刑務所が天国になる日も近いのかもしれない。
受刑者には称呼番号という番号があります。事務的な手続きや点検時などに使用される番号です。ちなみに刑務所や拘置所では番号で呼ばれません。ちゃんと名前で呼んでくれます。
番号で呼ばれるのは留置所だけです。
さて受刑者に称呼番号があるように、2025年、今年から刑務所職員にも個別の識別番号が振り分けられることになったとニュースで見ました。
刑務官による受刑者への暴行事件への改善策として受刑者がその識別番号を見ることで刑務官を識別しやすくし、刑務官の匿名性を廃止しして職務遂行の責任を明確にするのが目的とのことでした。
つまり、受刑者が刑務官へクレームを入れやすくなったわけです。今までだと巡回をしている刑務官の名前なんてわかりませんでした。工場担当は所内での生活用品受け取りの指印を押す際に用紙の上の方に担当刑務官のハンコとかあったのでなんとなくわかりました。単純に立役に聞いても教えてくれるので工場担当は識別しやすかったですね。
これからは口の悪い警備隊の刑務官も識別できるようになる、つまりは刑務官も受刑者のクレームを恐れて受刑者の顔色を少しは伺わなければならない時代が来たわけです。
そこまでしなくてもよくね?
と、おじさんは思いました。
受刑者に対して逸脱した行動を行う刑務官は、まぁ、いるだろうが、それは他の刑務官が止めてくれたりするだろうし、識別番号があったってやりきってくる刑務官はやりきってくるかと思う。
受刑者に対して「さん」をつけたり、社会復帰を目的とした処遇にしたりと刑務所での生活環境は良くなり続けている。
はっきり言って刑務所での生活は楽だ。少々わがままやこだわりを捨てる必要性はあれど穏やかすぎる毎日が待っている。
初犯刑務所(初犯受刑者処遇)の年間休日日数は約170日、土日祝日は完全に免業日で矯正指導日(ほぼ遊びの日)が年間約48日ある。
刑務作業も朝は早いが終わるのも早い、入浴日の入浴順番が早ければ14時くらいで作業は終了する。風呂に入った後に刑務作業に戻ることはない。
午前午後の湯茶休憩(水分補給・トイレ・工場作業着の洗濯出し・着替え)は合計で30分、運動時間(30分+移動時間10分)昼休憩45分だ。
集会というおやつ食べながらテレビを見る日もある。集会がある日の総休憩時間は160分程度だったと記憶している。
長期の職業訓練コースに入れれば学生気分で服役できるだろう(半年に1回くらい元々の工場に帰らされるから荷物移動がめんどいくらいである)
どこが辛いねん・・・・・・
刑務所のどこが地獄なんだろうかと私は思っている。
罰を与える場所?
監獄法時代はそうだったかもしれないが高齢者・障害者・薬物依存・アルコール依存の巣窟と化している現在の刑務所の性格は変わったのだろうと思う。
特に高齢者や失業者はあえて服役するという選択肢を選びやすくはなるだろう。
ありがとう某刑務所、〈問題解決の手段に暴力〉を選んでくれたおかげで被害者置き去りの受刑者ファーストの制度が加速している。
拘禁刑・「さん」付け・識別番号制度の導入。
刑務所が天国になる日も近いのかもしれない。