表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/6

第一章 夢見るマム

初めての童話を書いてみました。


 小さな町の外れに住む子猫のマムは、毎日広い草原で遊ぶのが大好きでした。小さな体にふわふわの白い毛、ちょっぴり大きな耳がぴんと立って、いつも冒険心でいっぱい。何か新しいものに出会うたび、瞳がキラキラ輝きます。今日もマムは草原を駆け回りながら、


「今日はどんな不思議なものが見つかるかな?」


とワクワクしていました。


 ある日、草むらの中を歩いていると、マムはふと何かに足を引っかけました。

 

「なんだろう?」と見下ろしてみると、そこには古びた紙が落ちていました。端が少しちぎれていて、色も薄れていたけれど、どこか神秘的な雰囲気が漂っています。


 マムはその紙をそっと持ち上げてみました。よく見ると、それは小さな地図だったのです。


 地図には、見慣れない山や川、そして【星の谷】と呼ばれる場所が描かれていました。その中央には小さな星のマークが輝き、【星のしずく】と書かれています。

 

 マムは目を輝かせながら、


「星のしずくって、いったい何だろう?」と呟きました。


 地図にはさらに、【星のしずくを見つけた者は、どんな願いでもひとつだけ叶えられる】と小さな文字が添えられていました。

 

 マムの心臓はドキドキと高鳴り、胸の奥に小さな冒険心が燃え上ってくるのが嬉しくてなりません。


「もし僕が星のしずくを見つけられたら・・・どんな願いも叶えられるんだ!」


 マムは夢見るように、青い空を見上げました。『もっと速く走れるようになりたい』かも、『大きな猫になってみんなに尊敬されたい』かも・・・。色々な願いが浮かぶ中で、マムの心は決まりました。

 

「よし、星の谷を探しに行こう!」


 しかし、その道は決して簡単なものではありません。地図を見る限り、星の谷までは【深い森】を抜けなければならず、夜の闇や見知らぬ動物たちも待ち受けていることでしょう。けれども、マムはすっかり冒険の気分に包まれていました。


 マムは急いで草原を走り抜け、町外れの大きな木の上に住んでいるフクロウのグリムのもとへと向かいました。

 

 グリムはこの町で最も物知りなフクロウで、どんなことでも知っていると評判でした。彼なら、きっとこの地図についても何か教えてくれるはずだ、とマムは思ったのです。

 

「グリム!ねえ、聞いて!」


 樹の上で昼寝をしているグリムに、マムは元気よく大きな声で呼びかけました。


 夢から急に目覚めたグリムは、少しびっくりして樹の上でふわりと翼を広げました。そして、静かにマムを見下ろし言いました。

 

「どうしたんだい、マム?ずいぶん興奮しているようだね」


 マムは地図を見せながら、

 

「ねえ、グリム。星の谷って知ってる?この地図に描かれている場所で、そこには星のしずくっていう不思議なものがあるんだって!それを見つけたらどんな願いでも叶うんだって!」と呼吸をするのを忘れているように一気に話しました。


 グリムはしばらく地図を見つめ、少し首をかしげました。


「星の谷か・・・。ずっと昔に聞いたことがあるような、ないような。しかし、願いを叶える星のしずくの話は本当かもしれない。でも、星の谷に行くにはたくさんの困難が待っているだろう。道に迷わないためには知恵と勇気が必要だよ」


 マムはその言葉に少し不安になりながらも、胸を張って

 

「大丈夫!僕にはグリムがいるもの」と言いました。


 するとグリムはにこりと微笑み、少し目を細めました。

 

「そうかい、仲間に入れてくれるのかいマム?では、私も君と一緒にその星の谷を目指してみようじゃないか」


 こうして、マムとグリムの冒険が始まることになったのです。


お読み下さりありがとうございました。

宜しければ、評価、感想を頂けると嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ