んだ。


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