第3話 グレーの髪色の少女へと復讐……。(1)
「死ね、死ね、死んでしまえ、デブ……」
「張繍の言う通りだよ!」
「死んでしまえよ、デブ!」
「早く死ね、デブ!」
「クソがデブ!」
と、こいつらは今日も僕のことを『デブ、デブ』と侮り、嘲笑う。
特に僕の元カノだった張繍の奴は……。李儒への丁稚奉公ばかりをしている僕のことが気に入らないから。
張繡は嫉妬心をあらわにしながら。
「ああ、見憎んだよね、あんた~。何、調子良く、アーシの目の前を走っているんだよ! クソデブ! 百貫デブが!」
と、元彼の僕に荒々しく叫ぶと、その後はこの通りでね。
《ドン!》
そう、廊下の床を枕に車に轢かれ潰れたカエルのように大の字で転がっている僕の背を今日も我が学園のヤンキー少女達の総纏め……。ボスのようなグレー色の髪色したヤンキー少女の張繡が僕の背を足踏みして、この容姿が醜いと元カノの癖に訳の解らない不満を言っては。元彼の僕に因縁をつけて踏み蹴りしてくるのだ。
だけど僕は彼女の罵声に対して今日も無視し続け……。それよりもリちゃんに頼まれた菓子パンや惣菜パンが僕の制服のポケットの中で潰れていないか? を僕は自分のポケットの中に手を入れ──。モゾモゾと確認をとるのだった。
だってリちゃんに潰れたパンを手渡すといつも憤怒! 彼女は怒りをあらわにしながら。
『仲穎~、パンが潰れているじゃない、どう言うこと?』と。
『仲穎~、私は、こんな潰れたパンなど食べられないから売店へと今から行って、交換してきてもらえるかしら。私の愛しい仲穎君……」
と、李儒も元カノだから、僕に無理難題を言っても憤怒しないと思って、甘えながら我儘ばかりを告げてくるお嬢さまだからね。僕も売店のおばさん達に潰れたパンを好感してください! と告げるのも嫌だし。仮に売店へといっても、今日のパン販売は終了……。交換するパンも残っていないから売店のおばさん達に嘆願をするのも嫌だから。
僕は床に倒れたままの状態ではあるけれど、張繡へと不満を告げる前に、先ずは元カノさまに嘆願された貢物の確認をすることを最優先だと決め、自分のポケットの中にある菓子パン、惣菜パンを確認した。
それもドレドレ? と言った感じでね。
するとさ、僕のポケットの中にある元カノさまへのパンは潰れていないことがわかって。僕はほっと安堵する。
でッ、安堵し終えれば僕は倒れたままだが、自分の身体の向きを変え『ジロリ!』と張繡を睨んで。
「張繍! 僕の背を女王さまのように踏むのはいいけれど。お前、僕にパ〇ティーが丸出し! 丸見えだぞ! それでもいいのか? えぇ、張繡ー?」
今日はいつもの虐められっ子の僕とは一皮も、二皮も違うから。僕は元カノ、張繡へと『ざまぁみろ!』と思いながら悪態をついてやったよ。
「わりゃぁ、張繍! 犯すぞ! こらー!」
と、張繡への脅しもつけ加えて僕はカッコ好くだ!
◇◇◇
《ドン!》
《ドン! ドン!》
《ドン! ドン! ドン!》
《ガン!》
《ガン! ガン!》
《ガン! ガン! ガン!》
「死ねー!」
「死んでしまえー!」
「このデブが!」
「クソデブが!」
「百貫デブが!」
「お前はデブ仲の癖に調子にのるなぁ、仲穎ー! あぁ、あああっ!」
僕がカッコ好く、張繡へと悪態をつけばこの通りだ。
僕は元カノ率いる我が長安学園のヤンキーの姉ちゃん達に踏み、蹴るの袋叩きに逢う失態を今日も犯してしまう。
そして最後には、僕に下着が見える! 見せている? この阿保! 張繡の奴が自分へと悪態をついてきた元彼の僕の背へと、他の奴等よりも鋭く、踏み、女王さま気分を味わうから。
僕は今日こそは、この張繡へと更に不満を告げ、ほっぺたを引っぱ叩いてやるつもりでいるから。
『張繡~、お前な~、いい加減にしろよ! これ以上僕に対して酷いことを続行するならば、今日はただじゃおかないからなー!』
僕は張繡の奴に対して怒声を吐き! お尻ペンペンの刑にするつもりでいたけれど。
やっぱりさ僕の良心と言う名の天子さまがいつもの通りに。
『張繡は李儒と同じで元カノだから、酷い事をしたら駄目だよ……。何だかんだと言っても、未だに仲穎君に妖艶な下着をお披露目してくれている訳だから。男の君はこれくらいの事……。彼女達の悪態行為は笑って許してやらないと駄目だぞ……』
僕の良心と言う名の天子さまは今日も他人事のように、張繡さんとその取り巻きのヤンキー姉ちゃん達に酷いことはするなと諫めてくるのだけれど。
僕の背は彼女達に踏まれ、蹴られるから、やっぱり痛いので。
「痛い! 痛い! 痛いよ……」、「張繡さん辞めてよ! 辞めて! 僕の背が痛いから!」
僕は今日も悲痛な顔でダンゴ虫……。自分の身体を丸めつつ急所をガード! 庇いながら辞めてくれと嘆願をするのだけれど。
《ドン! ドン!》
《ガン! ガン!》
張繡さん率いる、我が校のヤンキー姉ちゃん達は、このように僕の丸い身体を踏み、蹴りを続ける。
張繡の奴は嫉妬に狂い、僕が時間制限内に帰還をすることができずに、李儒ちゃんから叱られ、体罰を受ける様子を見て、お腹を抱え笑いたくて仕方がないようだから。
グレーの髪色した張繡達ヤンキー娘のメンバー達は、今日もまた僕へと嫌がらせをおこない続ける。
それも彼女達は自分の口の端をニヤリと吊り上げ──!
「「「わっ、ははは」」」
「「「あっ、ははは」」」
そう張繡達は今日も高笑いをしながら僕の丸々した身体を蹴り、踏みすることで性欲と快楽を満喫しているようだから。
僕は今日も悔しくて仕方がないから涙を流すのだった。
◇◇◇