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俺はリュックサックから零れ落ちた鉛筆を手に取り、パスポートへ遺書を書く
お父さん、お母さん、それと妹よ。
俺、頑張ったけど駄目だった……。今迄ありがとう、天国で見守っているよ
死を覚悟し目を閉じる
ああ昔飼っていた、白い犬が目に浮かぶ
「僕を迎えに来てくれたんだね、パットラッシュ」
「誰がパットラッシュだ、馬鹿アニキ!!」
目を開くと妹が空を飛んでいた
「な、何やってんだお前」
「アホ! アホ! アホアニキ!! リュックサックで何をしようと思ってたのよ!!」
「いや、パラシュートと勘違いして……」
「たく、流石に見捨てようかと思ったよ。……はいこれ」
妹は俺に右手に持っていたパラシュートを渡す
「わ、悪い」
「それじゃ私、行くから」
「行くって……何処に?」
「アマゾン! じゃーね」
そう言って妹は急降下し、パラシュートを開いて島の方へと落ちていった
「……………」
俺もパラシュート使わないと
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