王都の倉庫
馬車は王都の門を通っていって、王都市内へと入っていった。
門では、王都の簡単なチェックを済ませて通過していく。門には王家の紋章が見えている。
「やっぱり広いね」
夕方だけれども、王都市内には人が行き交っていて、港町よりも人通りが多い。
様々なお店や露店が立ち並んでいて、買い物を楽しんでいるようだった。
「変わっていない」
馬車の窓から見ていたものの、追放されてからそのまま。
まあ、一気に変わっているっていうのもおかしいけれど。
「メリッサ様はここで過ごしていたのですね」
「そう。あそこは、追放前によく通っていたお店だし」
もしもまた過ごせるんだったら、良いかもしれない。
でも、マドレーヌ辺境領も魅力的だから。
迷うけれど。
「思ったより普通ね」
「パン屋、行列が出来ていますね」
タレスブールよりも行列が出来ているのかもしれない。
「穀物不足の影響でしょう」
この日、王都にある宿屋で一泊する。
「本当、どこで解決の緒が見つかるのかしら」
私は料理を食べながら、愚痴を言った。
殿下やカメリア、セシリアが見ているのに。
結論が見つからないから。
三カ所の関所ではほとんど分からない。
異変が見つからないのを、繰り返すのはもう疲れた。
早く見つかってよ。
イライラしながら眠りに。
移動疲れもあったから、そのまま眠ってしまった。
そして次の日に馬車は、倉庫街で停車した。
「王国人口の三分の一が、ここにいるのですね」
カメリアがそう呟く。
「だから穀物が消えれば終わる」
殿下は倉庫街の中央にある、倉庫の中へ。
中には穀物袋の山があった。
「で、殿下!?」
中にいた倉庫番が驚いていた。
「穀物の在庫を確認する」
「は、はい」
そのまま調べていくことに。
「ある」
「いっぱいありますね」
セシリアは倉庫番から借りた帳簿を確認していく。
「量は合っています」
穀物袋と帳簿を確認し合って、その答えを出していた。
「どういうことだ」
ここで量が合っているんだったらどうして。
「じゃあ、不足は?」
「市場に出す量が減っています」
私が問いかけると、倉庫番はそんな回答をした。
出す量が減っているって。
「なぜだ」
「財務局の命令です」
殿下が問い詰めると、あっさりと返事した。
空気が変わっていく。
「財務局……」
倉庫番は書類を出していく。
「『穀物優先契約』、契約先が王都三大商会」
書類に書かれている内容をセシリアが呟いた。
「買い占めが起きているのね」
それに対して私も乗っかる。
「価格操作だな」
殿下がはっきりと状況を確認した。
「つまり」
「王都は今」
一拍流れた。
「穀物投機が起きている」
つまりバブルみたいな事を起こそうとしているの。
*
倉庫の屋根の上。
誰にも見られることもなく、マドレーヌが笑っていた。
「惜しい」
パンをかじっていた。
美味しそうに、タレスブールで買ってきたであろうパンを。
「もう少し」
王都の中央を見ていった。
そしてその方向にあるのは。
「音が鳴るのは」
王宮であった。




