24ページ
俺は左を見た。すると!
「………………」
「………………」
どこかで会った事があるような、妙齢の女と目が合ってしまった。手にはお菓子を握っている
「あらー、どうもお久しぶりです」
女はお菓子をしまい、俺にペコンと頭を下げた
「ああ、これはどうもご丁寧に」
「あーあははー。……それじゃ私はちょっとスーパーへ」
女は立ち上がり、いそいそとどこかへ行こうとする
「…………おい」
「…………何よ」
俺は女を呼び止める。呼び止めた女、それは俺の母親だった
「な、なしてかーちゃんが此処にいるっぺ!」
慌てすぎて思わず東北弁になってしまう
「あーえっと………そう! ブラジルのサンバカーニバルに参加しようと思って!!」
「サンバカーニバル? ……………ぷっ。ぐへら!?」
母の下っ腹辺りを見て含み笑いした瞬間、凄まじい打撃が俺の腹へ入った
「何か問題でも?」
母はニッコリと微笑む
「か、かーちゃんのゆ、優勝間違いなしだ……ね」
腹を押さえ、目を逸らしながら言う
「オーゥ、さっきから何をコソコソしてるアルヨ」
アフロが人質と銃を片手に迫って来る、どうする?
何もしない
40ページへ
隙をつく
34ページへ